1.13.1 Quality of Service(QoS)機能の概要
QoS機能は、次のDKCMAINファームウェアでサポートしています。
VSP G130, G150, G350, G370, G700, G900およびVSP F350, F370, F700, F900 (88-06-01-XX/XX以降)
QoS機能は、ボリューム単位に異なる性能レベル(I/Oレートや転送レート)を提供する機能です。サーバ仮想化やクラウドサービスの普及により、ストレージシステムを複数のサービスで共有するケースが増えています。パブリッククラウドにおいて、複数の企業(サービス)を同居させるマルチテナントの構成を組んだり、プライベートクラウドにおいて、ビジネス上重要度の異なるアプリケーションを同居させる構成を組んだりするケースがありますが、これらの構成では、サービス(アプリケーション)ごとに、ストレージに対して要求する性能レベルが異なります。通常のストレージ設定では過大なI/Oを要求するアプリケーションが存在すると、要求された順番にI/O処理を実行しようと動作するため他のアプリケーションへの性能レベルが下がる傾向があります。
その際、QoS機能によってボリューム単位にI/O処理をコントロールすることにより、アプリケーション間の性能干渉を抑え、一定の性能と品質を提供できます。
QoS機能では以下の詳細機能を提供します。
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特定ボリュームへのホストI/Oに対する性能上限制御機能
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各ボリュームへのホストI/Oに対する性能下限制御機能
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各ボリュームに対する優先順位制御
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QoS対象となるボリュームの性能表示機能(QoSモニタ)
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QoS対象となるボリュームのしきい値監視機能(QoSアラート)
QoSプログラムプロダクトは、該当モデルのDKCMAINファームウェアの場合、自動的にインストールされます。その状態でQoSを設定したボリュームに対してQoS動作が開始されます。
QoSの設定および参照は、「1.14.9 QoS操作コマンド」を参照してください。