4.1.1 OS共通の注意事項
OSで共通の注意事項を次に示します。
複数のサーバーから同一のボリュームグループを同時にアクティブにしないでください。
パス障害が発生している場合,アプリケーションからHDLMへのI/O要求に対する応答が返るまでの時間は,ファイバーチャネルスイッチやHBAなどのタイムアウト値の設定に依存します。
このため,1LUに複数あるパスのすべてで障害が発生している場合に,アプリケーションからHDLMへのI/O要求に対する応答が返るまでの時間は,それぞれのパスのI/O要求に対してファイバーチャネルスイッチやHBAなどがタイムアウトを検知する時間の合計値となります。
ファイバーチャネルスイッチやHBAなどのタイムアウト値については,該当する機器のマニュアルを参照してください。アプリケーションがI/O要求を発行してから応答が返るまでの所要時間の概要を次の図に示します。
図4‒1 アプリケーションがI/O要求を発行してから応答が返るまでの所要時間の概要 図に示すように,HDLMデバイスに対応するパス(SCSIデバイス)が2つある場合,アプリケーションがI/O要求を発行してから応答が返るまでの時間は,最大でSCSIデバイスAを使用するパスのタイムアウト値(n1秒)と,SCSIデバイスBを使用するパスのタイムアウト値(n2秒)の合計値(n1+n2秒)になります。
HDLMをクラスター環境で使用する場合,パスがフェールオーバーする前にクラスターのノードがフェールオーバーしてしまうことがあります。そのため,クラスターソフトウェアで設定するノードのフェールオーバーのタイムアウト値には,上記の注意事項で算出した,応答が返るまでの所要時間より大きい値を設定してください。
ファイルシステムの作成,フォーマット,fsckなどの操作の実行中にパス障害が発生すると,操作が完了しない場合があります。この場合,パス障害を回復してから操作を再実行してください。
HDLMデバイスの論理デバイスファイル名は,Red Hat Enterprise LinuxのHardware Browserには表示されません。
SCSIデバイスに対して「LABEL=」または「UUID=」を付けるLinuxの機能は,HDLMではサポートしていません。HDLMでは,HDLMデバイスの論理デバイスファイル名が同じであれば,常に同じLUにアクセスできます。
次に示す条件をすべて満たす場合は,パスの状態が正常であっても,Offline(E)状態やOnline(E)状態になるおそれがあります。
SATAドライブを搭載しているストレージシステムを使用している
ストレージシステムに対するI/Oの負荷が高い
パスヘルスチェックをONに設定している
この場合は,I/Oの負荷を減らしてオンライン操作でパスの状態をOnlineに戻してください。
アラートドライバーまたはフィルタードライバーをロードするとそれぞれ次のようなメッセージが出力されますが,HDLMの動作上の問題はありません。
sddlmadrv: unsupported module, tainting kernel. sddlmadrv: module license 'Proprietary: Contact your HDLM vendor or the maintenance company for any bugs' taints kernel.
HDLMデバイスがサポートするパーティションの数は最大で15です。
LUに作成された15より大きいパーティションは,HDLMデバイスでは使用できません。
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HDLMをインストールしている環境(マルチパス)では,HDLMをインストールしていない環境(シングルパス)と比べて次の理由で処理時間がかかります。システム構築時は負荷テストを実施し性能で問題が発生しないことを検証してください。もし問題となる場合は,接続パス数の見直しや,LVM環境の使用を検討してください。
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上位システムからHDLMデバイスに対してopenを受領すると,接続パスの数だけデバイスの open処理を行う
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デバイスのopen処理では接続先デバイスの情報取得を行うため,open/closeを繰り返す場合に処理時間がかかる
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