2.1.8 Dynamic Tieringを用いた性能モニタリングと階層再配置の手動実行モード
背景
手動実行モードはモニタリング情報の採取、階層再配置を手動で実行するモードです。次の手順で実施します。
操作手順
-
性能モニタリングの開始
-
性能モニタリングの停止
-
階層再配置
任意の時刻に性能モニタリングの開始と停止および階層再配置の開始と停止ができます。性能モニタリングの最長時間は7日(168時間)です。性能モニタリング時間が7日を超えた場合は、自動的に性能モニタリングが停止されます。例えば、8:00AMに性能モニタリングを開始して5:00PMに停止し、6:00PMに階層再配置を開始して、翌日の6:00AMに階層再配置を停止できます。
手動実行モードでのモニタリング情報の採取から階層再配置までの流れを次の図に示します。
RAID ManagerからはDynamic Tieringの階層再配置の「手動実行モード」だけが設定できます。
手動実行モードの場合、階層再配置の実行中に性能モニタリングの開始を指示して次の実行周期のモニタリング情報を採取できます。階層再配置が完了したあとで性能モニタリングの開始を指示することもできます。自動実行モードと同様に、2つを同時に処理するため、階層再配置で使用されるモニタリング情報(確定済みのモニタリング情報)と次の実行周期で採取されるモニタリング情報(採取中のモニタリング情報)は、それぞれメモリ上の別の面に格納されています。モニタリング情報を格納する面は、合計で2面あります。
-
ケース1
1回目の階層再配置の実行中に2回目のモニタリング情報の採取が完了して、最新のモニタリング情報が2回目に採取したモニタリング情報になることがあります。この場合、階層再配置を開始した時点での最新のモニタリング情報が参照されるため、1回目の階層再配置が完了するまでは1回目に採取したモニタリング情報が参照されます。
階層再配置の実行中に2回目のモニタリング情報の採取が完了した場合の例を次の図に示します。
-
ケース2
階層再配置の実行中に、モニタリング情報の採取を2回連続して実行することはできません。1回目に採取されたモニタリング情報を参照して階層再配置を実行している間、2回目のモニタリング情報を採取することはできますが、3回目のモニタリング情報の採取は開始できません。モニタリング情報を格納する面数が2面で、1回目に採取したモニタリング情報を基に階層再配置を実行しているため、3回目に採取されたモニタリング情報を上書きできないためです。この場合、1回目の階層再配置を停止するか階層再配置が完了してから、3回目のモニタリング情報の採取を開始してください。
階層再配置の実行中に3回目のモニタリング情報の採取を開始しようとした例を次の図に示します。