Hitachi

Advanced Shell 


2.8.1 ユーザー応答機能を使用するための環境ファイルの設定

Advanced Shellは,ジョブ間で動作環境を統一したい場合に設定するシステム環境ファイルと,ジョブごとに指定することができるジョブ環境ファイルの2種類で動作環境を指定できます。ユーザー応答機能を使用する場合は,システム環境ファイルをシステムの環境に合わせて変更してください。

システム環境ファイルの変更後は,デーモンまたはサービスを再起動する必要があります。

〈この項の構成〉

(1) スプールルートディレクトリの指定

ジョブの実行結果の出力先となるスプールルートディレクトリは,SPOOL_DIRパラメーターで定義します。ユーザー応答機能を使用する場合は,SPOOL_DIRパラメーターはシステム環境ファイルだけに定義してください。パス名にマルチバイト文字は使用できません。

SPOOL_DIRパラメーターの詳細については,「7. 環境ファイルで設定するパラメーター」の「SPOOL_DIRパラメーター(スプールルートディレクトリのパス名を定義する)」を参照してください。

(2) JP1イベントの送信先ホストの指定

JP1イベントの送信先であるJP1/IM - Managerが稼働している運用管理サーバを,システム環境ファイルのHOSTNAME_JP1IM_MANAGERパラメーターで設定する必要があります。このパラメーターを設定しない場合Advanced Shellが稼働しているサーバ上でhostnameコマンドを実行したときに表示されるホスト名が,JP1イベントの送信先として仮定されます。HOSTNAME_JP1IM_MANAGERパラメーターはシステム環境ファイルだけに定義してください。また,このパラメーターで指定したホスト上でAdvanced Shellが動作するホストのホスト名が名前解決できることを確認してください。

HOSTNAME_JP1IM_MANAGERパラメーターの詳細については,「7. 環境ファイルで設定するパラメーター」の「HOSTNAME_JP1IM_MANAGERパラメーター(JP1イベントの送信先であるJP1/IM - Managerが稼働している運用管理サーバを指定する)」を参照してください。

(3) JP1イベントの流量制御の指定

ユーザー応答機能を使用する場合,次に示すJP1イベントの出力数の条件を満たす必要があります。この条件は,同一のJP1/IMが受信する,すべてのJP1イベントが対象となります。

項番

説明

出力数の条件

1

JP1イベント

1秒当たりの出力数が2件未満であること

2

応答待ちイベント

1分当たりの出力数が1件未満であること

Advanced Shellのジョブコントローラでは,USERREPLY_JP1EVENT_INTERVALパラメーターを使用して,adshechoコマンドまたはadshreadコマンドによるJP1イベントの最小発行間隔を指定できます。複数のジョブからイベントが発行される場合は,すべてのジョブからの,adshechoコマンドやadshreadコマンドによるJP1イベントの発行頻度が上記の条件を満たすように,パラメーターの値を設定してください。

USERREPLY_JP1EVENT_INTERVALパラメーターの詳細については,「7. 環境ファイルで設定するパラメーター」の「USERREPLY_JP1EVENT_INTERVALパラメーター(JP1イベントの最小発行間隔を指定する)」を参照してください。

(4) 応答要求メッセージの最大同時出力数の指定

USERREPLY_WAIT_MAXCOUNTパラメーターを使用することで,ユーザー応答機能で物理ホストまたは論理ホストごとに,応答要求メッセージの最大同時出力数を指定できます。このパラメーターは,同時にadshreadコマンドを実行するジョブ数以上になるように指定してください。

USERREPLY_WAIT_MAXCOUNTパラメーターの詳細については,「7. 環境ファイルで設定するパラメーター」の「USERREPLY_WAIT_MAXCOUNTパラメーター(物理ホストまたは論理ホストごとに応答要求メッセージの最大同時出力数を指定する)」を参照してください。