1.6.7 エクスポートツールの実行
エクスポートツールを実行してモニタリングデータをファイルに保存するには、バッチファイルを実行します。バッチファイルの実行例を次に示します。
c:\WINDOWS> cd c:\export ;runWin.batファイルのあるディレクトリに移動します。 c:\export> runWin.bat ;runWin.batファイルを実行します。
エクスポートツールがモニタリングデータの保存を開始すると、標準出力(コマンドプロンプトなど)には「…」という記号が出力されます。この記号は、データの保存が進むにつれて増え続けます。もし内部エラーが発生した場合、標準出力には「!」という記号が出力され、エクスポートツールはデータの保存を再試行します。データの保存が再開されると「…」が再び出力され、保存が終了するまで「…」が表示され続けます。エクスポートツール実行時のコマンドプロンプトの例を次に示します。
Loading ExportTool... ;エクスポートツール実行の準備を開始 Export tool start [Version 80-xx-xx/xx] ;エクスポートツールのバージョンが表示される command file = c:\export\command.txt ;コマンドファイルの名称が表示される [ 2] ip 158.214.135.57:1099 ;実行中のサブコマンドがコマンドプロンプト ;に表示される [ 3] dkcsn 123456 ;実行中のサブコマンドが表示される [ 4] login User = expusr, Passwd = [****************] ;実行中のサブコマンドが表示される (中略) [ 6] group Port ;実行中のサブコマンドが表示される (中略) [20] apply ;実行中のサブコマンドが表示される Start gathering port data ;モニタリングデータの保存処理を開始する Target = 16, Total = 16 +----+----+----+----+----+----+----+----+----+----+ ...........................! ;エクスポート処理の実行中に内部エラーが発生 ;したため「!」が表示された ................................. ;エクスポート処理の実行中には、処理の進捗 ;状況が記号「...」で示される End gathering port data ;エクスポート処理の再試行が成功し、 ;モニタリングデータが収集された
コマンドプロンプトに「Loading ExportTool...」が表示されてから、「Export tool start [Version 80-xx-xx/xx]」が表示されるまで、時間が掛かる場合があります。「Loading ExportTool...」が表示されてから、「Export tool start [Version 80-xx-xx/xx]」が表示されるまでに掛かる時間は、エクスポートツールを実行しているコンピュータとSVP間の通信環境によって異なります。およその時間の目安を次に示します。
コンピュータとSVP間の通信速度 |
回線使用率 |
掛かる時間 |
---|---|---|
1Gbps |
0.1% |
約1分 |
0.5% |
約12秒 |
|
100Mbps |
0.2% |
約5分 |
1% |
約1分 |
エクスポートツールの処理が正常終了すると、モニタリングデータは多くの場合ZIP形式のアーカイブファイルに圧縮保存されます。CSVファイルを取得するには、ZIPファイルからCSVファイルを抽出してください。もしご利用のオペレーティングシステムにファイル抽出プログラムが組み込まれていなければ、ファイル解凍ツールを入手してCSVファイルを抽出してください。
エクスポート処理の実行中にエクスポートが再試行されるエラーが発生した場合、コマンドプロンプトに「!」の記号が表示され、エクスポート処理の再試行が始まります。デフォルトでは、再試行は3回まで実行されます。
再試行を3回実行してもエクスポート処理が完了しない場合、およびエクスポートが再試行されるエラー以外の内部エラーが発生した場合は、再試行は実行されません。その場合は、コマンドプロンプトを終了してから再度エクスポートツールを実行してください。
なお、再試行回数の上限はretryサブコマンドで変更できます。
optionサブコマンドのオペランドにnocompressを指定すると、ZIPファイルの代わりにCSVファイルをコンピュータマシンに直接保存できます。ただし、ZIPファイルで保存した場合に比べると、ファイルの保存には時間が掛かり、ファイルのサイズも大きくなります。
- メモ
-
多くの場合、エクスポートツールで保存されるファイルは非常に大きくなります。すべてのファイルの合計サイズは、最大で約2GBになる場合があります。このため、ファイルの保存には多くの時間が掛かります。長期間に渡るモニタリングデータを保存するときには、エクスポートツールを1回だけでなく2回以上実行することをお勧めします。例えば24時間分のデータを保存したい場合は、エクスポートツールを8回実行して、1回につき3時間分のデータを取得するという方法があります。
- メモ
-
エクスポートツールを実行すると、そのたびに新しいログファイルがコンピュータ上に生成されます。このため、エクスポートツールを実行するたびにドライブの空き容量は少なくなります。ドライブの空き容量を確保するためにも、定期的にログファイルを削除するようにしてください。
エクスポートツールの処理が正常に実行された場合、エクスポートによって作成されたディレクトリおよびファイルは、自動で削除されます。エクスポートツールの処理が中断された場合、次のディレクトリおよびファイルが削除されずに残ります。
export/lib/<ipの値> JSanExport.jar JSanRmiApiSx.jar JSanRmiServerUx.jar SanRmiApi.jar
残ったディレクトリおよびファイルを削除するには、バッチファイルを実行します。Windowsコンピュータをご利用の方は、delWin.batを実行してください。UNIXコンピュータをご利用の方は、delUnix.batを実行してください。
- 注意
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エクスポートツールを実行してモニタリングデータを取得中に、delWin.batまたはdelUnix.batを実行しないでください。
- メモ
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delWin.batまたはdelUnix.batを実行する前に、command.txt内のipの値を変更した場合、残されたディレクトリおよびファイルは削除されません。この場合、手動でlibディレクトリ内に残されたディレクトリおよびファイルを削除してください。
エクスポートツールの実行が終了すると、エクスポートツールは終了コードを返します。
バッチファイルの中で終了コードを参照するには、次のようにします。
-
Windowsバッチファイルで終了コードを参照するには %errorlevel% と記述します。
-
UNIXのBシェルで終了コードを参照するには $? と記述します。
-
UNIXのCシェルで終了コードを参照するには $status と記述します。
-
下記の例は、Windowsバッチファイルで終了コードを参照している例です。このバッチファイルを実行した場合、エクスポートツールが終了コードの1または3を返すと、setサブコマンドの失敗を知らせるメッセージがコマンドプロンプトに表示されます。
java -classpath "./lib/JSanExportLoader.jar" -Del.tool.Xmx=536870912 -Dmd.command=command.txt -Dmd.logpath=log sanproject.getexptool.RJElMain<CR+LF> if %errorlevel%==1 echo THE SET SUBCOMMAND FAILED<CR+LF> if %errorlevel%==3 echo THE SET SUBCOMMAND FAILED<CR+LF> pause<CR+LF>
上記の例で使われている<CR+LF>は、1つのコマンドラインの終わりを示しています。