Hitachi Dynamic Link Manager ユーザーズガイド(Solaris用)
Solaris 10の場合の,ZFSブートディスク環境を作成する手順について説明します。
図3-20 ZFSブートディスク環境の構築の流れ(Solaris 10の場合)
- ブートディスク環境を作成する準備をします。
- ZFS上にある ローカルブートディスク環境をストレージシステム上のLU(HDLMデバイス)にコピーします。
移行前のブートディスクのファイルシステムがUFSの場合も同じ手順で構築できます。
- 注意事項
- 移行先デバイスに対し動的パス削除を行っている場合,再構成リブートを行ったあとにブートディスク環境の構築を行ってください。
# reboot -- -r
- この項の構成
- (1) ブートディスク環境を作成する準備をする
- (2) ローカルブートディスク環境をストレージシステムのLU上(HDLMデバイス)にコピーする
ローカルブートディスク環境をストレージシステムのLU上(HDLMデバイス)にコピーする前に,次の準備をしてください。
- ローカルブートディスクと同じ容量のブートディスク用のLUが2つ必要となります。あらかじめ,ストレージシステム上に作成します。
- 手順1で用意したLUをHDLMの管理下にし,ブートディスク用のHDLMデバイスに対して,dlmpresanbootユティリティを実行します。
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmpresanboot -d HDLMデバイス名ブートディスク用のHDLMデバイス名をc2t50060E8010253334d0とした場合の例を次に示します。
- VTOCラベルの場合
- VTOCラベルの場合は,HDLMデバイス名のあとにスライス0を指定してください。
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmpresanboot -d /dev/dsk/c2t50060E8010253334d0s0
(2) ローカルブートディスク環境をストレージシステムのLU上(HDLMデバイス)にコピーする
ローカルブートディスク環境をストレージシステムのLU上(HDLMデバイス)にコピーします。
- LU#0に,ディスクスライスを設定します。
LUのディスクスライスはそれぞれ次のように設定してください。そのほかのスライスは使用しません 。
- スライス0:すべてのディスク領域を割り当てます。
- スライス2:すべてのディスク領域を割り当てます。
- zpool createコマンドを実行して, HDLMデバイス上にルートプールを作成します。
# zpool createルートプール名 LUのHDLMデバイス名
ルートプール名をrpool2,LUのHDLMデバイス名をc2t50060E8010253334d0とした場合の例を次に示します。
- VTOCラベルの場合
- VTOCラベルの場合は,HDLMデバイス名のあとにスライス0を指定してください。
# zpool create rpool2 c2t50060E8010253334d0s0- zpool statusコマンドを実行して,ルートプールが正しく作成できていることを確認します。
# zpool status pool: rpool2 state: ONLINE scrub: none requested config: NAME STATE READ WRITE CKSUM rpool2 ONLINE 0 0 0 c2t50060E8010253334d0s0 ONLINE 0 0 0 errors: No known data errors- lucreateコマンドを実行して,ローカルブートディスク環境をLU#0にコピーします。
# lucreate -n 任意のブートディスク環境名 -p ルートプール名
ブートディスク環境名をzfsBE,ルートプール名をrpool2とした場合の例を次に示します。# lucreate -n zfsBE -p rpool2コマンドが正常終了すると,ブートディスクがrpool2にコピー されます。- lustatusコマンドを実行して,コピーしたZFSブートディスク環境を確認します。
# lustatus Boot Environment Is Active Active Can Copy Name Complete Now On Reboot Delete Status --------------------------------------------------------------- s10s_u9wos_14a yes yes yes no - zfsBE yes no no yes -- 次のコマンドを実行して,ZFSブートディスク環境でブートできるように設定します。
# luactivate ブートディスク環境名
# installboot -F zfs /usr/platform/`uname -i`/lib/fs/zfs/bootblk LUのHDLMデバイス名
なお,installbootコマンドに指定するHDLMデバイスはrawデバイスです。
ブートディスク環境名をzfsBE,LUのHDLMデバイス名をc2t50060E8010253334d0s0とした場合の例を次に示します。# luactivate zfsBE # installboot -F zfs /usr/platform/`uname -i`/lib/fs/zfs/bootblk /dev/rdsk/c2t50060E8010253334d0s0- dlmpostsanbootユティリティを実行します。
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmpostsanboot -d HDLMデバイス名LUのHDLMデバイス名は「3.7.2 ZFSブートディスク環境の作成(Solaris 10の場合)」の「(1) ブートディスク環境を作成する準備をする」手順2で指定したHDLMデバイス名を指定してください。
ブートディスク用のHDLMデバイス名をc2t50060E8010253334d0s0とした場合の例を次に示します。# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmpostsanboot -d /dev/dsk/c2t50060E8010253334d0s0- eepromコマンドを実行して,移行後のデバイスをブートデバイスに設定します。
# eeprom boot-device=/pci@7c0/pci@0/pci@1/pci@0,2/SUNW,qlc@2,1/ fp@0,0/disk@w50060e8010027a80,8:aブートデバイス名を設定する手順については「3.6.2 ブートディスク環境の構築の手順」の「(5) 移行後の環境を構築する」手順11を参照してください。- initコマンドを実行して,ホストを再起動します。
# init 6ホストを再起動するとき,rebootコマンドは使わないでください。- zpool exportコマンドを実行して,移行前のローカルブートディスク環境にあるルートプールをエクスポートします。
# zpool export 移行前のルートプール
移行前のルートプール名をrpoolとした場合の例を次に示します。# zpool export rpoolホスト再起動後の設定
- 移行前がZFSブートディスク環境の場合
手順4で実行したlucreateコマンドでは,/exportディレクトリおよび/export/homeディレクトリはコピーされません。
これらのディレクトリ下のデータをコピーしたい場合は,/exportディレクトリおよび/export/homeディレクトリを移行後の環境にコピーしてください。コピーの手順が不明な場合は,Oracleサポートサービスを契約した会社へお問い合わせください。- 移行前がUFSブートディスク環境の場合
移行前のルートファイルシステム(スワップを含む)以外のUFSファイルシステムは,lucreateコマンドを実行しても移行後のルートプールにコピーできません。また,移行後の環境でも移行前のUFSファイルシステムはマウントされたままになります。
移行前のUFSファイルシステムを使用したくない場合は,移行後のルートプールにファイルシステムの内容をコピーしてください。UFSファイルシステムの内容をコピーする方法,および移行前のUFSファイルシステムのマウントを解除する方法が不明な場合,Oracleサポートサービスを契約した会社へお問い合わせください。
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