Hitachi

 パフォーマンス最適化 クイックリファレンス 


1.11.7 関連コンテンツ(Server Priority Managerの設定(ホストバスアダプタとポートが1対1で接続されている場合))

〈この項の構成〉

(1) [優先ポート制御]画面の[ポート]タブ

[優先ポート制御]画面の[ポート]タブを利用すると、非優先ポートの性能(I/Oレートまたは転送レート)に上限値を設定したり、優先ポートの性能にしきい値を設定したりできます。

[図データ]

項目

説明

現在の制御状態

  • ポート制御:システムは[ポート]タブで指定した上限値やしきい値によって制御されています。

  • WWN制御:システムは[WWN]タブで指定した上限値やしきい値によって制御されています。

  • 無制御:システムの性能はServer Priority Managerによる制御を受けていません。

[ポート]タブを表示しているときに[WWN制御]が表示されている場合は、[適用]をクリックすると制御が切り替わり、[ポート制御]が表示されるようになります。

制御状態を[無制御]に戻したい場合は、全ポートの属性を[Prio.]に設定して、[適用]をクリックしてください。

ドロップダウンリスト

画面上には2つのドロップダウンリストがあります。1つは画面の右上に、もう1つは画面の左上にあります。

画面右上のドロップダウンリスト

画面の右上にあるドロップダウンリストを利用すると、リストに表示されるポートを絞り込めます。

  • [Prioritize]を選択すると、リストには優先ポートだけが表示されます。

  • [Non-Prioritize]を選択すると、リストには非優先ポートだけが表示されます。

  • [All]を選択すると、すべてのポートがリストに表示されます。

    ただし、ポートの設定を変更した場合は、ドロップダウンリストの選択項目を変更してもそのポートはリストに表示されます。

画面左上のドロップダウンリスト

画面の左上にあるドロップダウンリストを利用すると、リストに表示する情報の種類を指定できます。

  • [IOPS]を選択すると、ポートごとのI/Oレートがリストに表示されます。[IOPS]はIOs per secondの略で、ポート経由で1秒間に何回の入出力アクセスがあったかを表します。

  • [MB/s]を選択すると、ポートごとの転送レートがリストに表示されます。[MB/s]は、1秒間に何メガバイトのデータがポート経由で転送されたかを表します。

リスト

ポートのI/Oレート(1秒当たりの入出力アクセス回数)または転送レート(1秒当たりの転送データ量)が一覧表示されます。また、ポートの属性、しきい値、および上限値を設定できます。

I/Oレートと転送レートのどちらを表示するかは、リストの左上にあるドロップダウンリストで指定します。これらのポートのトラフィックは、Performance Monitorを使用して測定します。測定対象となる期間は、Performance Monitorの[モニタリング期間]で指定してください。

リストに表示される項目については、次の表を参照してください。

全体しきい値

このチェックボックスをチェックしてテキストボックスにしきい値を入力すると、そのしきい値がストレージシステム全体に適用されます。I/Oレートのしきい値を指定したい場合は、ドロップダウンリストで[IOPS]を選択してください。転送レートのしきい値を指定したい場合は、ドロップダウンリストで[MB/s]を選択してください。

例:[全体しきい値]でしきい値を128IOPSとした場合、すべての優先ポートのI/Oレート合計値が128IOPSを下回ると、非優先ポートでは上限値が無効になります。

なお、設定するレートの種類(I/Oレートまたは転送レート)が非優先ポートの上限値と異なる場合も、しきい値制御は動作します。

ポートコントローラ減設によるポート上の設定解除

ポートコントローラとは、チャネルボードのことです。減設されたチャネルボード内のポートに設定されたServer Priority Managerの情報をSVPから削除するには、このチェックボックスを選択してください。

チャネルボードを減設した場合、そのチャネルボード内にあったポートの情報は、Server Priority Managerの画面からは消えますが、SVPには残っています。そのため、同じ場所に別のチャネルボードを増設した場合に、以前に設定した優先制御の設定が適用されるおそれがあります。

なお、このチェックボックスは、減設されたチャネルボード内のポートに設定されたServer Priority Managerの設定内容(ポートに対する優先/非優先設定、およびWWNに対する優先/非優先設定)が、SVP内に残っているときだけ活性化します。

適用

画面上の設定内容をストレージシステムに適用します。

リセット

画面上の設定内容を、前回[適用]をクリックした直後の状態に戻します。画面上で、青色の文字で示された変更内容が、すべて取り消されます。

初期化設定

画面上の設定内容を次のように初期化して、ストレージシステムに適用します。

  • すべてのポートを優先ポートにする

  • すべてのポートに、しきい値として0(ゼロ)を指定する

    画面上では、0(ゼロ)の代わりにハイフン(-)が表示されます。

  • [全体しきい値]がチェックされていた場合は、チェックマークを外す。

閉じる

[優先ポート制御]画面を閉じます。

リストに表示される項目を説明します。

項目

説明

ポート

ストレージシステム側ポートを示します。

平均値[IOPS]

指定期間内でのI/Oレートまたは転送レートの平均値を示します。

瞬時値[IOPS]

指定期間内での、ポートのI/Oレートまたは転送レートのピーク値を示します。この値は、Performance Monitorが表示するポートのトラフィックの詳細グラフで、最大値の線が達する最高点の値です。ポートのトラフィックの詳細グラフは、Performance Monitorの[性能モニタ]画面で表示できます。詳細については、(3) Performance Monitorでのグラフの表示と表示項目を参照してください。

属性

ポートの優先度を示します。優先度を変更する方法については、1.11.3 ポートに優先度を設定するを参照してください。

  • [Prio.]は、ポートの優先度が高いこと(つまり優先ポートであること)を表します。

  • [Non-Prio.]は、ポートの優先度が低いこと(つまり非優先ポートであること)を表します。

しきい値

それぞれの優先ポートに対して、I/Oレートまたは転送レートのしきい値を設定できます。[IOPS]と[MB/s]のうち、リストの左上にあるドロップダウンリストで選択したレートの欄が活性化されます。しきい値を設定するには、セルをダブルクリックしてカーソルを表示してください。

  • [IOPS]には、I/Oレートのしきい値を設定できます。

  • [MB/s]には、転送レートのしきい値を設定できます。

    [IOPS]と[MB/s]のどちらかにしきい値を設定すると、もう片方の欄は無効になります。なお、優先ポートごとに、I/Oレートと転送レートのどちらで設定するかを変更できます。

    設定するレートの種類(I/Oレートまたは転送レート)が非優先ポートの上限値と異なる場合も、しきい値制御は全ポートに対して動作します。

上限値

非優先ポートのI/Oレートまたは転送レートに、上限値を設定できます。[IOPS]と[MB/s]のうち、リストの左上にあるドロップダウンリストで選択したレートの欄が活性化されます。上限値を設定するには、セルをダブルクリックしてカーソルを表示してください。

  • [IOPS]には、I/Oレートの上限値を設定できます。

  • [MB/s]には、転送レートの上限値を設定できます。

    [IOPS]と[MB/s]のどちらかに上限値を設定すると、もう片方の欄は無効になります。なお、非優先ポートごとに、I/Oレートと転送レートのどちらで設定するかを変更できます。

(2) ポートに優先度を設定する

背景

ホストバスアダプタとポートが1対1で接続されている場合は、優先度の高いホストバスアダプタと優先ポートの間のトラフィック、および優先度の低いホストバスアダプタと非優先ポートの間のトラフィックを測定する必要があります。

優先ポート優先ポートとは処理の優先度の高いポート、非優先ポート非優先ポートとは処理の優先度の低いポートです。優先度の高いホストバスアダプタに接続しているポートは優先ポートに、優先度の低いホストバスアダプタに接続しているポートは非優先ポートに設定します。

前提条件

  • 必要なロール:ストレージ管理者(システムリソース管理)ロール

  • Storage Navigatorのサブ画面を使用できること(詳細はHitachi Device Manager - Storage NavigatorユーザガイドStorage Navigatorサブ画面の使い方に関する章を参照)。

操作手順

  1. 次のどちらかの方法で、[性能モニタ]画面を表示します。

    Hitachi Command Suiteを使用する場合:

    • [リソース]タブで[ストレージシステム]ツリーを展開します。ローカルストレージシステムを右クリックし、[性能モニタ]を選択します。

    Storage Navigatorを使用する場合:

    • [分析]ツリーから[性能モニタ]を選択します。

  2. Server Priority Manager]をクリックします。

  3. [図データ]をクリックして、Modifyモードに変更します。

  4. Server Priority Manager]画面で[Server Priority Manager]をクリックします。

    [優先ポート制御]画面が表示されます。

  5. [ポート]タブが表示されていることを確認します。

  6. 画面右上のドロップダウンリストから[All]を選択します。

  7. リストで、優先度の高いポートを選択して右クリックし、ポップアップメニューから [Non-Prio. ->> Prio.]を選択します。

    優先度の高いポートが複数ある場合は、この操作を繰り返します。 ポートの[属性]欄に[Prio.]という表示が現れます。

  8. リストで、優先度の低いポートを選択して右クリックし、ポップアップメニューから[Prio. ->> Non-Prio.]を選択します。

    優先度の低いポートが複数ある場合は、この操作を繰り返します。

    ポートの[属性]欄に[Non-Prio.]という表示が現れます。

    [Non-Prio.]に設定したポートに対しては、上限値を設定する必要があります。

  9. [適用]をクリックします。

    今までの設定内容がストレージシステムに適用されます。

(3) Performance Monitorでのグラフの表示と表示項目

グラフを表示する方法を解説します。