Replication Manager Application Agent CLI リファレンスガイド
drmfsrestore バックアップID -resync [ -force ]
[ -target ディレクトリー名 | -f 一括定義ファイル名 ]
[ -pf コピーパラメーター定義ファイル]バックアップIDで指定された副ボリュームのバックアップデータを,ディスクの再同期で正ボリュームにリストアします。複数の物理ボリュームで構成されるファイルシステムの場合,それらのすべての物理ボリュームをリストアします。
次に,ディスクの再同期でリストアするときのコマンドの動作を説明します。
次に,クラスター構成でリストアするときのコマンドの動作を説明します。
Application Agentの構成定義ファイル(init.conf)でCLU_MSCS_RESTOREにONLINEが設定されている場合,Windows Server Failover Clustering環境のクラスターグループ内のボリュームに対して,クラスターリソースがオンライン状態でリストアできます。
正ボリューム上のデータは,バックアップ時点での副ボリュームのディスクイメージで上書きされます。したがって,バックアップ後に正ボリューム上に新規に作成したり,更新したりしたデータはすべて無効となります。
このコマンドを実行する前に,リストア対象のボリュームを使用するアプリケーションプログラムはすべて終了させておく必要があります。OSが使用しているボリュームはリストアできません。
このコマンドは,副ボリュームのデータを正ボリュームにリストアするためのものです。drmmediabackupコマンドによって副ボリュームからテープにバックアップしたり,drmmediarestoreコマンドによってテープから副ボリュームへリストアしたり,drmmountコマンドによって副ボリュームをマウントしたりするときは,このコマンドを使用しないでください。
バックアップ後に物理ディスクのパーティションスタイルが変更された場合に,コマンドを実行したときは次の表に示す動作になります。
表2-10 物理ディスクのパーティションスタイルとコマンド実行結果
| バックアップ前 | バックアップ後 | リストアコマンド実行結果 | |
|---|---|---|---|
| 正ボリューム | 正ボリューム | 副ボリューム | コマンド状態 |
| MBRディスク | MBRディスク | MBRディスク | 正常終了 |
| GPTディスク | エラー(KAVX5171-E またはKAVX5137-E) 再同期実施後※1 |
||
| GPTディスク | MBRディスク | エラー(DRM-10337) 再同期実施前※2 |
|
| GPTディスク | エラー(DRM-10337) 再同期実施前※2 |
||
| GPTディスク | MBRディスク | MBRディスク | エラー(DRM-10337) 再同期実施前※2 |
| GPTディスク | エラー(DRM-10337) 再同期実施前※2 |
||
| GPTディスク | MBRディスク | エラー(KAVX5171-E または KAVX5137-E) 再同期実施後※1 |
|
| GPTディスク | 正常終了 | ||
バックアップID
リストアするバックアップデータのバックアップIDを指定します。バックアップIDとは,バックアップデータを一意に識別するためのIDで,バックアップ時に,バックアップカタログに登録されます。バックアップIDを確認するには,drmfscatコマンドを実行します。なお,指定できるバックアップIDの値は0000000001~4294967295 です。先頭の0は省略しないでください。
-resync
正ボリュームと副ボリュームを再同期することでリストアします。正ボリュームの内容は,副ボリュームのバックアップデータと同じになります。
-force
正ボリュームと副ボリュームを強制的に再同期することで,リストアする場合に指定します。
このオプションを指定すると,ファイルサーバーでバックアップを実行したときに取得した正ボリュームのコピーグループ名がファイルサーバーの情報と一致していれば,LDEV番号またはSERIAL番号がバックアップ時の番号と一致していない場合にも強制的に再同期します。このオプションは,ボリュームを入れ替えてLDEV番号が変わった場合など,-resyncオプションを指定しただけでは再同期でリストアできないときにだけ指定してください。通常のリストアでこのオプションを指定した場合,データが破壊されるおそれがあります。
-target ディレクトリー名
特定のディレクトリーを含むファイルシステムをリストアする場合に指定します。ディレクトリー名は,マウントポイントディレクトリー名,ドライブ文字,またはボリュームマウントポイント名を表します。ディレクトリー名は,バックアップIDで指定したバックアップカタログに登録されている必要があります。ただし,バックアップ済みのディレクトリー名を指定した場合は,バックアップカタログに登録されていなくてもリストアできます。
このオプションを指定するときは,ディレクトリー名は,絶対パスで指定してください。データは,バックアップした時点での格納場所と同じ場所にリストアされます。指定するディレクトリー名は,バックアップしたディレクトリー名と完全に一致させてください。ディレクトリー名のパスが完全に一致しない場合,正しくリストアされません。複数のディレクトリー名を一度にリストアするときは,ディレクトリー名をコンマで区切って指定します。空白を含んだディレクトリー名を指定する場合,指定するディレクトリー名を引用符(")で囲む必要があります。パスの末尾に「\」を指定しないでください。
このオプションおよび-fオプションの両方を省略した場合は,バックアップカタログに登録されたファイルシステム全体をリストアします。
-f 一括定義ファイル名
特定のファイルまたはディレクトリーを含むファイルシステムをリストアする場合に指定します。ファイル名またはディレクトリー名は,バックアップIDで指定したバックアップカタログに登録されている必要があります。
リストアするファイルまたはディレクトリーの絶対パスの一覧を記述した一括定義ファイルをあらかじめ作成しておきます。一括定義ファイル名を指定することで,リストアするファイルやディレクトリーを一度に指定できます。一括定義ファイル名は絶対パスで指定します。指定する個々のファイル名またはディレクトリー名は,drmfsbackupコマンドの-targetオプションまたは-fオプションを指定した場合,指定したパスと完全に一致させてください。ファイル名またはディレクトリー名のパスが完全に一致しない場合,正しくリストアされません。パスの末尾に「\」を指定しないでください。
空白を含んだ一括定義ファイル名を指定する場合,指定する一括定義ファイル名を引用符(")で囲む必要があります。ただし,一括定義ファイル内で対象のファイル名またはディレクトリー名を記述する場合は,指定するパス名を引用符(")で囲む必要はありません。
このオプションおよび-targetオプションの両方を省略した場合は,バックアップカタログに登録されたファイルシステム全体をリストアします。
-pf コピーパラメーター定義ファイル
コピーパラメーター定義ファイルに定義したリトライ回数とリトライ間隔を使用する場合に指定します。指定する場合は,パスではなくファイル名だけを指定してください。
このオプションを省略した場合は,RAID Manager用連携定義ファイル(DEFAULT.dat)の値が使用されます。コピーパラメーター定義ファイルに記述されていないパラメーターについても,DEFAULT.datの値が使用されます。
コピーパラメーター定義ファイルは,次の場所に任意の名前で作成します。ファイル名は,64バイト以内の半角英数字で指定してください。
<Application Agentのインストール先>\DRM\conf\raid
0:正常終了した場合
0以外:エラーが発生した場合
PROMPT> drmfsrestore 0000000001 -resync
PROMPT> drmfsrestore 0000000001 -resync -pf remote0.dat
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