7.12.3 インストール情報設定ファイルの編集方法
ここでは,インストール情報設定ファイルの編集方法について説明します。
(1) インストール情報設定ファイルの記述規則
インストール情報設定ファイルを編集する場合の記述規則を次に示します。
インストール情報設定ファイルに記載するキーは,サンプルファイル(sample_installhdlm.conf)に記載してあるキーの順番で記載してください。
キーと設定値は,1行につき1つの情報を記載してください。
キー名=設定値の形式で記載してください。
コメント行を入れる場合は,行の頭に「#」を記載してください。
キーの設定値に定義できる内容以外を指定した場合は,KAPL09212-EおよびKAPL09228-Wのメッセージが出力されます。
(2) インストール情報設定ファイルの定義内容
インストール情報設定ファイルで定義する内容について,次に示します。
セクション[INSTALLATION_SETTINGS]
installhdlmユーティリティーの動作情報を定義します。このセクション名はインストール情報設定ファイルの先頭行に指定してください。ただし,セクション[INSTALLATION_SETTINGS]の前に空行またはコメント行が存在してもかまいません。
セクション[INSTALLATION_SETTINGS]で定義するキーの一覧を次の表に示します。
キー名 |
説明 |
定義の要否 |
指定できる長さ (文字) |
|
---|---|---|---|---|
新規インストール |
アップグレードインストールまたは再インストール |
|||
licensekeyfile※1 |
ライセンスキーファイルが「*.plk」形式で提供されている場合,ファイル名を絶対パス名称で指定します。 デフォルトは「/var/tmp/hdlm_license」です。 なお,ライセンスを更新しないでアップグレードインストールまたは再インストールを行う場合は,licensekeyfileキーと設定値を削除してください。 |
省略可※2 |
省略可※2 |
1024 |
licensekey※1 |
ライセンスキーファイルを次のコマンドで作成した場合,ファイル名を絶対パス名称で指定します。 # echo "ライセンスキー" > "ライセンスキーファイル" デフォルトは「/etc/opt/DynamicLinkManager/dlm.lic_key」です。 なお,ライセンスを更新しないでアップグレードインストールまたは再インストールを行う場合は,licensekeyキーと設定値を削除してください。 |
省略可※2 |
省略可※2 |
1024 |
driver_config |
HDLMドライバーのロードおよびHDLMデバイスの構成を行うかどうかを,次の値で指定します。 y:HDLMドライバーのロードおよびHDLMデバイスの構成を行います(デフォルト)。 n:HDLMドライバーのロードおよびHDLMデバイスの構成を行いません。 |
省略可 |
省略可 |
1 |
restart |
インストール終了後に,ホストの再起動を行うかどうかを,次の値で指定します。 y:再起動します。 n:再起動しません(デフォルト)。 IP-SAN環境にインストールする場合,またはFCoE環境にインストールする場合は,「n」を指定してください。 |
省略可 |
省略可 |
1 |
- (凡例)
省略可:キーと設定値を記載しない場合は,デフォルト値を使用します。
ただし,アップグレードインストールまたは再インストールの場合,licensekeyfileキーとlicensekeyキーは以前のライセンス情報が引き継がれます。
- 注※1
どちらにも値を指定しなかった場合は,次に示すファイルが順に読み込まれます。
ライセンスキーファイル(/var/tmp/hdlm_license)
ライセンスキーが記載されたファイル(/etc/opt/DynamicLinkManager/dlm.lic_key)
なお,新規インストールの場合でこれらのファイルが存在しないときは,KAPL09011-EおよびKAPL09212-Eのメッセージが出力されます。
licensekeyキーまたはlicensekeyfileキーを指定した場合,指定したファイルはinstallhdlmユーティリティーの実行後に削除されません。どちらにも値を指定しなかった場合,ライセンスキーファイル(/var/tmp/hdlm_license)またはライセンスキーが記載されたファイル(/etc/opt/DynamicLinkManager/dlm.lic_key)はinstallhdlmユーティリティーの実行後に削除されます。
- 注※2
HDLMを新規インストールする場合,またはライセンスの有効期限が過ぎている状態でアップグレードインストールする場合は,ライセンスキーファイルを用意してください。
セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]
HDLMの設定情報を定義します。このセクションは省略できます。このセクションの定義を省略した場合,次のようになります。
新規インストールの場合は,次の「表7‒13 セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]のキー」に示す各キーのデフォルト値が適用されます。
アップグレードまたは再インストールの場合は,以前のHDLMの設定情報が引き継がれます。
セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]で定義するキーの一覧を次の表に示します。
キー名※1 |
説明※2 |
定義の要否 |
指定できる長さ (文字) |
|
---|---|---|---|---|
新規インストール |
アップグレードインストール または再インストール |
|||
load_balance |
ロードバランス機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。 on:有効(デフォルト) off:無効 |
省略可 |
省略可 |
3 |
load_balance_type |
ロードバランスのアルゴリズムを,次の値で指定します。 rr:ラウンドロビン exrr:拡張ラウンドロビン lio:最少I/O数 exlio:拡張最少I/O数(デフォルト) lbk:最少ブロック数 exlbk:拡張最少ブロック数 |
省略可 |
省略可 |
5 |
load_balance_same_path_use_times |
ロードバランスのアルゴリズムに,ラウンドロビン(rr),最少I/O数(lio),または最少ブロック数(lbk)を適用する場合,I/Oに同一のパスを使用する回数を指定します。 回数は,「0~999999」の値を設定できます。デフォルトは「32」です。 |
省略可 |
省略可 |
6 |
lbex_usetimes_limit |
ロードバランスのアルゴリズムに,拡張ラウンドロビン(exrr),拡張最少I/O数(exlio),または拡張最少ブロック数(exlbk)を適用する場合,シーケンシャルI/Oに同一のパスを使用する回数を指定します。 回数は,「0~999999」の値を設定できます。デフォルトは「100」です。 |
省略可 |
省略可 |
6 |
lbex_random_io_usetimes_limit |
ロードバランスのアルゴリズムに,拡張ラウンドロビン(exrr),拡張最少I/O数(exlio),または拡張最少ブロック数(exlbk)を適用する場合,ランダムI/Oに同一のパスを使用する回数を指定します。 回数は,「0~999999」の値を設定できます。デフォルトは「1」です。 |
省略可 |
省略可 |
6 |
error_log_level |
障害ログとして採取する障害情報のレベルを設定します。 レベルは,「0~4」が設定できます。デフォルトは「3」です。 |
省略可 |
省略可 |
1 |
error_log_size |
障害ログファイル(dlmmgr[1-16].log)のサイズをKB単位で設定します。 サイズは,「100~2000000」の値を設定できます。デフォルトは「9900」です。 |
省略可 |
省略可 |
7 |
error_log_number |
障害ログファイル(dlmmgr[1-16].log)の数を設定します。 ファイル数は,「2~16」の値を設定できます。デフォルトは「2」です。 |
省略可 |
省略可 |
2 |
trace_level |
トレースの出力レベルを設定します。 レベルは,「0~4」が設定できます。デフォルトは「0」です。 |
省略可 |
省略可 |
1 |
trace_file_size |
トレースファイル(hdlmtr[1-64].log)のサイズをKB単位で設定します。 サイズは,「100~16000」の値を設定できます。デフォルトは「1000」です。 |
省略可 |
省略可 |
5 |
trace_file_number |
トレースファイル(hdlmtr[1-64].log)の数を設定します。 ファイル数は,「2~64」の値を設定できます。デフォルトは「4」です。 |
省略可 |
省略可 |
2 |
path_health_check |
パスヘルスチェック機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。 on:有効(デフォルト) off:無効 |
省略可 |
省略可 |
3 |
path_health_check_interval |
パスヘルスチェックのチェック間隔を,分単位で指定します。 チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「30」です。 |
省略可 |
省略可 |
4 |
auto_failback |
障害パスの自動フェールバック機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。 on:有効 off:無効(デフォルト) |
省略可 |
省略可 |
3 |
auto_failback_interval |
パスの状態確認の終了から,次回のパスの状態確認を開始するまでのチェック間隔を,分単位で指定します。 チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「1」です。 |
省略可 |
省略可 |
4 |
intermittent_error_monitor※3 |
間欠障害監視を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。 on:有効 off:無効(デフォルト) |
省略可 |
省略可 |
3 |
intermittent_error_monitor_interval |
間欠障害の監視時間を分単位で指定します。 チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。 デフォルトは「30」です。 |
省略可 |
省略可 |
4 |
intermittent_error_monitor_number |
障害の発生回数を指定します。 発生回数は,「1~99」の値を設定できます。 デフォルトは「3」です。 |
省略可 |
省略可 |
2 |
- (凡例)
省略可:キーと設定値を記載しない場合は,デフォルト値を使用します。
- 注※1
アップグレードインストールまたは再インストールする場合にキーが指定されていないときは,設定値が引き継がれます。
- 注※2
設定する機能の詳細については,「6.6 set 動作環境を設定する」を参照してください。
- 注※3
次に示す場合だけ,キーを指定できます。
新規インストールの場合
インストール情報設定ファイルのauto_failbackキーに「on」を指定している。
アップグレードインストールまたは再インストールの場合
インストール情報設定ファイルのauto_failbackキーに「on」を指定しているか,またはインストール前の設定で,自動フェールバック機能を有効にしている。
インストール情報設定ファイルの編集例を,次に示します。
[INSTALLATION_SETTINGS] licensekeyfile=/var/tmp/hdlm_license licensekey=/etc/opt/DynamicLinkManager/dlm.lic_key driver_config=y restart=n [ENVIRONMENT_SETTINGS] load_balance=on load_balance_type=exlio load_balance_same_path_use_times=32 lbex_usetimes_limit=100 lbex_random_io_usetimes_limit=1 error_log_level=3 error_log_size=9900 error_log_number=2 trace_level=0 trace_file_size=1000 trace_file_number=4 path_health_check=on path_health_check_interval=30 # auto_failback=off # auto_failback_interval=1 # intermittent_error_monitor=off # intermittent_error_monitor_interval=210 # intermittent_error_monitor_number=3 # dynamic_io_path_control=off # dynamic_io_path_control_interval=10