Hitachi

 ボリューム管理 クイックリファレンス


1.1.1 Dynamic Provisioningとは(Dynamic Provisioningを用いた仮想ボリュームによるコストの削減)

Dynamic Provisioningは、導入コストおよびボリューム管理コストを削減するためのプログラムプロダクトです。Dynamic Provisioningでは、仮想ボリュームを使って導入コストおよび管理コストを削減します。

Dynamic Provisioningでは仮想ボリュームを経由してプール内のプールボリュームのデータにアクセスします。仮想ボリュームの入出力データは、プールに格納されています。プールは、1つ以上のプールボリュームから構成されています。このため、実際のデータはプールボリュームに格納されています。

仮想ボリュームには実際のドライブ容量よりも大きなボリュームを定義できます。また、ドライブの増設時は、システムを停止させないで継続的に運用できるため、次の目的を達成できます。

固定サイズのボリュームを使用する場合と、Dynamic Provisioningを用いて仮想ボリュームを使用する場合の違いについて、次の図で説明します。

[図データ]

図の「固定サイズのボリューム使用時」の例は、導入時に無駄な領域が多く、ボリュームの容量を確保するための費用が多く掛かります。ボリュームを定義するときにその容量のボリュームを準備しておく必要があるからです。また、この例では、1年後にボリュームの容量が80%を超えそうになっており、将来ボリューム使用量の増加に対応したシステムの再構築が必要となります。

一方、「仮想ボリューム使用時」の例では、Dynamic Provisioningを使用した例で、導入時にボリュームの容量を確保するための費用が少なくできます。この理由は、利用に応じてボリュームを購入でき、ボリュームの領域を有効に活用できるからです。また、システムの再構築が発生しないので、システムを停止させることなく継続的な運用ができます。