3.1.1 容量削減機能と容量拡張機能の利用
仮想ボリュームの容量を有効利用する機能として、次の2つの機能が使用できます。
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容量削減機能(圧縮機能および重複排除機能)
容量削減機能は、ストレージシステムのコントローラによってデータの圧縮(圧縮機能)およびデータの重複排除(重複排除機能)を実行して格納データを圧縮してビットコストの低減を実現する機能です。
本機能の効果を確認する場合は、以下に示す[ソフトウェア削減]の効果を確認してください。
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容量拡張(Accelerated Compression)機能
容量拡張機能は、ドライブに搭載されている圧縮機能によって、ストレージシステムの高いデータアクセス性能を維持しつつドライブ容量を拡張してビットコストの低減を実現する機能です。
本機能の効果を確認する場合は、以下に示す[FMD削減]の効果を確認してください。
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容量削減機能および容量拡張機能によるストレージシステム内でのデータ削減効果を確認する場合は、以下に示す[削減効果]を確認してください。
これらの機能を利用したときの容量削減の効果について、2つの例を示します。
例1:重複排除機能と容量拡張機能を適用する場合
重複排除機能と容量拡張機能を適用する場合について、次の図に示します。なお、画面に表示される項目は、括弧で囲まれています(例:[データボリューム使用量])
- 注
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[ ]で囲まれている項目:画面に表示される項目
※が付与された項目:RAID Managerによって表示できる項目
例2:容量削減機能(圧縮機能および重複排除機能)を適用する場合
容量削減機能(圧縮機能および重複排除機能)を適用する場合について、次の図に示します。なお、画面に表示される項目は、括弧で囲まれています(例:[データボリューム使用量])
- 注
-
[ ]で囲まれている項目:画面に表示される項目
※が付与された項目:RAID Managerによって表示できる項目
プール単位の削減効果の表示
プール単位の容量削減効果を表示するためのRAID Managerコマンドを次に示します。
RAID Managerコマンドの項目 |
図中の項目名 |
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コマンド名 |
項目名 |
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raidcom get pool -key total_saving |
SE_SAVING(BLK) |
[削減効果]の[削減量] |
SES(%) |
[削減効果]の[削減率] |
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DATAVOL_USED(BLK) |
[データボリューム使用量] |
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raidcom get pool -key software_saving |
PLS(%) |
[ソフトウェア削減]の[削減率] |
PL_SAVING(BLK) |
[ソフトウェア削減]の[削減量] |
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CMP(BLK) |
[ソフトウェア削減]の[圧縮量] |
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DDP(BLK) |
[ソフトウェア削減]の[重複排除量] |
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RECLAIM(BLK) |
[ソフトウェア削減]の[パタン排除量] |
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SYSTEM(BLK) |
[ソフトウェア削減]の[システムデータ量] |
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PL_PRE_USED(BLK) |
[ソフトウェア削減処理前容量] |
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PRE_CMP_USED(BLK) |
圧縮処理前容量 |
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PRE_DDP_USED(BLK) |
重複排除処理前容量 |
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raidcom get pool -key fmc |
FMC_LOG_USED(BLK) |
[FMD論理使用量] |
FMC_ACT_USED(BLK) |
[FMD使用量] |
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FMC_PLV_USED(BLK) |
FMDプールボリューム使用量 |
- メモ
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[削減効果]:容量削減機能を使用すると、ユーザデータのほかにシステムによって生成されるメタデータやガベージデータなども付加して削減率が算出されます。また、削減前のデータボリューム使用量がプール使用容量よりも少ない場合、削減率が低く表示されて、削減量は無効値「-」に表示されることがあります。
仮想ボリュームの削除やフォーマット、プール内のすべての重複排除が有効な仮想ボリュームの初期化などによって仮想ボリュームのデータを削除した場合、FMDには未フォーマットのデータが存在している可能性があるため、削減効果が低く表示されることがあります。フォーマット済み容量や進捗については[プール管理状態参照]画面の[空き+予約ページ容量]から確認してください。
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[ソフトウェア削減]:容量削減機能を使用すると、ユーザデータのほかにシステムによって生成されるメタデータやガベージデータなども付加して削減率が算出されます。また、削減前のデータボリューム使用量がプール使用容量よりも少ない場合、削減率が低く表示されて、削減量は無効値「-」に表示されることがあります。
プール内のすべての重複排除が有効な仮想ボリュームの初期化を実施した場合、処理(LDEVフォーマット)が完了するまで削減効果が期待と異なることがあります。プール内のすべての重複排除が有効な仮想ボリュームの初期化が完了してから、削減効果を確認してください。
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[FMD削減]:仮想ボリュームの削除やフォーマット、プール内のすべての重複排除が有効な仮想ボリュームの初期化などによって仮想ボリュームのデータを削除した場合、FMDには未フォーマットのデータが存在している可能性があるため、削減効果が期待と異なることがあります。フォーマット済み容量や進捗については[プール管理状態参照]画面の[空き+予約ページ容量]から確認してください。
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各削減効果の比率が表示可能な最大値(99999999999999.99)を超える場合でも、表示可能な最大値が表示されます。
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容量拡張設定が有効なパリティグループに属するプールボリュームの合計容量が、そのパリティグループの合計容量以下の場合、FMD上では、データは常に圧縮された状態となりますが、[プール]画面の[削減効果]には削減効果がないことを示す「1.00:1」が表示されることがあります。
この状態となるのは、次の場合です。
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プールボリュームの自動追加機能を無効にした場合
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パリティグループ内の一部のプールボリュームに対してプール縮小を実行した場合
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