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1.13.1 キャッシュ分割機能

多数のホストが1台のストレージシステムを共有している場合、特定のホストが大量のデータを読み書きすると、そのホストの読み書きデータがキャッシュメモリの多くの領域を占有してしまうことがあります。このような状況のもとでは、他のホストはキャッシュへの書き込みを待たなければならないため、データの書き込み速度が低下するおそれがあります。

Virtual Partition Managerのキャッシュ分割機能は、ストレージシステムに内蔵されているキャッシュメモリを複数の仮想キャッシュメモリに分割して、利用できるキャッシュ容量をあらかじめホストに割り当てておくため、特定のホストがキャッシュメモリの多くの領域を占有してしまうような状況を避けることができます。次の図の企業内ネットワークの例では、キャッシュメモリを3つの仮想キャッシュに分割し、それぞれを3つの支店に割り当てています。支店Aのホストはストレージシステムに対して、大量のアクセスをしていますが、利用できるキャッシュ容量が40GBに制限されているため、支店Aのホストの読み書きデータがキャッシュ全体を占有することはありません。支店Aのホストがどれだけ大量のデータにアクセスしても、他の支店のホストは常に40GBのキャッシュ領域を利用できるため、支店Aのデータアクセス量の影響を受けて他の支店のデータ転送速度が遅くなることはありません。

キャッシュ分割機能を使って分割された仮想キャッシュメモリをCLPRCLPRと呼び、1台のストレージシステムにはデフォルトで提供されるCLPR0を含めて32個までCLPRを作成できます。CLPRの作成方法については、関連項目を参照してください。

[図データ]

CLPRには、次のどれかを割り当てることができます。割り当て方法については、関連項目を参照してください。

メモ

Virtual Storage Platform G130ではVirtual Partition Managerを使用できません。