9.2.6 TCC-Participant
TCC-Participantのパラメタについて説明します。
TCC-Participantのパラメタは、Entity-Service(TCC)に設定します。
(1) serverのパラメタ
各パラメタの接頭辞は、serverです。
|
パラメタ |
説明 |
型 |
設定範囲 |
デフォルト値 |
|---|---|---|---|---|
|
TCC-Participant用ポート番号を設定してください。 動的ポートなど、ほかのポートと重ならないように設定してください。 |
Integer |
1,024-65,535 |
なし 必ず指定してください。 |
(2) jp.co.Hitachi.soft.hmppctoのパラメタ
各パラメタの接頭辞は、jp.co.Hitachi.soft.hmppctoです。
|
パラメタ |
説明 |
型 |
設定範囲 |
デフォルト値 |
|---|---|---|---|---|
|
TCC-Participantを構成するPodを定義したKubernetesのServiceのService名とNamespace名を「.」でつないだ形式で設定します。 Service名とNamespace名には、英小文字(a〜z)、数字(0〜9)、およびダッシュ(-)を使用できます。ただし、Service名およびNamespace名の先頭と終端に使用できるのは英小文字(a〜z)、または数字(0〜9)です。 このパラメタには、Mediatorからホスト名として認識できる値を設定する必要があります。 設定例: name.namespace |
String |
3バイト〜41バイトの文字列 |
なし 必ず指定してください。 |
|
|
TCC-Participantが未決着トランザクションのRecovery機能を実施するかどうかを設定します。trueを設定した時Recovery機能が実行され、falseを設定した時は実行されません。 このパラメタは、実運用では必ずtrueを設定してください。運用テスト中にexecuteRecoverがない状態で動作確認したい場合にfalseを指定します。 |
Boolean |
true | false |
true |
|
|
未決着トランザクションのRecovery機能について、Spring FrameworkのApplicationListener機能の「ApplicationReadyEvent」イベントハンドラでの実行優先度のオーダー値を指定します。 APでも「ApplicationReadyEvent」イベントハンドラを使用するケースを考慮し、HMP-PCTOのApplicationReadyEventイベントハンドラ(未決着トランザクションのRecovery機能)と、APのApplicationReadyEventイベントハンドラの実行順序を設定できるようにするためのパラメタです。 Spring Frameworkはオーダー値が小さいイベントハンドラから順に実行します。 もしオーダー値が一致しているイベントハンドラが複数存在した場合の実行順序は不定です。 |
Integer |
-2,147,483,648-2,147,483,647 |
2,147,483,647 |
|
|
トランザクション決着監視タイマのタイマ監視時間をミリ秒単位で設定します。 障害によってトランザクション決着に至らない状態となることを許容できる時間をタイマ監視し、設定時間を超えてもトランザクションが決着しなかった場合に、ユーザが許容できる時間(業務要件)を超過したと判断しトランザクションを決着に向かわせるタイマです。 トランザクションブランチの処理時間の業務要件に応じた値を指定してください。 なお、複数の業務サービスがある場合は、すべてのサービスの業務要件に応じた値の合計時間で監視時間を設定する必要があります。 このタイマ値が短過ぎるとトランザクションがCancel決着します。 このタイマ値は初回だけ、最大で設定値分の正の誤差を持ちます。ただし、この設定値が1,000ミリ秒以上の場合の誤差は最大1,000ミリ秒です。 また、この設定値に1,000ミリ秒以上を指定した場合は1,000の単位に切り上げたタイマ値とします。 |
Long |
100-6,000,000 |
60,000 |
|
|
トランザクション分散合意処理をリトライする間隔をミリ秒単位で設定します。 障害などによってトランザクションの分散合意ができないとき、設定した間隔でトランザクションの分散合意が決着するまで分散合意処理をリトライし、分散合意によるトランザクションの決着が必ず行われるようにするためのリトライ間隔です。 また、TCC-Participantが再起動したときに未決着となっているトランザクションがある場合にも分散合意によってトランザクションを決着させます。この場合も設定した間隔によってトランザクションの分散合意が決着するまで分散合意処理をリトライします。 この間隔が短過ぎるとトランザクションの分散合意のリトライが無駄に実施され、トランザクションのレイテンシやシステム負荷に影響が出ます。 このタイマ値は初回だけ、最大で設定値分の正の誤差を持ちます。ただし、この設定値が1,000ミリ秒以上の場合の誤差は最大1,000ミリ秒です。また、この設定値に1,000ミリ秒以上を指定した場合は1,000の単位に切り上げたタイマ値とします。 |
Long |
100-6,000,000 |
60,000 |
|
|
TCC-Participantがトランザクション処理で実行するスレッド数(投票処理、分散合意処理およびトランザクション完了通知処理)を指定してください。 スレッドが不足した場合は、キューイングしてスレッドが空くのを待ってから処理を実行します。スレッドの空き待ちを発生しないようにするための理論上必要なスレッド数は、トランザクションに参加するMediator数×同時実行するトランザクション数です。 ただし、処理の実行が重ならないかぎりは、理論上必要なスレッド数は必要ありません。通常はデフォルト値を使用してください。 |
Integer |
1-1,000 |
12 |
|
|
TCC-Participantがトランザクション処理(投票処理、分散合意処理およびトランザクション完了通知処理)に使用するスレッドの割り当てを待つキューのサイズを指定します。 理論上必要な設定値は次のとおりです。 (m+7×m)×p×m×t m:トランザクションに参加するMediator数 p:トランザクションに参加するParticipant数 t:同時実行するトランザクション数 |
Integer |
1-2,147,483,647 |
4,096,000 |
|
|
SQL-Participantのmediator-process-management.thread-pool-sizeと同じです。 「(2) jp.co.Hitachi.soft.hmppctoのパラメタ」を参照してください。 |
Integer |
1-32,767 |
30 |
|
|
SQL-Participantのmediator-communication.thread-pool-sizeと同じです。 「(2) jp.co.Hitachi.soft.hmppctoのパラメタ」を参照してください。 |
Integer |
1-1,000 |
30 |
|
|
SQL-Participantのmediator-communication.queue-sizeと同じです。 「(2) jp.co.Hitachi.soft.hmppctoのパラメタ」を参照してください。 |
Integer |
1-2,147,483,647 |
4,096,000 |
|
|
Mediatorなどに障害が発生し、補助合意によってトランザクションの分散合意を行う場合の、補助合意を試行する間隔をミリ秒単位で指定してください。 このタイマが短ければ、Mediatorなどに障害が発生した場合のトランザクションの遅延を小さくできます。 ただし、このタイマが短過ぎると通信遅延を障害と誤認し、不要な補助合意が発生するため、通信遅延を考慮した値を設定してください。 この設定値に1,000ミリ秒以上を指定した場合は1,000の単位に切り上げたタイマ値とします。 なお、このタイマ値は初回だけ、最大で設定値分の正の誤差を持ちます。ただし、この設定値が1,000ミリ秒以上の場合の誤差は最大1,000ミリ秒です。 |
Integer |
100-10,000 |
1,000 |
|
|
補助合意に使用するEADSのクライアントプロパティファイルの絶対パス名を設定してください。 |
String |
ファイルパス |
/eads-properties/hmp-pcto.eads-client.properties |
|
|
補助合意に使用するEADSクラスタに対して、eztool createcacheコマンドで作成したキャッシュ名を設定してください。 |
String |
32バイト以内の半角英数字(0〜9、A〜Z、およびa〜z) |
hmppctoCache |
|
|
トライアル版の補助合意サーバを使用する場合に指定します。 トライアル版の補助合意サーバは、補助合意サーバ障害時の補助合意を必要とするトランザクションの分散合意の一貫性を保証しません。 |
String |
free |
なし トライアル版を使用する場合必ず指定してください。 |
|
|
Orchestratorのmediator.nameと同じです。 「(1) jp.co.Hitachi.soft.hmppctoのパラメタ」を参照してください。 |
なし 必ず設定してください。 |
|||
|
Orchestratorのmediator.name-suffixと同じです。 「(1) jp.co.Hitachi.soft.hmppctoのパラメタ」を参照してください。 |
なし 必ず設定してください。 |
|||
|
Orchestratorのmediator.portと同じです。 「(1) jp.co.Hitachi.soft.hmppctoのパラメタ」を参照してください。 |
20,551 |
|||
|
暗号化通信を行うかどうかを指定します。
|
Boolean |
true | false |
false |
|
|
接続先サーバのサーバ証明書を発行したCAの証明書(X.509のPEM形式)ファイルの絶対パス名を指定します。 |
String |
− |
なし 暗号化通信をする場合は、必ず指定してください。 |
|
|
クライアント認証をする場合に、自プロセスのクライアント証明書ファイル(X.509のPEM形式)の絶対パス名を指定します。 |
String |
− |
なし 暗号化通信でクライアント認証をする場合は、必ず指定してください。 |
|
|
クライアント認証をする場合に、自プロセスのクライアント証明書を作成した秘密鍵ファイル(pkcs8のPEM形式)の絶対パス名を指定します。 |
String |
− |
なし 暗号化通信でクライアント認証をする場合は、必ず指定してください。 |
|
|
SSLセッション情報のキャッシュ数を指定します。 0を指定すると、gRPCのデフォルト値が使用されます。 |
Integer |
0-2,147,483,647 |
0 |
|
|
キャッシュしたSSLセッション情報の保持時間(秒)を指定します。 0を指定すると、gRPCのデフォルト値が使用されます。 |
Integer |
0-65,535 |
0 |
|
|
PING要求電文の送信間隔を秒単位で指定します。 0を指定した場合はPING要求電文を送信しません。1〜9を指定した場合は10秒となります。 ネットワーク機器の無通信監視タイマなどによるTCPコネクション切断回避が目的の場合は、無通信監視タイマ値より小さい値を指定してください。 |
Integer |
0-100,000 |
0 |
|
|
PING応答電文の応答待ち時間を秒単位で指定します。 PING要求電文の送信後、このタイマの指定値以内にPING応答電文を受信できない場合はTCPコネクションを切断します。 |
Integer |
1-65,535 |
60 |
|
|
スケーリング対応機能を使用するかどうかを指定します。 true:スケーリング対応機能を使用します。 false:スケーリング対応機能を使用しません。 TCC-Participantはスケーリング対応機能に対応していないため、必ずfalseを指定してください。 このパラメタの設定値はすべて統一する必要があるため、Orchestrator、Entity-Module、SQL-Participant、TCC-Participant、TP1-Bridge、Mediatorそれぞれの、このパラメタにも必ずfalseを指定してください。 |
Boolean |
true | false |
false |
|
(凡例)−:該当しません。