Hitachi Global Link Manager 導入・設定ガイド

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1.1 Global Link Managerとは

Global Link Managerは,HDLM(Hitachi Dynamic Link ManagerおよびHitachi Dynamic Link Manager EX)のパス制御機能を利用して,大規模なシステム構成で統合的にパスを管理する製品です。HDLMではホストごとにパスを管理するのに対して,Global Link Managerでは複数のホストのパスを一括して管理します。

ホストを何台も使用した大規模なシステム構成の場合,各ホストでパスを管理するための作業負荷は,規模の大きさに比例して増大します。Global Link Managerを使用すると,複数ホストのパス情報を一元管理することによって,作業負荷を低減できます。また,システム全体での負荷バランスを考慮してパスの稼働状態を切り替えたり,各ホストから障害情報を通知させ,いち早く障害に対処したりすることによって,システムの信頼性を向上できます。

Global Link Managerでは,複数のホストにインストールされたHDLMからパスに関する情報を収集し,Global Link Managerサーバで一括して管理します。一元化された情報は,ホストを管理する複数のユーザーがクライアントマシンから参照したり制御したりできます。Global Link Managerのシステム構成例を次の図に示します。

図1-1 Global Link Managerのシステム構成例

[図]

Global Link Managerには次の特長があります。

複数ホストのパス情報を一括して管理します

Global Link Manager GUIを使用した遠隔操作で,ホストのHDLMからの情報取得や設定を一括して実行します。各ホストにそれぞれログインしなくても,1つのコンソールで管理できます。複数のホストを一元管理できるため,パス情報は,ホスト単位やHBAポート単位に加え,ストレージシステム単位,CHAポート単位,パス状態単位など,複数ホストにわたる視点で一覧を表示することもできます。

システム全体のパスの稼働状況をサマリーで確認できます

目的に応じた視点でパスの一覧を表示するとともに,パスが正常か障害が発生しているかを集約した情報(状態ごとのパス本数)を表示します。各ホストでそれぞれ確認しなくても,システム全体のパスの稼働状況を把握できます。

パスの帯域幅制御を支援します

ストレージシステム単位,CHAポート単位などでパス情報を表示し,複数のユーザーアプリケーションまたはホストの間でパスの帯域幅(オンラインパスの本数)を調整できます。

複数ホストの障害情報を一元管理できます

多数のホストで起こる障害をいち早く発見して対処するためには,障害情報が発生源から通知されて,障害個所を特定できる環境が必要です。Global Link Managerでは,各ホストのHDLMが検知したパスの障害情報をアラートとして通知するように設定し,一元管理できます。また,アラート情報をGlobal Link Managerサーバからほかのサーバ(SNMP転送先サーバ)に転送して,ユーザーが任意のアプリケーションで管理することもできます。