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 ボリューム管理 クイックリファレンス


2.1.9 Dynamic Tieringが管理するバッファ領域

Dynamic Tieringは、階層ごとに、新規ページ割り当ておよび階層再配置時に使用することを目的としたバッファ領域を確保し、そのバッファ領域を考慮して処理を実行します。

〈この項の構成〉

(1) Dynamic Tieringが新規ページを階層に割り当てるために確保するバッファ領域

新規ページ割り当て時は、ページを最上位の階層から割り当て、再配置用バッファ領域(初期設定では各階層2%)を空けて、順次下位の階層に割り当てます。すべての階層の割り当て量が98%に到達すると、上位の階層から順に残りの2%(バッファ領域)に割り当てていきます。新規ページ割り当て時の動作を次の図に示します。

[図データ]

容量拡張設定が有効なパリティグループに属するプールボリュームから構成されるプールの場合、最上位階層の20%に相当する容量がバッファ領域として使用されます。最上位階層以外のすべての階層の割り当て容量が100%に到達すると、このバッファ領域にページが割り当てられます。

[図データ]

新規ページが割り当てられる階層を指定できます。詳細については、関連項目を参照してください。

(2) Dynamic Tieringが既存ページを異なる階層に再配置するために確保するバッファ領域

Dynamic Tieringは、再配置用バッファ領域を用いてページの再配置を実行します。このため、一時的に各階層のページの割り当て量が98%を超える場合があります。また、Dynamic Tieringは、再配置完了後に発生する新規の割り当て用の空きができるように、各階層の再配置を実行します。この領域を新規割当用空き領域と呼びます。階層再配置時には、再配置用バッファ領域および新規割当用空き領域の分の空き領域が、自動的に確保されます。

それぞれのバッファ領域の割合(該当する階層の容量に対する割合)を次の表に示します。再配置用バッファ領域率および新規割当用空き領域率の値は初期値です。ユーザは、Storage NavigatorまたはRAID Managerから値を変更できます。

ドライブ種別

再配置用バッファ領域率

新規割当用空き領域率

合計

SSD

2%

0%

2%

SAS 15K rpm

2%

8%

10%

SAS 10K rpm

2%

8%

10%

SAS 7.2K rpm

2%

8%

10%

外部ボリューム

2%

8%

10%