Hitachi

Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(VMware®用)


付録A.1 パス障害メッセージ抑制情報の設定

〈この項の構成〉

(1) 形式

ホストで実行する場合
esxcli hdlm dlnkmgr system set 
--option=pfs:{ON|OFF}.
[パス障害メッセージ抑制間隔].[パス障害メッセージ抑制回数].
[ホストステータス設定コード].[プラグインステータス設定コード].
[デバイスステータス設定コード].[SCSIセンスキー設定コード]
リモート管理クライアントから実行する場合
EsxCli-Object.hdlm.dlnkmgr.system.set.invoke
(@{option="pfs:{ON|OFF}.
[パス障害メッセージ抑制間隔].[パス障害メッセージ抑制回数].
[ホストステータス設定コード].[プラグインステータス設定コード].
[デバイスステータス設定コード].[SCSIセンスキー設定コード]"}) | ConvertTo-Json

注※ Get-EsxCliコマンドレットで取得したホストごとに1つのEsxCliオブジェクト

(2) パラメーター

pfs:{ON|OFF}

パス障害メッセージ抑制機能の有効無効設定。初期値はOFF(無効)です。

ON :有効にする。

OFF:無効にする。

パス障害メッセージ抑制間隔

障害要因設定コードで指定した要因のパス障害メッセージを抑制する間隔を秒単位で指定します。0~3600の値を指定します。デフォルト値は10秒です。0を指定した場合,間隔での抑制は行いません。

ここで指定したパス障害メッセージ抑制間隔内に監視障害要因設定コードで指定した要因のパス障害が複数回発生した場合,2回目以降のメッセージを抑制します。抑制間隔を超えて障害が発生した時点で,抑制したメッセージを抑制した回数とともに出力した後,抑制を解除します。

パス障害メッセージ抑制回数

障害要因設定コードで指定した要因のパス障害メッセージを抑制する回数を指定します。0または10~3600000の値を指定します。デフォルト値は3000です。0を指定した場合,回数での抑制は行いません。

ここで指定したパス障害メッセージ抑制回数内に監視障害要因設定コードで指定した要因のパス障害が複数回発生した場合,2回目以降のメッセージを抑制します。抑制回数を超えて障害が発生した時点で,抑制したメッセージを抑制した回数とともに出力した後,抑制を解除します。

ホストステータス設定コード

SCSIホストステータスに対応した障害要因設定コード(10進)を指定します。0~32767の値を指定します。デフォルト値は2113です。2113はNO_CONNECTERRORRETRYを抑制対象とした値になります。複数の要因を設定する場合は設定コードの総和を指定します。0を指定した場合はホストステータスの抑制は行いません。最大値を指定した場合はすべての障害要因を抑制対象とします。

SCSIホストステータスに対応する設定コードを次に示します。

表A‒1 SCSIホストステータスに対応する設定コード

SCSIホストステータス

ホストステータスコード

設定コード

NO_CONNECT

0x01

1

BUS_BUSY

0x02

2

TIMEOUT

0x03

4

BAD_TARGET

0x04

8

ABORT

0x05

16

PARITY

0x06

32

ERROR

0x07

64

RESET

0x08

128

BAD_INTR

0x09

256

PASSTHROUGH

0x0a

512

SOFT_ERROR

0x0b

1024

RETRY

0x0c

2048

REQUEUE

0x0d

4096

PI_REF_ERROR

0x0e

8192

PI_GENERIC_ERROR

0x0f

16384

ホストステータスの詳細は,VMware社の情報(VMware Knowledge Base)を参照してください。

プラグインステータス設定コード

プラグインステータスに対応した障害要因設定コード(10進)を指定します。0~255の値を指定します。デフォルト値は0です。0を指定した場合はプラグインステータスの抑制は行いません。複数の要因を設定する場合は設定コードの総和を指定します。最大値を指定した場合はすべての障害要因を抑制対象とします。

プラグインステータスに対応する設定コードを次に示します。

表A‒2 プラグインのステータスに対応する設定コード

プラグインステータス

プラグインステータスコード

設定コード

TRANSIENT

0x01

1

SNAPSHOT

0x02

2

RESERVATION_LOST

0x03

4

REQUEUE

0x04

8

ATS_MISCOMPARE

0x05

16

THINPROV_BUSY_GROWING

0x06

32

THINPROV_ATQUOTA

0x07

64

THINPROV_NOSPACE

0x08

128

プラグインステータスの詳細は,VMware社の情報(VMware Knowledge Base)を参照してください。

デバイスステータス設定コード

SCSIデバイスステータスに対応した障害要因設定コード(10進)を指定します。0~1023の値を指定します。デフォルト値は32です。32はRESERVATION_CONFLICTを抑制対象とした値になります。複数の要因を設定する場合は設定コードの総和を指定します。0を指定した場合はデバイスステータスの抑制は行いません。最大値を指定した場合はすべての障害要因を抑制対象とします。

SCSIデバイスステータスに対応する設定コードを次に示します。

表A‒3 SCSIデバイスステータスに対応する設定コード

SCSIデバイスステータス

デバイスステータスコード

設定コード

CHECK_CONDITION

0x02

1

CONDITION_MET

0x04

2

BUSY

0x08

4

INTERMEDIATE

0x10

8

INTERMEDIATE_CONDITION_MET

0x14

16

RESERVATION_CONFLICT

0x18

32

COMMAND_TERMINATED

0x22

64

QUEUE_FULL

0x28

128

ACA_ACTIVE

0x30

256

TASK_ABORTED

0x40

512

デバイスステータスの詳細は,VMware社の情報(VMware Knowledge Base)を参照してください。

SCSIセンスキー設定コード

SCSIセンスキーに対応した障害要因設定コード(10進)を指定します。0~32767の値を指定します。デフォルト値は0です。0を指定した場合はSCSIセンスキーの抑制は行いません。複数の要因を設定する場合は設定コードの総和を指定します。最大値を指定した場合はすべての障害要因を抑制対象とします。

SCSIセンスキーに対応する設定コードを次に示します。

表A‒4 SCSIセンスキーに対応する設定コード

SCSIセンスキー

センスキー

設定コード

RECOVERED_ERROR

0x01

1

NOT_READY

0x02

2

MEDIUM_ERROR

0x03

4

HARDWARE_ERROR

0x04

8

ILLEGAL_REQUEST

0x05

16

UNIT_ATTENTION

0x06

32

DATA_PROTECT

0x07

64

BLANK_CHECK

0x08

128

VENDOR SPECIFIC

0x09

256

COPY_ABORTED

0x0a

512

ABORTED_COMMAND

0x0b

1024

EQUAL

0x0c

2048

VOLUME_OVERFLOW

0c0d

4096

MISCOMPARE

0x0e

8192

COMPLETED

0x0f

16384

センスキーの詳細は,ハードウェア固有の情報になるので,ハードウェア(ストレージ)提供元に確認してください。

(3) 推奨するパラメーター設定値

推奨するパラメーターの設定値を以下に示します。

表A‒5 推奨するパラメーター設定値

パラメーター

多発しやすい障害要因のみ抑制する場合

すべての障害要因を抑制する場合

パラメーター設定値

パス障害メッセージ抑制間隔

10(デフォルト値)

10(デフォルト値)

パス障害メッセージ抑制回数

3000(デフォルト値)

3000(デフォルト値)

ホストステータス設定コード

2113(デフォルト値)

32767(最大値)

プラグインステータス設定コード

0(デフォルト値)

255(最大値)

デバイスステータス設定コード

32(デフォルト値)

1023(最大値)

SCSIセンスキー設定コード

0(デフォルト値)

32767(最大値)

上記パラメーターの記述形式

初回のパラメーター設定時

pfs:ON

過去にパラメーターの設定を している場合

pfs:ON.10.3000.2113.0.32.0

pfs:ON.10.3000.32767.255.1023.32767

注※

過去の障害問い合わせで多かった障害要因。

(4) 使用例

パス障害メッセージ抑制機能を有効化し,抑制条件としてパス障害メッセージ抑制間隔(5分),パス障害メッセージ抑制回数(1000回),すべての障害要因を対象とする場合の使用例を示します。

>esxcli hdlm dlnkmgr system set --option=pfs:ON.300.1000.32767.255.1023.32767
   Version: x.x.x-xx
   SPVersion:
   HostName: host1
   MaxDevices: 1024
   MaxPaths: 4096
   SysInfo: SATP.Flags:67108864, SATP.MaxDevs:1024, SATP.MaxPaths:4096, SATP.MaxStorages:256, SATP.IemIntvl:30, SATP.IemNum:3, SATP.Loglevel:0, SATP.Timeout:10000, SATP.PslogSize:1024, SATP.PslogSizeInit:1024, SATP.PslogSizeNext:1024, SATP.DPC.TARGET:240, SATP.DPC.SYSTEM:0, SATP.DPC.INTVL:10, SATP.HaBlockType:0, SATP.PfmIntvl:1, SATP.PfmNum:10, SATP.PfmShs:64, SATP.PfsIntvl:300, SATP.PfsNum:1000, SATP.PfsShs:32767, SATP.PfsPlg:255, SATP.PfsSds:1023, SATP.PfsSky:32767, PSP(0)@HTI_PSP_HDLM_EXRR.Exlimit:100, PSP(0)@HTI_PSP_HDLM_EXRR.ExRndlimit:1, PSP(0)@HTI_PSP_HDLM_EXRR.Loglevel:0, PSP(0)@HTI_PSP_HDLM_EXRR.SpuLimit:100, PSP(0)@HTI_PSP_HDLM_EXRR.SpuDuration:60, PSP(0)@HTI_PSP_HDLM_EXRR.SpuDuration:60, PSP(1)@HTI_PSP_HDLM_EXLIO.Exlimit:100, PSP(1)@HTI_PSP_HDLM_EXLIO.ExRndlimit:1, PSP(1)@HTI_PSP_HDLM_EXLIO.Loglevel:0, PSP(1)@HTI_PSP_HDLM_EXLIO.SpuLimit:100, PSP(1)@HTI_PSP_HDLM_EXLIO.SpuDuration:60, PSP(1)@HTI_PSP_HDLM_EXLIO.SpuDuration:60, PSP(2)@HTI_PSP_HDLM_EXLBK.Exlimit:100, PSP(2)@HTI_PSP_HDLM_EXLBK.ExRndlimit:1, PSP(2)@HTI_PSP_HDLM_EXLBK.Loglevel:0, PSP(2)@HTI_PSP_HDLM_EXLBK.SpuLimit:100, PSP(2)@HTI_PSP_HDLM_EXLBK.SpuDuration:60, PSP(2)@HTI_PSP_HDLM_EXLBK.SpuDuration:60
   SatpName: HTI_SATP_HDLM
   ClaimRules:
   DefaultPSP:
  • SATP.Flags(パス障害メッセージ抑制機能の有効/無効):67108864

    最下位ビットを0ビット目として26ビット目が0の場合無効,1の場合有効。

    パス障害メッセージ抑制機能の有効/無効の確認は26ビット目のみを確認してください。 他のビットに1が設定されている場合がありますが無視してください。

    例えば,10進数が「67108864」の場合,2進数では「0100 0000 0000 0000 0000 0000 0000」となり,26ビット目が「1」なので,有効になっています。

  • SATP.PfsIntvl(パス障害メッセージ抑制間隔):300

  • SATP.PfsNum(パス障害連続回数):1000

  • SATP.PfsShs(ホストステータス設定コード):32767

  • SATP.PfsPlg(プラグインステータス設定コード):255

  • SATP.PfsSds(デバイスステータス設定コード):1023

  • SATP.PfsSky(センスキー設定コード):32767

(5) 注意事項

  • パラメーターとパラメーターの間は区切り文字としてピリオド「.」を指定してください。

  • ピリオドで区切られた文字列を指定値とみなします。

  • パラメーターを省略した場合,未設定のパラメーターはデフォルト値を設定します。設定済のパラメーターは,前回設定した値を引き継ぎます。

  • 余分なパラメーターを指定した場合は余分に指定したパラメーターを無視します。

  • パス障害メッセージ抑制機能有効化(pfs:ON)設定の場合,以下の設定は構文エラーとなります。

    • 抑制間隔,抑制回数の両方が0となる設定をした場合

    • 障害要因設定コードがすべて0となる設定をした場合

  • 同一障害要因でも障害を検出したSCSIコマンドが異なる場合は,別の障害要因として扱われます。

  • メッセージを抑制するパス障害要因はホストステータス,プラグインステータス,デバイスステータス,センスキーごとに最大20です。20を超えて障害が発生した場合は,最古の障害要因の抑制を解除し,新たに発生した障害要因のメッセージを抑制対象とします。

  • 設定したパラメーター値はHDLMの更新インストール,再インストール後も引き継がれます。