Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(VMware®用)

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4.5.5 パス障害メッセージ抑制情報の設定

この項の構成
(1) 形式
(2) パラメタ
(3) 推奨するパラメタ設定値
(4) 使用例
(5) 注意事項

(1) 形式

ホストで実行する場合
esxcli hdlm dlnkmgr system set 
--option=pfs:{ON|OFF}.
[パス障害メッセージ抑制間隔].[パス障害メッセージ抑制回数].
[ホストステータス設定コード].[プラグインステータス設定コード].
[デバイスステータス設定コード].[SCSIセンスキー設定コード]

リモート管理クライアントから実行する場合
EsxCli-Object.hdlm.dlnkmgr.system.set.invoke
(@{option="pfs:{ON|OFF}.
[パス障害メッセージ抑制間隔].[パス障害メッセージ抑制回数].
[ホストステータス設定コード].[プラグインステータス設定コード].
[デバイスステータス設定コード].[SCSIセンスキー設定コード]"}) | ConvertTo-Json
注※ Get-EsxCliコマンドレットで取得したホストごとに1つのEsxCliオブジェクト

(2) パラメタ

pfs:{ON|OFF}
パス障害メッセージ抑制機能の有効無効設定。初期値はOFF(無効)です。
ON :有効にする。
OFF:無効にする。

パス障害メッセージ抑制間隔
障害要因設定コードで指定した要因のパス障害メッセージを抑制する間隔を秒単位で指定します。0~3600の値を指定します。デフォルト値は10秒です。0を指定した場合,間隔での抑制は行いません。
ここで指定したパス障害メッセージ抑制間隔内に監視障害要因設定コードで指定した要因のパス障害が複数回発生した場合,2回目以降のメッセージを抑制します。抑制間隔を超えて障害が発生した時点で,抑制したメッセージを抑制した回数とともに出力した後,抑制を解除します。

パス障害メッセージ抑制回数
障害要因設定コードで指定した要因のパス障害メッセージを抑制する回数を指定します。0または10~3600000の値を指定します。デフォルト値は3000です。0を指定した場合,回数での抑制は行いません。
ここで指定したパス障害メッセージ抑制回数内に監視障害要因設定コードで指定した要因のパス障害が複数回発生した場合,2回目以降のメッセージを抑制します。抑制回数を超えて障害が発生した時点で,抑制したメッセージを抑制した回数とともに出力した後,抑制を解除します。

ホストステータス設定コード
SCSIホストステータスに対応した障害要因設定コード(10進)を指定します。0~32767の値を指定します。デフォルト値は2113です。2113はNO_CONNECTERRORRETRYを抑制対象とした値になります。複数の要因を設定する場合は設定コードの総和を指定します。0を指定した場合はホストステータスの抑制は行いません。最大値を指定した場合はすべての障害要因を抑制対象とします。
SCSIホストステータスに対応する設定コードを次に示します。

表4-3 SCSIホストステータスに対応する設定コード

SCSIホストステータス ホストステータスコード 設定コード
NO_CONNECT 0x01 1
BUS_BUSY 0x02 2
TIMEOUT 0x03 4
BAD_TARGET 0x04 8
ABORT 0x05 16
PARITY 0x06 32
ERROR 0x07 64
RESET 0x08 128
BAD_INTR 0x09 256
PASSTHROUGH 0x0a 512
SOFT_ERROR 0x0b 1024
RETRY 0x0c 2048
REQUEUE 0x0d 4096
PI_REF_ERROR 0x0e 8192
PI_GENERIC_ERROR 0x0f 16384
ホストステータスの詳細は,VMware社の情報(VMware Knowledge Base)を参照してください。

プラグインステータス設定コード
プラグインステータスに対応した障害要因設定コード(10進)を指定します。0~255の値を指定します。デフォルト値は0です。0を指定した場合はプラグインステータスの抑制は行いません。複数の要因を設定する場合は設定コードの総和を指定します。最大値を指定した場合はすべての障害要因を抑制対象とします。
プラグインステータスに対応する設定コードを次に示します。

表4-4 プラグインのステータスに対応する設定コード

プラグインステータス プラグインステータスコード 設定コード
TRANSIENT 0x01 1
SNAPSHOT 0x02 2
RESERVATION_LOST 0x03 4
REQUEUE 0x04 8
ATS_MISCOMPARE 0x05 16
THINPROV_BUSY_GROWING 0x06 32
THINPROV_ATQUOTA 0x07 64
THINPROV_NOSPACE 0x08 128
プラグインステータスの詳細は,VMware社の情報(VMware Knowledge Base)を参照してください。

デバイスステータス設定コード
SCSIデバイスステータスに対応した障害要因設定コード(10進)を指定します。0~1023の値を指定します。デフォルト値は32です。32はRESERVATION_CONFLICTを抑制対象とした値になります。複数の要因を設定する場合は設定コードの総和を指定します。0を指定した場合はデバイスステータスの抑制は行いません。最大値を指定した場合はすべての障害要因を抑制対象とします。
SCSIデバイスステータスに対応する設定コードを次に示します。

表4-5 SCSIデバイスステータスに対応する設定コード

SCSIデバイスステータス デバイスステータスコード 設定コード
CHECK_CONDITION 0x02 1
CONDITION_MET 0x04 2
BUSY 0x08 4
INTERMEDIATE 0x10 8
INTERMEDIATE_CONDITION_MET 0x14 16
RESERVATION_CONFLICT 0x18 32
COMMAND_TERMINATED 0x22 64
QUEUE_FULL 0x28 128
ACA_ACTIVE 0x30 256
TASK_ABORTED 0x40 512
デバイスステータスの詳細は,VMware社の情報(VMware Knowledge Base)を参照してください。

SCSIセンスキー設定コード
SCSIセンスキーに対応した障害要因設定コード(10進)を指定します。0~32767の値を指定します。デフォルト値は0です。0を指定した場合はSCSIセンスキーの抑制は行いません。複数の要因を設定する場合は設定コードの総和を指定します。最大値を指定した場合はすべての障害要因を抑制対象とします。
SCSIセンスキーに対応する設定コードを次に示します。

表4-6 SCSIセンスキーに対応する設定コード

SCSIセンスキー センスキー 設定コード
RECOVERED_ERROR 0x01 1
NOT_READY 0x02 2
MEDIUM_ERROR 0x03 4
HARDWARE_ERROR 0x04 8
ILLEGAL_REQUEST 0x05 16
UNIT_ATTENTION 0x06 32
DATA_PROTECT 0x07 64
BLANK_CHECK 0x08 128
VENDOR SPECIFIC 0x09 256
COPY_ABORTED 0x0a 512
ABORTED_COMMAND 0x0b 1024
EQUAL 0x0c 2048
VOLUME_OVERFLOW 0c0d 4096
MISCOMPARE 0x0e 8192
COMPLETED 0x0f 16384
センスキーの詳細は,ハードウェア固有の情報になるので,ハードウェア(ストレージ)提供元に確認してください。

(3) 推奨するパラメタ設定値

推奨するパラメタの設定値を以下に示します。

表4-7 推奨するパラメタ設定値

パラメタ 多発しやすい障害要因のみ抑制する場合 すべての障害要因を抑制する場合
パラメタ設定値 パス障害メッセージ抑制間隔 10(デフォルト値) 10(デフォルト値)
パス障害メッセージ抑制回数 3000(デフォルト値) 3000(デフォルト値)
ホストステータス設定コード 2113(デフォルト値) 32767(最大値)
プラグインステータス設定コード 0(デフォルト値) 255(最大値)
デバイスステータス設定コード 32(デフォルト値) 1023(最大値)
SCSIセンスキー設定コード 0(デフォルト値) 32767(最大値)
上記パラメタの記述形式

初回のパラメタ設定時
pfs:ON

過去にパラメタの設定を している場合
pfs:ON.10.3000.2113.0.32.0
pfs:ON.10.3000.32767.255.1023.32767

注※
過去の障害問い合わせで多かった障害要因。

(4) 使用例

パス障害メッセージ抑制機能を有効化し,抑制条件としてパス障害メッセージ抑制間隔(5分),パス障害メッセージ抑制回数(1000回),すべての障害要因を対象とする場合の使用例を示します。

>esxcli hdlm dlnkmgr system set --option=pfs:ON.300.1000.32767.255.1023.32767
   Version: 8.8.3-03
   SPVersion:
   HostName: esxi7x
   MaxDevices: 1024
   MaxPaths: 4096
   SysInfo: SATP.Flags:67108864, SATP.MaxDevs:1024, SATP.MaxPaths:4096, SATP.MaxStorages:256, SATP.IemIntvl:30, SATP.IemNum:3, SATP.Loglevel:0, SATP.Timeout:10000, SATP.PslogSize:1024, SATP.PslogSizeInit:1024, SATP.PslogSizeNext:1024, SATP.DPC.TARGET:240, SATP.DPC.SYSTEM:0, SATP.DPC.INTVL:10, SATP.HaBlockType:0, SATP.PfmIntvl:1, SATP.PfmNum:10, SATP.PfmShs:64, SATP.PfsIntvl:300, SATP.PfsNum:1000, SATP.PfsShs:32767, SATP.PfsPlg:255, SATP.PfsSds:1023, SATP.PfsSky:32767, PSP(0)@HTI_PSP_HDLM_EXRR.Exlimit:100, PSP(0)@HTI_PSP_HDLM_EXRR.ExRndlimit:1, PSP(0)@HTI_PSP_HDLM_EXRR.Loglevel:0, PSP(0)@HTI_PSP_HDLM_EXRR.SpuLimit:100, PSP(0)@HTI_PSP_HDLM_EXRR.SpuDuration:60, PSP(0)@HTI_PSP_HDLM_EXRR.SpuDuration:60, PSP(1)@HTI_PSP_HDLM_EXLIO.Exlimit:100, PSP(1)@HTI_PSP_HDLM_EXLIO.ExRndlimit:1, PSP(1)@HTI_PSP_HDLM_EXLIO.Loglevel:0, PSP(1)@HTI_PSP_HDLM_EXLIO.SpuLimit:100, PSP(1)@HTI_PSP_HDLM_EXLIO.SpuDuration:60, PSP(1)@HTI_PSP_HDLM_EXLIO.SpuDuration:60, PSP(2)@HTI_PSP_HDLM_EXLBK.Exlimit:100, PSP(2)@HTI_PSP_HDLM_EXLBK.ExRndlimit:1, PSP(2)@HTI_PSP_HDLM_EXLBK.Loglevel:0, PSP(2)@HTI_PSP_HDLM_EXLBK.SpuLimit:100, PSP(2)@HTI_PSP_HDLM_EXLBK.SpuDuration:60, PSP(2)@HTI_PSP_HDLM_EXLBK.SpuDuration:60
   SatpName: HTI_SATP_HDLM
   ClaimRules:
   DefaultPSP:

(5) 注意事項