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Hitachi Microservices Platform - Paxos Commit Transaction Orchestrator ユーザーズガイド

2.2.7　トランザクションの伝搬

トランザクションの伝搬をするアプリケーションの開発方法について説明します。

トランザクションの伝搬は、OrchestratorまたはEntity-Serviceのアプリケーションで実装してください。

トランザクションの伝搬は、Entity-serviceまたはTP1-Bridgeの呼び出しに使用するクライアントによって設定方法が異なります。使用するクライアントに対応する参照先を参照してください。

この項目の設定は、HMP-PCTO内でトランザクションを伝搬する通信時にだけ設定してください。HMP-PCTO外のサービスとの通信でこの項目の設定を実施すると正しく動作しません。

表2‒5　トランザクションの伝搬に使用するクライアント

項番

トランザクションの伝搬に使用するクライアント

参照先

1

Spring FrameworkのRestTemplate

(1)　Spring FrameworkのRestTemplateを使用する場合

2

HMP-ADIFのISCコマンド（ImperativeかつREST通信）※

(2)　HMP-ADIFのISCコマンド（ImperativeかつREST通信）を使用する場合
注※

オートスケール機能を使用する場合は、HMP-ADIFのISCコマンド（ImperativeかつREST通信に対応）は利用できません。Spring FrameworkのRestTemplateを利用してください。

〈この項の構成〉

(1)　Spring FrameworkのRestTemplateを使用する場合

TxPropagationRestTemplateInterceptorクラスをorg.springframework.web.client.RestTemplateクラスのsetInterceptors()メソッド、またはorg.springframework.boot.web.client.RestTemplateBuilderクラスのinterceptors()メソッドで登録して使用します。

(a)　ライブラリの組み込み

TxPropagationRestTemplateInterceptorクラスを登録するには、hmppcto-propagation-rest-templateライブラリをアプリケーションに組み込む必要があります。Gradleで組み込む記載例を次に示します。

dependencies {
    implementation 'jp.co.Hitachi.soft.hmppcto:hmppcto-propagation-rest-template:<V.R.S>※'
    implementation 'jp.co.Hitachi.soft.hmppcto:hmppcto-common:<V.R.S>※'
}
注※

V.R.Sは使用するHMP-PCTOのバージョンに合わせて読み替えてください。

(b)　コーディング例

org.springframework.web.client.RestTemplateクラスのsetInterceptors()メソッドを使用して登録する例を説明します。アプリケーションが使用するほかのインタセプタとの登録順番に制約はありません。

TxPropagationRestTemplateInterceptorクラスのインスタンスは@AutowiredアノテーションでDIして取得してください。DIしたインスタンスを使用するメソッドのアクセス制御修飾子は、private以外にしてください。privateとした場合は、HMP-PCTOの機能は正しく動作しません。

@Autowired
TxPropagationRestTemplateInterceptor txIc;
 
RestTemplate restTemplate = new RestTemplate();                 // RestTemplateのインスタンス作成
List<ClientHttpRequestInterceptor> interceptors = new ArrayList<>();   // インタセプタのリストを作成
interceptors.add(txIc);                                         // HMP-PCTOのインタセプタをリストに追加
restTemplate.setInterceptors(interceptors);                     // RestTemplateにインタセプタを登録

トランザクションの伝搬時、Entity-ServiceへのHTTP通信に指定する宛先のホスト部分は、Entity-ServiceのServiceを示すドメイン名で指定してください。

Serviceを示すドメイン名の指定形式を次に示します。

  • <Service名>

  • <Service名>.<Namespace名>

  • <Service名>.<Namespace名>.svc

上記以外の形式で宛先を指定した場合は、HMP-PCTOの機能は正しく動作しません。

以降に、Entity-ServiceへのHTTP通信に指定するドメイン名の例を示します。

RequestEntity<MyRequest> request = RequestEntity    // エンティティ作成
     .post("https://my-svc.my-namespace.svc:8080/{foo}", "bar")          // Entity-ServiceのServiceを示すドメイン名で指定
     .body(body);

この例では、Entity-ServiceのServiceを示すドメイン名を"my-svc.my-namespace.svc"（「<Service名>.<Namespace名>.svc」形式）としています。

(c)　エラーハンドリング

TxPropagationRestTemplateInterceptorクラスでは、アプリケーションでエラーハンドリングが必要なエラーが発生することはありません。

RestTemplateを使用した通信で例外が発生した場合に、例外のCausedに次のようにHMP-PCTOのTxPropagationRestTemplateInterceptorクラスで例外が発生したことを示すスタックトレースが出力されます。これは、例外が発生した直接の原因を示すものではありません。直接の原因は、例外のCausedの前に出力された内容を参照してください。

[図データ]

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(2)　HMP-ADIFのISCコマンド（ImperativeかつREST通信）を使用する場合

TxPropagationIscImperativePluginクラスをアプリケーションに組み込んで使用します。TxPropagationIscImperativePluginクラスは、HMP-ADIFのorg.globallogic.microservice.modules.isc.imperative.IscImperativeCommandExecutionPluginインタフェースを実装しています。アプリケーションに組み込むとアプリケーション起動時にHMP-ADIFが自動的に登録します。

(a)　ライブラリの組み込み

TxPropagationIscImperativePluginクラスを登録するには、hmppcto-propagation-isc-imperativeライブラリをアプリケーションに組み込む必要があります。Gradleで組み込む記載例を次に示します。

dependencies {
    implementation 'jp.co.Hitachi.soft.hmppcto:hmppcto-propagation-isc-imperative:<V.R.S>※'
    implementation 'jp.co.Hitachi.soft.hmppcto:hmppcto-common:<V.R.S>※'
}
注※

V.R.Sは使用するHMP-PCTOのバージョンに合わせて読み替えてください。

(b)　コーディング例

アプリケーション起動時にHMP-ADIFが自動的に登録するため、コーディングは不要です。

(c)　エラーハンドリング

TxPropagationIscImperativePluginクラスでは、アプリケーションでエラーハンドリングが必要なエラーが発生することはありません。

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