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 ボリューム管理 クイックリファレンス


1.2.7 ファイル容量の削減効果があるOSおよびファイルシステム

仮想ボリュームを使うことで、特定のOSの特定のファイルシステムでは、次の表の「メタデータの書き込み」欄に記載されている量しかメタデータを書き込まなくなります。このため、仮想ボリュームを使わない場合に比べて、ファイルが必要とするメタデータ書き込み用の容量が削減され、1ファイル当たりの容量を削減できます。容量の削減効果があるOSおよびファイルシステムを次の表に示します。次の表に示す組み合わせ以外については、日立サポートサービスにお問い合わせください。

OS

ファイルシステム

メタデータの書き込み

1ファイル当たりの容量削減効果

Windows Server 2003

NTFS

仮想ボリュームの先頭だけに書き込みます。

ただし、ファイルの更新を繰り返すと割り当て容量が増えて、削減効果は少なくなります。

Windows Server 2008

NTFS

仮想ボリュームの先頭だけに書き込みます。

ただし、ファイルシステム作成時に標準フォーマットを実施すると、ファイルシステム容量分のプールを消費します。このため、クイックフォーマットを選択することを推奨します。また、ファイルの更新を繰り返すと割り当て容量が増えて、削減効果は少なくなります。

Linux

XFS

Allocation Group Size単位で書き込みます。

例えばファイルシステム作成時のAllocation Group Sizeの設定が640MBの場合、ページサイズが42MBのため、割合は42MB÷640MB=6.5%となります。このため、仮想ボリューム容量の6.5%のプールを、ファイルシステム作成時に消費します。Allocation Group Sizeの設定が非常に小さい場合には削減効果がありません。

Ext2

Ext3

128MB単位で書き込みます。

ただし、ファイルシステム作成時に仮想ボリューム容量の30%のプールを消費します。

注意:Ext2、Ext3の場合、ブロックサイズは初期値の4KBでファイルシステムを作成してください。ブロックサイズが2KBまたは1KBの場合、メタデータが32MB単位または8MB単位で書き込まれるため、容量の削減効果はありません。

Solaris

UFS

52MB単位で書き込みます。

×

VxFS

仮想ボリュームの先頭だけに書き込みます。

AIX

JFS

8MB単位で書き込みます。

×

なお、ファイルシステム作成時のAllocation Group Sizeの設定を変更することで、最大64MB単位で全面書き込みできますが、その場合でも仮想ボリュームの65%程のプールを消費するため、容量削減効果なしとしています。

JFS2

仮想ボリュームの先頭だけに書き込みます。

VxFS

仮想ボリュームの先頭だけに書き込みます。

HP-UX

JFS(VxFs)

仮想ボリュームの先頭だけに書き込みます。

HFS

10MB単位で書き込みます。

×

(凡例)

○:削減効果があります。

×:削減効果はありません。

上記で削減効果ありとしているファイルシステムでも、ボリュームの容量が非常に小さい場合には、削減効果は少なくなります。例えば、Windows 2003またはNTFSで、仮想ボリュームの容量が100MBの場合、先頭の1ページ(42MB)の割り当ては必ず発生します。このため、ファイルシステムを作成するときに、仮想ボリューム容量の42%(42MB/100MB)のプールを消費します。