2.4.9 Thin ImageとDynamic Provisioningの併用
1つのストレージシステムで、Thin Image、Dynamic Provisioningを同時に使用する場合は、次の点に注意してください。
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容量削減機能はプライマリボリュームおよびカスケードペアまたはクローン属性のペアのセカンダリボリュームに設定できますが、動作するのはクローン属性のペアだけです。また、重複排除用システムデータボリュームはプライマリボリュームおよびセカンダリボリュームとして使用できません。
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容量削減機能によって圧縮または重複排除されたコピー元のボリュームのデータは、圧縮または重複排除を解消してから、コピー先のボリュームへコピーされます。また、容量削減機能は、コピーしたデータに対してすぐには実行されません。Thin Imageペアを作成したり再同期したりする前に、コピー先のボリュームの空き容量が、コピー元のボリュームに格納されている容量削減前の使用容量よりも多いことを確認してください。詳細は、システム構築ガイドを参照してください。
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容量削減機能を使用したボリュームを使用してThin Imageペアを作成すると、圧縮または重複排除されたデータをコピーするため、コピーの性能やホストのI/O性能が低下する場合があります。
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容量削減機能を使用すると、管理情報がプールに格納されるため、プライマリボリュームとセカンダリボリュームで、ページの使用量やライセンス容量に差があることがあります。
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Thin ImageペアのプライマリボリュームまたはセカンダリボリュームにDynamic Provisioningの仮想ボリュームを指定する場合、Dynamic Provisioningの仮想ボリュームが容量を拡張している途中ではペアを作成できません。
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Thin Imageペアのプライマリボリュームまたはセカンダリボリュームとして、Dynamic Provisioningボリュームの最大ボリュームサイズまで使用できます。Dynamic Provisioningボリュームの最大ボリュームサイズについては、システム構築ガイドを参照してください。
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Thin Imageペアのプライマリボリュームまたはセカンダリボリュームを指定して、Storage NavigatorまたはRAID Managerからゼロデータページ破棄を実施する場合の実行可否については、システム構築ガイドを参照してください。
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WriteSame/Unmapコマンドまたはリバランスによるゼロデータページ破棄の処理中にThin Imageのペア作成を実施すると、ゼロデータページ破棄が中断されます。
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Thin Imageペアのプライマリボリュームまたはセカンダリボリュームに対してWriteSame/Unmapコマンドが発行された場合、WriteSame/Unmapコマンドによるゼロデータページ破棄は実施されません。
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Thin Imageの仮想ボリューム(プロビジョニングタイプが[Snapshot]の仮想ボリューム)に対してUnmapコマンドが発行された場合、Unmapコマンドが異常終了します。
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システムオプションモード905がONの状態で発行されたUnmapコマンドの処理中にThin Imageのペア作成を実施すると、ペア作成が失敗する場合があります。ペア作成が失敗した場合は、しばらく待ってから再度操作してください。再度操作してもペア作成を実施できない場合は、システムオプションモード905をOFFにしてから再度操作してください。
(1) 割り当て済みのページがある、容量削減機能が有効なボリュームをセカンダリボリュームとして、クローン属性のThin Imageペアを作成する際の推奨手順
クローン属性のThin Imageペアを作成する際に、割り当て済みのページがある、容量削減機能が有効なボリュームをセカンダリボリュームとして使用する場合は、ペアを作成する前に、次に示す操作をしてください。
操作手順
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セカンダリボリュームにするボリュームをLDEVフォーマットします。
- 注意
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LDEVフォーマットせずにペア作成すると、初期化しながらコピーされるため、コピー時間が長くなったり、プロセッサの稼働率が上昇したりする可能性があります。
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次に示すユーザ要件に応じて、インラインモード/ポストプロセスモードを、セカンダリボリュームにするボリュームに対して設定します。
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ユーザ要件: I/O性能への影響を抑えたい
設定内容
注意事項
ポストプロセスモード
ペアが作成されてから容量削減されるため、セカンダリボリューム用に、プライマリボリュームと同じ容量のプール容量の確保が必要です。
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ユーザ要件: 必要なプール容量を抑えたい
設定内容
注意事項
インラインモード
ポストプロセスモードと比較して、コピー時間が長くなったり、プロセッサの稼働率が上昇したりする可能性があります。これらを抑えたい場合は、ポストプロセスモードの適用を検討してください。
注意: 以下のDKCMAINバージョンで、LDEVフォーマットせずにペアを作成すると、インラインモードを設定していても、ポストプロセスモードで動作します。このため、プライマリボリュームと同じ容量のプール容量の確保が必要です。
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VSP Eシリーズ
93-04-02-XX/XX 未満
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VSP G150, G350, G370, G700, G900, VSP F350, F370, F700, F900
全バージョン
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