Hitachi Global Link Manager ユーザーズガイド

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2.5.1 ボトルネックの見極めとパス帯域幅の制御

パスの帯域幅は,利用できるパスをあらかじめ冗長化して設定し,パスをオンラインまたはオフラインに切り替えることによって拡大または縮小して制御します。オフラインのパス(パスプール)をオンラインにして,パスの帯域幅を制御する例を次の図に示します。

図2-5 パスの帯域幅を制御する例

[図]

システムの稼働中にボトルネックが存在するかどうか,および,存在する場合の該当個所の見極めについては,ここではTuning Managerを利用した例を紹介します。Tuning Managerは,ユーザーがさまざまなリソースを最適に利用できるようにリソースの性能や容量のデータを提供します。問題の発生個所を特定したり,予測機能を使用して問題を防いだりするために活用できます。Tuning Managerの使用方法については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager 運用管理ガイド」および「Hitachi Command Suite Tuning Manager ユーザーズガイド」を参照してください。

ボトルネックを見極めてパスの帯域幅を制御する流れについて説明します。

  1. Tuning Managerを利用して,ホスト,ファイルシステム,ストレージシステムのLUなどの観点で,性能情報や容量情報を確認します。
  2. ホストおよびストレージシステムの性能情報や容量情報に基づいて,帯域幅を調整できるようにプールを考慮したパスを設定します。
    Global Link Managerでパスを管理するには,まず,ホストのHDLMでLUおよび付属するパスを管理対象に設定する必要があります。HDLMでの設定方法については,HDLMのマニュアルを参照してください。
    次に,HDLMで設定した情報をGlobal Link Manager GUIに反映するために,ホスト情報を更新します。ホストの情報の更新手順については,「3.3.6 ホスト情報の更新」を参照してください。
  3. Tuning Managerを利用して,システム稼働中のボトルネックを見極めます。
    ストレージシステムのポートごとの入出力操作数,読み取りおよび書き込み処理の転送速度などを参照し,負荷が増大している個所(パスやCHAなど)を見極めます。
  4. パスの状態切り替えによって負荷を調整します。
    パスの負荷を分散してボトルネックを解消するために,パスのオンライン操作またはオフライン操作を実行します。Global Link Manager GUIでCHAポート単位やストレージシステム単位などでパスを一覧表示し,パス状態を切り替えます。パスの一覧表示方法については「3.6.3 パス一覧の表示」を,パスの状態切り替えについては「3.6.5 パスの状態切り替え」を参照してください。
    パス状態の切り替えによって得られた効果を確認するために,再度,Tuning Managerを利用して入出力操作数や転送速度などを確認してください。