1.4.4 前提とするKubernetesクラスタ構成
HMP-PCTOが前提とするKubernetesクラスタ構成を次の表に示します。
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項番 |
項目 |
前提条件 |
|---|---|---|
|
1 |
Kubernetesクラスタ数 |
1クラスタだけ |
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2 |
リージョン数 (パブリッククラウドを使用する場合) |
1リージョンだけ |
|
3 |
ゾーン数 (パブリッククラウドを使用する場合) |
1ゾーンだけ |
|
4 |
Kubernetesワーカーノード数 |
分散合意方式によって、次のとおり異なります。 Kubernetesワーカーノードはそれぞれ物理的に別マシンである必要があります。
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|
5 |
クラスタ運用モード (Google Cloud Platform環境を使用する場合) |
Standardモード |
- 〈この項の構成〉
(1) Kubernetesクラスタのワークロード数
ワークロードとは、クラスタ上で実行されるKubernetesアプリケーションを実行するためのリソース(deployment、statefulsetなど)を指す総称です。ワークロード数はdeploymentやstatefulsetの数を意味します。次の例の場合、レプリカ数はカウントしないため、ワークロード数は3になります。
- 例:
-
Relay-ServiceとしてRelay-Service1、Relay-Service2、Relay-Service3の3つをデプロイする。Relay-Service1はレプリカ数2、Relay-Service2はレプリカ数1、Relay-Service3はレプリカ数4でデプロイする。
HMP-PCTOのKubernetesアプリケーションごとに使用できるワークロード数と、1ワークロードで使用できるレプリカ数について説明します。Kubernetesクラスタにデプロイできる数と、1トランザクションで使用できる数に分けて説明します。
(a) Kubernetesクラスタにデプロイできる数
Kubernetesアプリケーションで使用するHMP-PCTOの機能に応じて、デプロイできるワークロード数およびレプリカ数が異なります。
- Orchestratorの機能を使用するKubernetesアプリケーション
-
Orchestratorの機能を使用するKubernetesアプリケーションの一覧と、デプロイできるワークロード数およびレプリカ数を次の表に示します。Kubernetesアプリケーションごとに、少なくとも1つのワークロードが必要です。
表1‒11 Orchestratorの機能を使用するKubernetesアプリケーションごとにデプロイできるワークロード数およびレプリカ数 項番
Kubernetesアプリケーション
ワークロード数
下限
ワークロード数
上限
レプリカ数
下限
レプリカ数
上限
1
Orchestrator-Service
1
なし
1
なし
2
Orchestrator-Service(SQL)
1
1
3
Alternate-Service
1
1
4
Alternate-Service(SQL)
1
1
- Participantの機能を使用するKubernetesアプリケーション
-
Participantの機能を使用するKubernetesアプリケーションの一覧と、デプロイできるワークロード数およびレプリカ数を次の表に示します。これらのKubernetesアプリケーションごとに、少なくとも1つのワークロードが必要です。
ただし、HMP-PCTOは分散トランザクション機能を提供しており、複数のリソース間で一貫性のある処理を保証します。そのため、HMP-PCTOを十分に活用するには、Participantの機能を使用するKubernetesアプリケーションを2つ以上のワークロードで構成することを推奨します。
表1‒12 Participantの機能を使用するKubernetesアプリケーションごとにデプロイできるワークロード数およびレプリカ数 項番
Kubernetesアプリケーション
ワークロード数
下限
ワークロード数
上限
レプリカ数
下限
レプリカ数
上限
1
Entity-Service(SQL)
1
なし
1
20
2
Entity-Service(TCC)
1
1
1
3
Orchestrator-Service(SQL)
1
1
20
4
Alternate-Service(SQL)
1
1
20
5
TP1-Bridge
1
1
1
- Mediatorの機能を使用するKubernetesアプリケーション
-
Mediatorの機能を使用するKubernetesアプリケーションの一覧と、デプロイできるワークロード数およびレプリカ数を次の表に示します。
表1‒13 Mediatorの機能を使用するKubernetesアプリケーションごとにデプロイできるワークロード数およびレプリカ数 項番
Kubernetesアプリケーション
ワークロード数
下限
ワークロード数
上限
レプリカ数
下限
レプリカ数
上限
1
Mediator
1
1つのnamespaceにつき、1つまでです。namespace数に制限はありません。
2
64
- Entity-Moduleの機能を使用するKubernetesアプリケーション
-
Entity-Moduleの機能を使用するKubernetesアプリケーションの一覧と、デプロイできるワークロード数およびレプリカ数を次の表に示します。
表1‒14 Entity-Moduleの機能を使用するKubernetesアプリケーションごとにデプロイできるワークロード数およびレプリカ数 項番
Kubernetesアプリケーション
ワークロード数
下限
ワークロード数
上限
レプリカ数
下限
レプリカ数
上限
1
Relay-Service
0
なし
1
なし
2
Entity-Service(SQL)※
0
1
3
Entity-Service(TCC)※
0
1
4
Alternate-Service
0
1
5
Alternate-Service(SQL)※
0
1
- 注※
-
Kubernetesアプリケーションのワークロード数およびレプリカ数は、リソースの参照および更新をしない場合の数を示します。リソースの参照および更新をする場合は「Participantの機能を使用するKubernetesアプリケーション」を参照してください。
(b) 1トランザクションで使用できる数
Kubernetesアプリケーションで使用するHMP-PCTOの機能に応じて、1トランザクションで使用できるワークロード数、レプリカ数が異なります。
- Orchestratorの機能を使用するKubernetesアプリケーション
-
Orchestratorの機能を使用するKubernetesアプリケーションの一覧と、使用できるワークロード数およびレプリカ数を次の表に示します。Kubernetesアプリケーションごとに使用できるワークロードは1つだけです。また、複数のレプリカがあっても、そのうちの1つのレプリカを使用します。
表1‒15 Orchestratorの機能を使用するKubernetesアプリケーションごとに使用できるワークロード数およびレプリカ数 項番
Kubernetesアプリケーション
ワークロード数上限
レプリカ数上限
1
Orchestrator-Service
1
1
2
Orchestrator-Service(SQL)
1
1
3
Alternate-Service
1
1
4
Alternate-Service(SQL)
1
1
- Participantの機能を使用するKubernetesアプリケーション
-
Participantの機能を使用するKubernetesアプリケーションの一覧と、使用できるワークロード数およびレプリカ数を次の表に示します。Kubernetesアプリケーションごとに1つ以上のワークロードが必要で、合計で最大20まで使用できます。また、複数のレプリカがあっても、そのうちの1つのレプリカを使用します。
表1‒16 Participantの機能を使用するKubernetesアプリケーションごとに使用できるワークロード数およびレプリカ数 項番
Kubernetesアプリケーション
ワークロード数上限
レプリカ数上限
1
Entity-Service(SQL)
20
1
2
Entity-Service(TCC)
20
1
3
Orchestrator-Service(SQL)
20
1
4
Alternate-Service(SQL)
20
1
5
TP1-Bridge
20
1
- Mediatorの機能を使用するKubernetesアプリケーション
-
次の表に、Mediatorの機能を使用するKubernetesアプリケーションの一覧と、使用できるワークロード数およびレプリカ数を次の表に示します。
表1‒17 Mediatorの機能を使用するKubernetesアプリケーションごとに使用できるワークロード数およびレプリカ数 項番
Kubernetesアプリケーション
ワークロード数上限
レプリカ数上限
1
Mediator
1
mediator.sizeパラメタを参照してください。
- Entity-Moduleの機能を使用するKubernetesアプリケーション
-
Entity-Moduleの機能を使用するKubernetesアプリケーションの一覧と、使用できるワークロード数およびレプリカ数を次の表に示します。
表1‒18 Entity-Moduleの機能を使用するKubernetesアプリケーションごとに使用できるワークロード数およびレプリカ数 項番
Kubernetesアプリケーション
ワークロード数上限
レプリカ数上限
1
Relay-Service
なし
1
2
Entity-Service(SQL)※
1
3
Entity-Service(TCC)※
1
4
Alternate-Service
1
5
Alternate-Service(SQL)※
1
- 注※
-
Kubernetesアプリケーションのワークロードおよびレプリカ数は、リソースの参照または更新をしない場合の数を示します。リソースの参照または更新をする場合は「Participantの機能を使用するKubernetesアプリケーション」を参照してください。