Hitachi

 Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(AIX用)


3.5.2 HDLMを新規インストールする前の準備

HDLM管理対象予定のデバイスのバックアップ,ハードウェアの設定などを行います。

HDLMをクラスタ構成で使用する場合は,クラスタを構成するすべてのホストで次に示す操作を行ってください。

〈この項の構成〉

(1) HDLM管理対象予定のデバイスへの操作

この手順は,物理ボリュームを定義してHDLM管理対象予定のデバイスをすでに運用している場合に行ってください。

  1. HDLM管理対象予定のデバイスにアクセスする,すべてのアプリケーションのプロセスを終了します。

  2. 必要に応じてHDLM管理対象予定のデバイスの内容をテープなどにバックアップします。

  3. マウントを解除します。

    HDLM管理対象予定のデバイスをマウントしている場合は,次の手順でマウントを解除してください。

    • はじめに,次のコマンドを実行して,現在の設定を確認します。

      # mount -p

      現在の設定が次に示すように出力されます。

      図3‒2 mount -pコマンドの実行結果の例(HDLMを新規インストールする前の準備)
      [図データ]

      ここでは,網掛けの部分のデバイスをHDLMで管理することとします。

    • 次のコマンドを実行して,マウントを解除します。

      # umount /mntpt
  4. 次のコマンドを実行して,該当するボリュームグループを非活動化します。

    # varyoffvg ボリュームグループ名 

(2) HBAの設定変更手順

次に示す3つの項目すべてに当てはまる場合,下記の設定を行ってください。

  • IBMのHBAを使用している。

  • ホストとストレージをファイバチャネルスイッチで接続している。

  • HDLM管理対象予定の物理ボリューム(hdiskn)の親デバイス(fscsin)のfc_err_recov設定がfast_failではない。

  1. 物理ボリューム(hdiskn),使用しているプロセス,およびサービスをすべて停止してください。

    DBMSなどの,各種アプリケーションのプロセスおよびサービスが,物理ボリューム(hdiskn)または管理対象パスを使用している場合,それらをすべて停止してください。

  2. 物理ボリューム(hdiskn),使用しているファイルシステムをアンマウントしてください。

    # umount ファイルシステムのマウントポイント
  3. 活動状態のボリュームグループをすべて表示してください。

    # lsvg -o
  4. 表示されたボリュームグループから,必要に応じてボリュームグループを非活動化状態にしてください。

    # varyoffvg ボリュームグループ名
  5. 使用している親デバイス(fscsin)を定義済みとしてください。

    # rmdev -l fscsin -R

    なお,親デバイスは次のコマンドで求めることができます。

    # lsdev -C -l hdiskn -F 'parent'
  6. 親デバイス(fscsin)のfc_err_recov設定をfast_failに変更してください。

    # chdev -l fscsin -a fc_err_recov=fast_fail
  7. 親デバイス(fscsin)の設定が有効となっていることを確認してください。

    # lsattr -El fscsin
    fc_err_recov fast_fail FC Fabric Event Error RECOVERY Policy 真
  8. 使用しているすべてのHBAそれぞれに,手順5から7の操作を行ってください。

  9. 定義済みの親デバイス(fscsin)を使用できるようにしてください。

    # cfgmgr

(3) ハードウェアの設定

Fibre Channel接続の場合は,接続方式(Fabric,ALなど)を確認し,接続方式に合わせて設定してください。

Fibre Channelを使用する場合,SCSIのターゲットIDは,HBAの設定に従います。ターゲットIDを知る必要がある場合は,HBAのマニュアルなどを参照してください。

  1. ストレージシステムを設定します。

    設定内容については,ストレージシステムの保守マニュアルを参照してください。

    RAID Managerで使用するコマンドデバイスは,HDLMの管理対象外です。RAID Managerで使用するコマンドデバイスを冗長化するときは,RAID Managerの機能を利用してください。

  2. ファイバチャネルスイッチを設定します。

    設定方法については,ファイバチャネルスイッチのマニュアルを参照してください。ファイバチャネルスイッチを使用しない場合,この操作は不要です。

  3. HBAを設定します。

    設定方法については,HBAのマニュアルを参照してください。

    1台のホストに設置するHBAのうち,HDLM管理対象デバイスに接続するHBAは,すべて同一の種類を使用してください。HBAのマイクロプログラムのバージョンも合わせてください。異なる種類のHBAを使用すると,障害発生時にパスを切り替えられません。

  4. OSにLUを認識させます。

    cfgmgrコマンドを実行してデバイスを構成したあと,lsdevコマンドを実行して,物理ボリューム(hdiskn)が認識されていることを確認してください。

    # cfgmgr
    # lsdev -Cc disk

(4) OSの設定

出力されるメッセージの言語種別をロケールに従った種別に変更したい場合は,次に示すコマンドを実行して,NLSPATH環境変数に/usr/DynamicLinkManager/rc/%L/%Nを追加します。

Bourneシェル,またはKornシェルを使用している場合
# NLSPATH=$NLSPATH:/usr/DynamicLinkManager/rc/%L/%N
# LC__FASTMSG=false
# export NLSPATH LC__FASTMSG
Cシェルを使用している場合
# setenv NLSPATH ${NLSPATH}:/usr/DynamicLinkManager/rc/%L/%N
# setenv LC__FASTMSG false

NLSPATH環境変数,及びLC__FASTMSG環境変数を設定しない場合,標準エラー出力へのメッセージが正しく表示されないことがあります。

(5) クラスタソフトウェアの設定

HDLMをクラスタ構成にするときは,次の手順でクラスタソフトウェアを設定してください。

  1. クラスタを構成するすべてのホストにクラスタソフトウェアをインストールします。

    クラスタソフトウェアのインストールについては,各クラスタソフトウェアのマニュアルを参照してください。

  2. クラスタソフトウェアのサービスを停止します。

    クラスタソフトウェアのサービスを停止する方法については,各クラスタソフトウェアのマニュアルを参照してください。