6.6.2 パラメーター
(1) ホストの動作環境を設定する場合
各設定のデフォルト値と推奨値を次の表に示します。setオペレーションで設定値を変更した場合,その値は直ちに有効になります。
項目名 |
デフォルト値 |
推奨値 |
|---|---|---|
ロードバランス |
アルゴリズムは拡張最少I/O数 |
アルゴリズムの推奨値は運用環境によって異なります。 |
間欠障害監視 |
off |
on |
|
間欠障害監視の監視期間 |
30分 |
推奨値は運用環境によって異なります。 |
|
間欠障害監視の監視回数 |
3 |
推奨値は運用環境によって異なります。 |
|
リトライ回数監視機能 |
off |
推奨値は運用環境によって異なります。 |
|
リトライ回数監視の監視期間 |
30秒 |
推奨値は運用環境によって異なります。 |
|
リトライ回数監視の監視回数 |
3 |
推奨値は運用環境によって異なります。 |
拡張ロードバランスの同一パス使用回数(シーケンシャルI/O) |
100 |
推奨値は運用環境によって異なります。 |
拡張ロードバランスの同一パス使用回数(ランダムI/O) |
1 |
推奨値は運用環境によって異なります。 |
- -lb on -lbtype {exrr|exlio|exlbk|vmwmru|vmwrr}
ロードバランスのアルゴリズムを選択します。
exrr:拡張ラウンドロビン
exlio:拡張最少I/O数
exlbk:拡張最少ブロック数
vmwmru:最近の使用(VMware)
vmwrr:ラウンドロビン(VMware)
- -iem {on [-intvl 障害監視時間] [-iemnum 障害発生回数]|off}
間欠障害監視を有効,または無効にします。
on:有効
off:無効
間欠障害が発生したときのI/O性能の低下を防ぐため,間欠障害監視を有効にすることをお勧めします。「on」を指定した場合,障害監視時間および障害発生回数を,後続パラメーターで指定できます。指定した監視時間(分)内に指定した回数の障害が発生すると,HDLMはそのパスに間欠障害が発生していると見なします。間欠障害が発生していると見なされたパスは,自動フェールバック対象外になります。間欠障害監視は,パスごとに実施されます。
障害監視時間または障害発生回数の指定を省略した場合,それぞれの値は次のとおりになります。
これまでに障害監視時間または障害発生回数を一度も指定していない場合
障害監視時間は30分,障害発生回数は3回になります。
これまでに障害監視時間または障害発生回数を指定している場合
前回指定した値になります。
間欠障害の監視時間と障害の発生回数を指定する後続パラメーターの形式を,次に示します。
- -intvl 障害監視時間
間欠障害の監視時間を分単位で指定します。1~1440の値を指定します。デフォルト値は「30」です。
間欠障害監視中に障害監視時間を変更した場合,変更前までにカウントされたすべてのパスの障害発生回数,および自動フェールバック対象外の状態が初期化されます。そして,変更後の設定で監視が開始されます。
このパラメーターで設定した障害監視時間は,-iem offを指定して間欠障害監視を無効にしても記憶されています。そのため,再度間欠障害監視を有効にし,障害監視時間を指定しなかった場合,記憶されている障害監視時間で間欠障害監視が開始されます。
- -iemnum 障害発生回数
間欠障害が発生していると見なす障害の発生回数を指定します。1~99の値を指定します。デフォルト値は「3」です。
間欠障害監視中に障害発生回数を変更した場合,変更前までにカウントされたすべてのパスの障害発生回数,および自動フェールバック対象外の状態が初期化されます。そして,変更後の設定で監視が開始されます。
このパラメーターで設定した障害発生回数は,-iem offを指定して間欠障害監視を無効にしても記憶されています。そのため,再度間欠障害監視を有効にし,障害発生回数を指定しなかった場合,記憶されている障害発生回数で間欠障害監視が開始されます。
間欠障害監視中にset -iem onオペレーションを実行した場合,障害監視時間または障害発生回数を変更していなくても,HDLMが管理しているすべてのパスの障害履歴,および自動フェールバック対象外となったパスの情報が初期化されます。間欠障害監視は継続されます。
- -pfs {on [-intvl パス障害メッセージ抑制間隔] [-num パス障害メッセージ抑制回数]|off}
-
パス障害メッセージ抑制情報の設定を有効,または無効にします。
on:有効
off:無効
デフォルトの設定値はoffです。
- -intvl パス障害メッセージ抑制間隔
-
障害要因設定コードで指定した要因のパス障害メッセージを抑制する間隔を秒単位で指定します。0~3600の値を指定します。デフォルト値は10秒です。0を指定した場合,間隔での抑制は行いません。
ここで指定したパス障害メッセージ抑制間隔内に,監視障害要因設定コードで指定した要因のパス障害が複数回発生した場合,2回目以降のメッセージを抑制します。抑制間隔を超えて障害が発生した時点で,抑制したメッセージを抑制した回数とともに出力したあと,抑制を解除します。
- -num パス障害メッセージ抑制回数
-
障害要因設定コードで指定した要因のパス障害メッセージを抑制する回数を指定します。0または10~3600000の値を指定します。デフォルト値は3000です。0を指定した場合,回数での抑制は行いません。
ここで指定したパス障害メッセージ抑制回数内に,監視障害要因設定コードで指定した要因のパス障害が複数回発生した場合,2回目以降のメッセージを抑制します。抑制回数を超えて障害が発生した時点で,抑制したメッセージを抑制した回数とともに出力したあと,抑制を解除します。
- -rcm {on [-intvl 監視時間] [-rcmnum 監視回数]|off}
-
リトライ回数監視機能を有効,または無効にします。
on:有効
off:無効
- -intvl 監視時間
-
監視対象のエラーが発生してから,次に監視を開始するまでの間隔を1~86400で設定します。単位は秒です。監視を開始してから設定値の時間エラー監視を継続し,デフォルト値は「30」です。
- -rcmnum 監視回数
-
監視対象のエラーが発生してから,パスを閉塞するまで監視を繰り返す回数を,2~99の値で設定します。デフォルト値は「3」です。
デフォルト値では監視対象のエラーが発生してから30秒×3回監視を継続し,3回目の監視中に監視対象のエラーが発生した時点でパスを閉塞します。
ただし,各LUに対する最後の稼働状態のパスについては閉塞されません。
- -expathusetimes 同一パス使用回数
ロードバランスのアルゴリズムに,拡張ラウンドロビン(exrr),拡張最少I/O数(exlio),または拡張最少ブロック数(exlbk)を適用する場合,シーケンシャルI/Oに同一のパスを使用する回数を指定します。
10進数で1~999999の値を指定できます。デフォルトの設定値は「100」です。
- -exrndpathusetimes 同一パス使用回数
ロードバランスのアルゴリズムに,拡張ラウンドロビン(exrr),拡張最少I/O数(exlio),または拡張最少ブロック数(exlbk)を適用する場合,ランダムI/Oに同一のパスを使用する回数を指定します。
10進数で1~999999の値を指定できます。デフォルトの設定値は「1」です。
- -s
コマンド実行の確認メッセージを表示しないで実行します。シェルスクリプトやバッチファイルでコマンドを実行する場合など,確認メッセージへの入力を省略したいときに指定します。
(2) リモート管理クライアントの動作環境を設定する場合
- -lic
ライセンスを更新する場合に指定します。ライセンスは,ライセンスキーまたはライセンスキーファイルで提供されます。ライセンスキーファイルは,ライセンスを格納したファイルです。
- ライセンスキーファイルを使用する場合
ライセンスキーファイルを,Windowsがインストールされたドライブの直下に「hdlm_license」という名称で格納してから,set -licオペレーションを実行します。ライセンスキーファイルに記述されているライセンスキーの種別に応じて,ライセンスキーが登録された旨のメッセージが出力されます。一時または非常ライセンスの場合は,期限満了日も表示されます(KAPL01071-I,KAPL01072-I)。
- ライセンスキーファイルを使用しない場合
set -licオペレーションを実行すると,ユーザーにライセンスキーの入力を求めるKAPL01068-Iのメッセージが出力されます。それに対して,ライセンスキーを入力します。入力したライセンスキーの種別に応じて,ライセンスキーが登録された旨のメッセージが表示されます。一時または非常ライセンスの場合は,期限満了日も表示されます(KAPL01071-I,KAPL01072-I)。
ライセンスキーの種別を次の表に示します。
種類 |
説明 |
|---|---|
永久ライセンスキー |
永久的な製品の使用を可能とするためのライセンスキーです。 |
一時ライセンスキー※ |
ユーザーが製品の評価などを行う場合に使用するライセンスキーです。期間には,「120」(120日間)が,インストール時に設定されます。一時ライセンスキーは再利用できません。 |
非常ライセンスキー |
永久ライセンスキー発行が間に合わない場合などに,一時的に使用するライセンスキーです。期間には「30」(30日間)が,インストール時に設定されます。非常ライセンスキーは再利用できません。 |
- 注※
一時ライセンスキーは,setオペレーションでインストールできません。
- 使用例1
ライセンスキーを更新する場合(ライセンスキーファイルがあるとき)
PROMPT>dlnkmgr -l set -lic KAPL01049-I オペレーションを開始します。オペレーション名 = set。よろしいですか? [y/n] : y KAPL01071-I 永久ライセンスがインストールされました。 PROMPT>
- 使用例2
ライセンスキーを更新する場合(ライセンスキーファイルがないとき)
PROMPT>dlnkmgr -l set -lic KAPL01049-I オペレーションを開始します。オペレーション名 = set。よろしいですか? [y/n] : y KAPL01083-I ライセンスキーファイルがありません。ファイル名 = Windowsのインストール先ドライブ:\hdlm_license KAPL01068-I ライセンスキーを入力して下さい:************* KAPL01071-I 永久ライセンスがインストールされました。 PROMPT>
- -audlog {on [-audlv 監査ログ採取レベル] [-category [[ss] [a] [ca]|all]]|off}
監査ログの採取を指定します。
on:採取する
off:採取しない
- -audlv 監査ログ採取レベル
監査ログとして採取する重要度(Severity)のレベルを設定します。設定値を次の表に示します。デフォルトの設定値は「6」です。
表6‒4 監査ログ採取レベルの設定値 設定値(重要度)
説明
0
Errorレベルの監査ログを採取します。
1
2
3
4
Error,およびWarningレベルの監査ログを採取します。
5
6
Error,Warning ,およびInformationレベルの監査ログを採取します。
7
- -category [[ss] [a] [ca]|all]
監査ログとして採取する種別を設定します。設定値を次の表に示します。デフォルトの設定値は「all」です。-categoryを指定して設定値を省略した場合は「all」が指定されたものと見なされます。
表6‒5 監査ログ種別の設定値 設定値
説明
ss
StartStopの監査ログ事象を採取します。
a
Authenticationの監査ログ事象を採取します。
ca
ConfigurationAccessの監査ログ事象を採取します。
all
StartStop,Authentication,およびConfigurationAccessの監査ログ事象を採取します。
- -pstv {on|off}
物理ストレージシステム情報の表示機能を有効,または無効にします。デフォルト値は「off」です。
on:有効
off:無効
物理ストレージシステム情報の表示機能を有効にすると,物理ストレージシステムの情報が表示されます。物理ストレージシステム情報の表示機能を無効にすると,OSに認識されているストレージシステムの情報が表示されます。仮想化されているストレージシステムは仮想情報が表示され,仮想化されていないストレージシステムは物理情報が表示されます。
物理ストレージシステム情報の表示機能の有効/無効によって,viewオペレーションの表示結果が異なります。表示結果が異なる表示項目を次の表に示します。
表6‒6 -pstvパラメーターの指定によってviewオペレーションの表示結果が異なる表示項目 オペレーション
表示項目
view -path
DskName
iLU
ChaPort(CP)
view -lu
Product
SerialNumber(S/N)
iLU
ChaPort
(3) setオペレーションの形式を表示する場合
- -help
setオペレーションの形式が表示されます。
使用例
使用例1
ホスト,およびリモート管理クライアントの両方の実行形式を表示する場合
PROMPT>dlnkmgr set -help
set:
Format
dlnkmgr [Host-Connection-Options] set
{ -lb on -lbtype { exrr | exlio | exlbk | vmwmru | vmwrr }
| -iem on [ -intvl Error-Monitor-Interval ]
[ -iemnum Number-Of-Times ]
| -iem off
| -expathusetimes Number-Of-ExPathUseTimes
| -exrndpathusetimes Number-Of-ExRndPathUseTimes
}
[-s]
dlnkmgr -l set { -lic
| -audlog on [ -audlv AudlogLevel ]
[ -category Category-Value ]
| -audlog off
| -pstv { on | off }
}
[-s]
Host-Connection-Options:
[ -s SERVER | --server=SERVER ]
[ -u USERNAME | --username=USERNAME ]
[ -p PASSWORD | --password=PASSWORD ]
Valid value
Error-Monitor-Interval { 1 - 1440 }(Minutes) (Default Value 30)
Number-Of-Times { 1 - 99 }(Times) (Default Value 3)
Number-Of-ExPathUseTimes { 1 - 999999 }(Times) (Default Value 100)
Number-Of-ExRndPathUseTimes { 1 - 999999 }(Times) (Default Value 1)
AudlogLevel { 0 - 7 } (Default Value 6)
Category-Value { [ss] [a] [ca] |
all } (Default Value all)
KAPL01001-I HDLMコマンドが正常終了しました。オペレーション名 = set, 終了時刻 = yyyy/mm/dd hh:mm:ss
PROMPT>
使用例2
ホストの実行形式を表示する場合
PROMPT>dlnkmgr -s ホスト名 -u ユーザー名 -p パスワード set -help
set:
Format
dlnkmgr [Host-Connection-Options] set
{ -lb on -lbtype { exrr | exlio | exlbk | vmwmru | vmwrr }
| -iem on [ -intvl Error-Monitor-Interval ]
[ -iemnum Number-Of-Times ]
| -iem off
| -expathusetimes Number-Of-ExPathUseTimes
| -exrndpathusetimes Number-Of-ExRndPathUseTimes
}
[-s]
Host-Connection-Options:
[ -s SERVER | --server=SERVER ]
[ -u USERNAME | --username=USERNAME ]
[ -p PASSWORD | --password=PASSWORD ]
Valid value
Error-Monitor-Interval { 1 - 1440 }(Minutes) (Default Value 30)
Number-Of-Times { 1 - 99 }(Times) (Default Value 3)
Number-Of-ExPathUseTimes { 1 - 999999 }(Times) (Default Value 100)
Number-Of-ExRndPathUseTimes { 1 - 999999 }(Times) (Default Value 1)
KAPL01001-I HDLMコマンドが正常終了しました。オペレーション名 = set, 終了時刻 = yyyy/mm/dd hh:mm:ss
PROMPT>
使用例3
リモート管理クライアントの実行形式を表示する場合
PROMPT>dlnkmgr -l set -help
set:
Format
dlnkmgr -l set { -lic
| -audlog on [ -audlv AudlogLevel ]
[ -category Category-Value ]
| -audlog off
| -pstv { on | off }
}
[-s]
Valid value
AudlogLevel { 0 - 7 } (Default Value 6)
Category-Value { [ss] [a] [ca] |
all } (Default Value all)
KAPL01001-I HDLMコマンドが正常終了しました。オペレーション名 = set, 終了時刻 = yyyy/mm/dd hh:mm:ss
PROMPT>