11.3.1 概要
HMP-PCTOは1つのトランザクション内で、Orchestrator、Mediator、Entity-Module、およびParticipantなどのコンポーネントがお互いに通信し動作しており、処理の流れが複雑です。HMP-PCTOは、トランザクションの開始から終了までの間の各コンポーネントでの処理の情報(開始時刻や実行時間など)を関連づけて、分散トレース情報として取得します。障害発生時に分散トレース情報を確認することでトランザクションの処理の複雑な流れを把握でき、問題のあった処理の特定を容易化します。
分散トレースはHMP-PCTOがOpenTelemetryを使用して取得し、分散トレース収集アプリケーションまたはサービスに送信します。収集された分散トレースについては、データの永続化が必要です。データを永続化しない場合、分散トレースの情報が失われ、HMP-PCTO利用者およびサポート部署ともに分散トレースを使用した調査ができません。そのため、分散トレースの構成は次のようになります。
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HMP-PCTOの各コンポーネントの処理でOpenTelemetryを使用してトレース情報を取得
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分散トレース収集アプリケーションまたはサービスにトレース情報を送信
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分散トレースを永続化するためのアプリケーションまたはサービスにデータを送信しデータを永続化
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分散トレース閲覧アプリケーションまたはサービス上でトレース情報を参照
図11‒12 分散トレースの概要