3.8.2 LUKS環境へのHDLMの適用
SCSIデバイスにLUKSが適用された環境からHDLMデバイスへ移行する手順を説明します。次の手順では,/dev/sdhから/dev/sddlmaaへ移行しています。
SCSIデバイスから移行するHDLMデバイスを確認します。
HDLM構成定義ユーティリティー(dlmcfgmgr)などのコマンドを使用して,SCSIデバイスとHDLMデバイスの対応を確認してください。
dlmcfgmgrユーティリティーに-vパラメーターを指定して実行する例を示します。
# dlmcfgmgr -v HDevName Management Device Host Channel Target Lun /dev/sddlmaa configured /dev/sdh 1 0 0 0 /dev/sddlmab configured /dev/sdj 1 0 0 1 : : KAPL10302-I /sbin/dlmcfgmgr completed normally. #
HDevName列はHDLMデバイス,Device列はSCSIデバイスになります。
/etc/crypttabファイルの第2フィールドを確認します。
SCSIデバイスが直接指定されている場合は,/etc/crypttabファイルの第2フィールドを,手順1で確認したHDLMデバイス名に変更してください。手順4へ進んでください。
/etc/crypttabファイルの変更前と変更後の例を示します。
変更前
luks-volume1 /dev/sdh /etc/cryptpassword1
変更後
luks-volume1 /dev/sddlmaa /etc/cryptpassword1
UUIDの形式でデバイス名が指定されている場合は,手順3へ進んでください。
次のコマンドを実行して,UUIDとデバイス名の対応関係を確認します。
# blkid -t UUID="050f9901-3ab8-4556-a091-9c6e4a404f09" -l -o device /dev/sdh #
HDLMデバイス名が出力された場合,/etc/crypttabファイルの第2フィールドを,出力されたHDLMデバイス名に変更してください。
SCSIデバイス名が出力された場合,/etc/crypttabファイルの第2フィールドを,手順1で確認したHDLMデバイス名に変更してください。
/etc/crypttabファイルの変更前と変更後の例を示します。
- 変更前
-
luks-volume1 UUID="050f9901-3ab8-4556-a091-9c6e4a404f09" /etc/cryptpassword1
- 変更後
-
luks-volume1 /dev/sddlmaa /etc/cryptpassword1
SCSIデバイスとデバイスマッパーで使用されているデバイスとのマッピングを解除します。
SCSIデバイスと/dev/mapper/luks-volume1のマッピングを解除する例を示します。
# cryptsetup luksClose luks-volume1 #
HDLMデバイスにデバイスマッパーで使用されているデバイスをマッピングします。
キーファイル(/etc/cryptpassword1)を使用する場合,手順4で解除した/dev/mapper/luks-volume1をHDLMデバイスにマッピングする例を示します。
# cryptsetup -d /etc/cryptpassword1 luksOpen /dev/sddlmaa luks-volume1 key slot 0 unlocked. Command successful. #
シングルパス構成からマルチパス構成に変更します。