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 ボリューム管理 クイックリファレンス


3.3.2 容量拡張(Accelerated Compression)設定が有効なパリティグループに属するプールボリュームを使用したプール

メモ

VSP E990では、容量拡張(Accelerated Compression)機能を使用できません。

〈この項の構成〉

(1) 容量拡張設定が有効なパリティグループ

容量拡張は、圧縮機能をサポートしているドライブで構成されたパリティグループに設定します。容量拡張設定が有効なパリティグループから作成されたLDEVの場合、ホストからの入力データは圧縮されて格納されます。これにより、データの圧縮によって増加した空き容量を活用できます。この空き容量にLDEVを追加定義し、それらをプールボリュームとしてプールに追加することで、パリティグループに格納できるデータの容量を増やすことができます。

容量拡張設定が無効な場合、パリティグループには物理領域だけがあります。容量拡張設定が有効な場合、パリティグループには拡張領域が新たに追加されます。パリティグループから作成されたLDEVは、物理領域と拡張領域に割り当てられます。なお、Storage Navigatorによって作成されたLDEVは、物理領域だけに割り当てられます。RAID Managerを使用してLDEVを作成する場合も、物理領域にLDEVを割り当てることを推奨します。

容量拡張設定が有効なパリティグループから作成したLDEVは、プールボリュームだけに使用できます。これらのプールボリュームを使用してプールを作成して仮想ボリュームを関連づけることで、容量拡張設定が有効なパリティグループが使用できます。なお、容量拡張設定が有効なパリティグループの場合、パリティグループ容量には物理領域の総容量が表示されます。

[図データ]

(2) プールボリュームの自動追加機能

プールボリュームの自動追加機能とは、容量拡張設定が有効なパリティグループをプールに使用している場合、プールボリュームの空き容量が少なくなった場合に自動的にプールボリュームを追加する機能です。プールボリュームの自動追加機能を使用すると、プールの使用率に応じて、自動でプールボリュームが作成されてプールに追加されます。これにより、ユーザによるプールボリュームの追加が不要になります。容量拡張設定が有効なパリティグループをプールで使用した場合、プールボリュームの自動追加機能が有効になります。プール単位でプールボリュームの自動追加機能を有効または無効に設定する場合、RAID Managerを使用します。コマンドについては、RAID Managerコマンドリファレンスを参照してください。

(3) プールに書き込まれたデータ

ホストから仮想ボリュームに書き込まれたデータは、ページ単位でプールボリュームに格納されます。容量拡張設定が有効なパリティグループを含むプールの使用量として表示される容量は、FMDで圧縮されたユーザデータの容量です。また、データの更新によってデータの追加や削除が発生した場合、そのつどデータの圧縮率は変化します。

このため、容量拡張設定が有効なパリティグループを使用したプールの場合、プールの容量にはデータを確実に格納できる容量として、次の容量のうち、小さいほうの容量が表示されます。

なお、容量拡張設定が有効なパリティグループ(圧縮機能をサポートしているドライブで構成されたパリティグループ)に属するプールボリュームと、容量拡張設定ができないパリティグループ(圧縮機能をサポートしていないドライブで構成されたパリティグループ)に属するプールボリュームがプールに混在する場合、プールの容量は次のように計算します。

容量拡張設定が有効なパリティグループに、データを確実に格納できる容量 + 容量拡張設定ができないパリティグループのプールボリュームの総容量

購入したDynamic Provisioningのライセンス容量は、定義したプール容量の分だけ消費されます。

(4) プール容量の監視

仮想ボリュームに書き込まれたデータは、プールに格納されます。例えば、プールの容量よりも仮想ボリュームの容量が大きい場合、仮想ボリュームが満杯になる前にプールが満杯になることがあります。したがって、プール使用量を監視する必要があります。プールの使用量にはしきい値が設定されています。プール使用量がしきい値を超えると、SIMが出力されてユーザに通知されます。SIM報告を受けた場合、ユーザはプール容量を拡張すれば、しきい値の超過状態を解消できます。容量拡張設定が有効なパリティグループに属するプールボリュームで構成されたプールの場合、90%固定の枯渇しきい値が設定されています。