Replication Manager Application Agent CLI ユーザーズガイド

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3.19 OS標準以外のSQL Serverクライアントを使用するための設定

Application Agentは,デフォルトではWindowsに標準でバンドルされるSQL Serverクライアント(ODBCドライバーおよびOLE DBドライバー)を用いてSQL Serverと接続します。セキュリティー上の理由などでマイクロソフト社が個別に配布するSQL Serverクライアントを使用する場合は,次の設定を実施してください。

  1. SQL Serverクライアントをインストールします。
    Application Agentのインストール先ホストに,Application AgentがサポートするSQL Serverクライアントが必要です。必ずODBCドライバーとOLE DBドライバーの両方をインストールしてください。Application AgentがサポートするOS標準以外のSQL Serverクライアントを次の表に示します。

    表3-58 Application AgentがサポートするSQL Serverクライアント

    SQL Serverクライアント種別 名称
    ODBCドライバー
    • Microsoft ODBC Driver 17 for SQL Server
    • Microsoft ODBC Driver 18 for SQL Server
    OLE DBドライバー
    • Microsoft OLE DB Driver 18 for SQL Server
    • Microsoft OLE DB Driver 19 for SQL Server
    Application AgentがサポートするODBCドライバーおよびOLE DBドライバーの組み合わせと制限事項について次の表に示します。

    表3-59 Application AgentがサポートするODBCドライバーおよびOLE DBドライバーの組み合わせと制限事項

    ODBCドライバー OLE DBドライバー Application Agent制限事項
    Microsoft ODBC Driver 17 for SQL Server Microsoft OLE DB Driver 18 for SQL Server SQL Serverとの通信を暗号化する設定に対応しません。
    Microsoft ODBC Driver 18 for SQL Server Microsoft OLE DB Driver 19 for SQL Server Windows Server 2022上で動作するSQL Server 2022以外との接続をサポートしません。
  2. 使用するSQL ServerクライアントをApplication Agentに指示するためのファイルを配置します。

    1. 次の場所にSQLServerClient.confを配置します。
      <Application Agentのインストール先>\DRM\conf\MSSQL
    2. SQLServerClient.confファイルにパラメーターを設定します。
      SQLServerClient.confファイルの記述規則は次のとおりです。
      • パラメーター名は,大文字と小文字を区別する。
      • パラメーターは,「パラメーター名=パラメーター値」と記述する。
      • パラメーター名とパラメーター値は半角イコール「=」で区切る。
      • パラメーター値の後ろには必ず改行コードを入れる。
      設定するパラメーターを次の表に示します。

      表3-60 SQLServerClient.confファイルのパラメーター

      パラメーター名 説明 設定できる値
      DRM_SQL_CLIENT_ODBC SQL Serverとの接続に使用するODBCドライバー名を指定します。※1
      • ODBC Driver 17 for SQL Server
      • ODBC Driver 18 for SQL Server
      DRM_SQL_CLIENT_OLEDB SQL Serverとの接続に使用するOLE DBドライバー名を指定します。※1
      • MSOLEDBSQL
      • MSOLEDBSQL19
      DRM_SQL_CLIENT_ENCRYPT SQL Serverに接続する際の暗号化の設定を指定します。
      NO:非暗号化
      YES:暗号化※2
      STRICT:厳密な暗号化※2
      デフォルト値はNOとなります。
      • NO
      • YES
      • STRICT
      DRM_SQL_CLIENT_HOSTNAMEINCERTIFICATE 暗号化通信に使用するホスト名またはFQDN名を指定します。
      SQL Serverがドメインに登録されている場合,本オプションはFQDN名での指定が必須です。※3
      • ホスト名
      • FQDN名

      注※1
      本パラメーターが設定されていないか、パラメーター値が不正または空白の場合,Application AgentはOS標準のSQL Serverクライアントを用いてSQL Serverと接続します。この場合,その他のパラメーターの指定はすべて無視されます。

      注※2
      YESまたはSTRICTを指定する場合,暗号化に使用するサーバー証明書をSQL Serverに設定する必要があります。サーバー証明書の要件および設定方法については,SQL Serverのマニュアルを参照してください。

      注※3
      暗号化に使用するSQL Serverのサーバー証明書の共通名 (CN)と一致させてださい。

Application Agentのコマンドが使用するSQL ServerクライアントをOS標準のドライバーに戻す場合,SQLServerODBC.confおよびSQLServerClient.confを所定の場所から削除してください。

SQLServerODBC.confSQLServerClient.confの両方を所定の場所に配置した場合,Application AgentはSQLServerODBC.confの存在を無視します。

重要
現在のApplication Agentバージョンでは,SQLServerODBC.confは非推奨となります。SQLServerODBC.confは引き続き使用できますが,早期のSQLServerClient.confへの移行を推奨します。
重要
SQLServerClient.conf内での指定によって示されたSQL Serverクライアントが未インストールであった場合,SQL Serverに接続するApplication Agentのコマンドの実行が失敗します。