9.1 I/O性能の最適化とは
REST APIでは、次の方法でI/O性能を最適化します。
- Virtual Partition Managerの機能を使用してキャッシュを分割し、特定のホストがキャッシュ容量を占有してしまうことを抑止する方法
- QoS(Quality of Service)の機能を使用して、ボリュームごとにホストのI/O性能を制御することで、サービス間の性能干渉を抑止する方法
- Server Priority Managerの機能を使用して、優先度の低いホストのI/O性能を制限することで、高い処理能力が求められるホストの入出力操作を優先する方法
- リソースに特定のMPブレードを割り当てることで、I/O負荷を分散する方法
CLPR の管理
Virtual Partition Managerの機能を使用してキャッシュを分割し、そのキャッシュを利用するリソースを割り当てます。これにより、特定のホストがキャッシュメモリの多くの領域を占有して I/O が低下する状況を避けられます。
REST APIでは、CLPRの作成や削除およびリソースの割り当てなどができます。
CLPRの機能の詳細や操作上の注意事項については、Virtual Partition Managerのマニュアルを参照してください。
QoS の操作
QoSの機能を使用して、ボリュームごとにIOPSやデータ転送量などを制御します。これにより、サービスに適したI/Oが実行でき、一定の性能と品質を保持できます。
REST APIでは、ボリュームにIOPSやデータ転送量の上限値や下限値、アラートを通知するまでの時間の設定や、QoSを設定したボリュームの性能情報の取得ができます。設定した情報の取得は、ボリュームの情報を取得するAPIを実行して確認できます。
リクエストラインにsimpleを含むREST APIを使用することで、QoSグループに関する情報を取得できます。QoSグループに関する情報取得の操作については、QoSグループの操作の説明を参照してください。
QoSの機能の詳細や操作上の注意事項については、Performance Managerのマニュアルを参照してください。
Server Priority Managerの操作
Server Priority Managerの機能を使用して、優先度が高いホストの性能低下を防止するために、優先度が低いホストからストレージシステムへのアクセス回数やデータ転送量を制限します。
Server Priority Managerの設定は、ポートとHBAのWWNを指定する方法と、ボリューム(LDEV)とHBAのWWNまたはiSCSIネームを指定する方法があります。ストレージシステム内で2つの設定方法を混在させることはできません。REST APIでは、ボリュームとHBAのWWNまたはiSCSIネームの単位で設定します。
REST APIからServer Priority Managerの情報を設定したボリュームとHBAのWWNまたはiSCSIネームの性能情報は、Tuning Manager APIなどの製品から確認してください。
- メモ
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Server Priority Managerの機能をStorage Navigatorなどからすでに使用しているストレージシステムに対して、REST APIでServer Priority Managerの操作はできません。REST APIでServer Priority Managerを設定する場合は、Storage NavigatorからServer Priority Managerの設定をすべて削除したあとで、操作してください。
- メモ
REST APIからServer Priority Managerの機能は、次のストレージシステムの場合に使用できます。
- VSP 5000 シリーズ
- VSP E シリーズ
- VSP G150、G350、G370、G700、G900、VSP F350、F370、F700、F900
- マイクロコードのバージョンが83-03-2X-XX/XX以降のVSP G100、G200、G400、G600、G800、VSP F400、F600、F800
- VSP G1500またはVSP F1500
- マイクロコードのバージョンが80-05-XX-XX/XX以降のVSP G1000
MPブレードの割り当て
データ入出力に関連するリソース(LDEV、外部パリティグループ、ジャーナル)ごとに特定のMPブレードを割り当てると、特定のリソース専用のMPブレードとして使用できます。また、ホストから特定のMPブレードに書き込みが集中している場合は、MPブレードに負荷をかけているリソースにほかのMPブレードを割り当てることで、I/O負荷を分散することができます。
- LDEV:ボリューム割り当てについて説明している章
- 外部パリティグループ:I/O性能の最適化について説明している章
- ジャーナル:リモートコピーの環境構築について説明している章