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Advanced Shell 


2.9.5 非クラスタ環境で論理ホストを運用する場合の設定

クラスタ環境で運用しない論理ホストの構築および運用についての概要を説明します。クラスタ環境で運用しない論理ホストも,通常のクラスタシステムで運用する場合の論理ホストと同じ環境情報を設定して運用します。

〈この項の構成〉

(1) 非クラスタシステムで論理ホストを運用する場合の環境情報の設定

クラスタソフトと連携しないで,クラスタ環境で運用しない論理ホスト環境Advanced Shellを運用する手順を次に示します。

(a) 論理ホスト環境の準備

論理ホスト環境を作成するために,論理ホスト用のディスク領域およびIPアドレスを用意してください。

  • 論理ホスト用のディスク領域

    物理ホストやほかの論理ホストのJP1シリーズ製品が使用しているものとは別に,論理ホストAdvanced Shellが使用するファイルの格納先ディレクトリを,ローカルディスク上に作成してください。

  • 論理ホスト用のIPアドレス

    論理ホストAdvanced Shellが使用するIPアドレスを,OSに割り当ててください。IPアドレスの割り当ては,実IPアドレスでもエイリアスIPアドレスでもかまいません。ただし,論理ホストから一意に特定できるIPアドレスにしてください。

    これらに対する前提条件は,クラスタシステムでの運用の場合と同じです。ただし,クラスタ環境での運用方法ではないため,「クラスタソフト」に関連する条件などは除きます。

なお,「2.9 クラスタ構成で運用する」で,共有ディスク・論理IPアドレスと説明している部分は,上記で割り当てた論理ホスト用のディスク領域・IPアドレスに読み替えてください。

  • 性能の見積もり

    性能を見積もる際は,以下のような観点でシステムとして動作可能か見積もってください。

    • システム内で複数のJP1シリーズ製品が起動できるリソースを割り当てられるかどうかを見積もってください。リソースが十分に割り当てられないと,正しく動作しなかったり,十分な性能が確保できなかったりします。

(b) 論理ホストの環境情報の設定

クラスタシステムの実行系サーバと同じ手順で,論理ホストの環境情報の設定を行ってください。クラスタシステムの環境情報の設定については,「2.9.2 クラスタ運用の環境情報の設定」を参照してください。なお,クラスタシステムでは系切り替えをする両側のサーバに対して設定する必要がありますが,クラスタ環境で運用しない論理ホストでは,動作するサーバだけ設定してください。

(2) 非クラスタ環境の論理ホスト用ユーザー応答機能管理デーモンの自動起動と自動停止【UNIX限定】

システムの起動時および終了時に,ユーザー応答機能管理デーモンを自動起動・自動停止させるための設定方法を次に示します

なお,上記の設定によってユーザー応答機能管理デーモンを自動起動,自動終了した場合に,タイミングによって発生する動作については,「(1) ユーザー応答機能管理デーモンの自動起動と自動停止」を参照してください。

(3) 論理ホストの指定方法

コマンドを論理ホストで実行させるためには,クラスタシステムで動作する論理ホストと同様に指定してください。クラスタシステムの論理ホストの指定方法については,「2.9.3 クラスタ運用の場合のコマンドの指定方法」を参照してください。