Replication Manager Application Agent CLI リファレンスガイド
すべてのコピーグループの副ボリュームを隠ぺいする場合
drmdevctl -detach [ -noscan ]バックアップカタログに記録されたコピーグループの副ボリュームを隠ぺいする場合
drmdevctl バックアップID -detach [ -noscan ]コピーグループを指定して副ボリュームを隠ぺいする場合
drmdevctl -copy_group コピーグループ名 -detach [ -noscan ]すべてのコピーグループの副ボリュームを隠ぺい解除(公開)する場合
drmdevctl -attach [ -noscan ]バックアップカタログに記録されたコピーグループの副ボリュームを隠ぺい解除(公開)する場合
drmdevctl バックアップID -attach [ -noscan ]コピーグループを指定して副ボリュームを隠ぺい解除(公開)する場合
drmdevctl -copy_group コピーグループ名 -attach [ -noscan ]サーバのOSへのディスク再認識指示をする場合
drmdevctl -rescanローカルボリュームのディスクSignatureを表示する場合(すべてのコピーグループが対象)
drmdevctl -sigviewローカルボリュームのディスクSignatureを表示する場合(指定したバックアップカタログに記録されているコピーグループが対象)
drmdevctl バックアップID -sigviewローカルボリュームのディスクSignatureを表示する場合(指定したコピーグループが対象)
drmdevctl -copy_group コピーグループ名 -sigviewローカルボリュームのディスクSignatureを,バックアップ時の値に更新する場合(指定したバックアップカタログに記録されているコピーグループが対象)
drmdevctl バックアップID -sigsetローカルボリュームのディスクSignatureを,指定した値に更新する場合(指定したコピーグループが対象)
drmdevctl -copy_group コピーグループ名 -sigset ディスクSignatureサーバに接続されたストレージシステム装置の物理ボリュームを,サーバから隠ぺいまたは隠ぺい解除します。サーバから物理ボリュームを隠ぺいしてアクセスを制御することで,ユーザーの誤操作を防ぐことができます。
また,物理ボリュームを隠ぺいし,Thin ImageまたはCopy-on-Write Snapshotを利用したバックアップを,複数の世代の副ボリュームに取得すれば,それぞれをバックアップサーバでテープ装置にバックアップできます。
Application Agentの管理対象となるすべてのコピーグループを対象にできるため,バックアップサーバのボリューム隠ぺい環境の初期構築ができます。また,バックアップIDおよびコピーグループを指定することで,対象を絞り込んでコマンドを実行することもできます。
運用開始後に,サーバに接続されたストレージシステム装置の物理ボリュームに対して隠ぺいまたは隠ぺい解除をしたい場合にも使用できます。
また,ファイルサーバまたはデータベースサーバでリストアコマンドがエラー終了した場合に,バックアップサーバでコピーグループのディスクSignature(ディスク署名)を表示および更新できます。これによって,リストア処理の失敗から回復できます。
-detach,-attachまたは-rescanオプションを指定する場合は,RAID Manager用連携定義ファイル(DEFAULT.dat)にDEVICE_DETACH=ENABLEを設定しておく必要があります。
バックアップID
バックアップカタログに対応したバックアップIDを指定します。バックアップIDを指定すると,バックアップカタログに記録されたコピーグループの副ボリュームが対象の物理ボリュームとなります。なお,指定できるバックアップIDの値は0000000001~4294967295 です。先頭の0は省略しないでください。
-copy_group コピーグループ名
有効なコピーグループ名を指定します。指定されたコピーグループの副ボリュームが,対象の物理ボリュームとなります。
-detach
ストレージシステムの物理ボリュームをサーバから隠ぺいし,サーバのOSへのディスク再認識を指示します。
-attach
隠ぺい状態のストレージシステムの物理ボリュームを隠ぺい解除(公開)し,サーバのOSへのディスク再認識を指示します。
-noscan
ボリューム隠ぺいまたは隠ぺい解除後に,OSへのディスク再認識指示を行わない場合に指定します。ただし,ボリューム隠ぺいまたは隠ぺい解除(公開)を一度でも実行した場合は,最後にOSへのディスク再認識指示(-rescan)をする必要があります。ディスク再認識指示をしなかった場合,OSと実際のディスク構成の間に不整合が発生するため,「drmdevctl -detach」「drmdevctl -attach」以外の操作を実行した場合の動作の保証はできません。
このオプションは,-detachまたは-attachオプションのどちらかと同時に指定する必要があります。
-rescan
OSへのディスク再認識を指示します。ボリューム隠ぺいまたは隠ぺい解除を実行した場合は,そのあとにディスクの再認識をする必要があります。ディスク再認識操作の処理時間はハードウェア構成(特に接続ディスク数)に依存します。
このオプションは,ほかのオプションと同時に指定できません。
-sigview
物理ボリュームのディスクSignatureを表示します。
このオプションは,KAVX5137-Eのメッセージが出力され,リストアコマンドがエラー終了した場合に,運用を回復するために使用します。
- -sigviewオプションにバックアップIDを指定したとき
バックアップ時に記録したディスクSignatureが表示されます。これによって,バックアップ時と現在とでディスクSignatureの値を比較できます。- -sigviewオプションと「-copy_group コピーグループ名」を同時に指定したとき,または-sigviewオプションにバックアップIDを指定しないで,かつ「-copy_group コピーグループ名」を指定しなかったとき
現在のディスクSignatureだけが表示されます。このとき,バックアップ時に記録したディスクSignatureには「--------」が表示されます。-sigviewオプションを指定したときに表示される項目を,次の表に示します。
表2-13 drmdevctl -sigviewコマンドの表示項目
表示項目 意味 COPY_GROUP
- バックアップIDを指定した場合
- バックアップ対象のコピーグループの名称
- コピーグループを指定した場合
- 指定したコピーグループの名称
- 指定なしの場合
- すべてのコピーグループ
DEVICE コピーグループに対応する物理ボリューム名
(例)「Harddisk0」
ディスク隠ぺい時など,物理ボリュームが取得できない場合は「UNKNOWN」が表示される。TYPE DEVICEに表示された物理ボリュームのパーティションスタイル
(「MBR」「GPT」「RAW」「---」のどれか)
DEVICEの表示内容が「UNKNOWN」の場合は,「---」が表示される。CUR_DISKID DEVICEに表示された物理ボリュームの,現在のディスクSignature(16進数で表示)
DEVICEの表示内容が「UNKNOWN」の場合は,「--------」が表示される。BKU_DISKID バックアップカタログに記録されたディスクSignature(16進数で表示)
ディスクSignatureがセットされていない場合(Protection Manager 04-10以前の環境でバックアップした場合など),およびバックアップIDを指定しなかった場合は,「--------」が表示される。-sigset ディスクSignature
物理ボリュームのディスクSignatureを更新します。
このオプションは,KAVX5137-Eのメッセージが出力され,リストアコマンドがエラー終了した場合に,運用を回復するために使用します。
-sigsetオプションは,「バックアップID」または「-copy_group コピーグループ名」のどちらかを,同時に指定する必要があります。
- -sigsetオプションと「バックアップID」を同時に指定したとき
バックアップ時に記録したディスクSignatureの値に従って,現在のディスクSignatureが更新されます。任意のディスクSignatureは,指定できません。- -sigsetオプションと「-copy_group コピーグループ名」を同時に指定したとき
-sigsetオプションに続けて指定したディスクSignatureに従って,現在のディスクSignatureが更新されます。このとき,ディスクSignatureは必ず指定する必要があります。
また,指定するディスクSignatureは,パーティションスタイルによって異なります。
パーティションスタイルと指定するディスクSignatureを次に示します。表2-14 パーティションスタイルと指定するディスクSignature
パーティションスタイル 形式(例) 備考 MBR ABCDEF01 16進数8桁以内 GPT ABCDEF01-2345-6789-ABCD-EF0123456789 GUID
({}は不要)
- バックアップIDと-copy_groupオプションは同時に指定できません。
- バックアップIDと-copy_groupオプションのどちらも指定しなかった場合は,Application Agentが管理対象とするすべてのコピーグループの副ボリュームが対象となります。
Application Agentが使用するRAID Managerインスタンスは,RAID Manager用連携定義ファイル(DEFAULT.dat)にHORCMINST=nとして指定します。RAID Managerインスタンスにペアボリュームとして定義された2つのボリュームのうち,Application Agentが使用するRAID Managerインスタンスが直接管理するボリュームを副ボリュームとします。- ボリューム隠ぺいを実行し,OSへのディスク構成再認識をすると,「デバイスを取り外した」という内容のエラーメッセージがWindowsイベントログに記録されます。エラーメッセージのWindowsイベントログは定期的に削除することをお勧めします。
- -detachオプションを指定して実行した場合,物理ボリュームはすべてのアプリケーションからオフライン(クローズ)にしてください。オフラインにしないと,アプリケーションが使用中であっても,物理ボリュームは強制的にサーバから隠ぺいされます。そのため,アプリケーションに予期しない問題が発生するおそれがあります。
- コピーグループが隠ぺいされているなどの理由で,ローカルボリュームが物理ボリュームにマッピングされていない場合,次の制限が発生します。
現在のディスクSignatureを表示したり,更新したりするには,コピーグループの隠ぺいを解除(公開)して,ローカルボリュームを物理ボリュームにマッピングしてください。
- -sigviewオプションを指定して実行したとき,現在のディスクSignatureを参照できません。このとき,コマンドの出力結果には「--------」が表示されます。
- -sigsetオプションを指定して実行したとき,ディスクSignatureを更新できません。
- -sigsetオプションを指定してディスクSignatureを更新した場合は,-sigviewオプションを指定して再度コマンドを実行し,ディスクSignatureが正しく更新されたことを必ず確認してください。
なお,更新後のディスクSignatureを持つボリュームがすでに存在していると,期待したディスクSignatureではなく,Windowsによって設定された異なるディスクSignatureに更新されることがあります。このような場合は,更新したいディスクSignatureを持つ物理ボリュームに対して-sigsetオプションのコピーグループ指定を実行し,ディスクSignatureを重複しない別の値に更新しておいてください。- -sigsetオプションを指定してディスクSignatureを更新しようとした場合で,ディスクSignatureの形式とディスクのパーティションスタイルが異なっているときは,KAVX5170-Eのエラーメッセージを表示し,エラー終了します。
- -sigviewオプションと「バックアップID」を同時に指定して実行した場合で,バックアップカタログに記憶しているディスクSignatureの形式と現在のディスクのパーティションスタイルが異なっているときは,KAVX5171-Eのエラーメッセージを表示し,エラー終了します。
0:正常終了した場合
0以外:エラーが発生した場合
- すべてのコピーグループの副ボリュームを隠ぺいし,ドライブを再認識する。
PROMPT> drmdevctl -detach- バックアップカタログに記録されたコピーグループの副ボリュームを隠ぺいし,ドライブを再認識する。
PROMPT> drmdevctl 0000000002 -detach- コピーグループを指定して副ボリュームの隠ぺいを繰り返し,最後にドライブを再認識する。
PROMPT> drmdevctl -copy_group G1,d1 -detach -noscan PROMPT> drmdevctl -copy_group G1,d2 -detach -noscan PROMPT> drmdevctl -copy_group G1,d3 -detach -noscan PROMPT> drmdevctl -rescan- すべてのコピーグループの副ボリュームを隠ぺい解除(公開)し,ドライブを再認識する。
PROMPT> drmdevctl -attach- バックアップカタログに記録されたコピーグループの副ボリュームを隠ぺい解除(公開)し,ドライブを再認識する。
PROMPT> drmdevctl 0000000002 -attach- コピーグループを指定して副ボリュームの隠ぺい解除(公開)を繰り返し,最後だけドライブを再認識する。
PROMPT> drmdevctl -copy_group G1,d1 -attach -noscan PROMPT> drmdevctl -copy_group G1,d2 -attach -noscan PROMPT> drmdevctl -copy_group G1,d3 -attach -noscan PROMPT> drmdevctl -rescan- すべてのコピーグループに対して,ローカルボリュームの現在のディスクSignatureを表示する。
PROMPT> drmdevctl -sigview COPY_GROUP DEVICE TYPE CUR_DISKID BKU_DISKID VG01,dev01 Harddisk10 MBR ABCDEF01 -------- VG01,dev02 Harddisk11 MBR ABCDEF02 -------- VG01,dev03 UNKNOWN --- -------- -------- VG02,dev11 Harddisk12 GPT ABCDEF01-2345-6789-ABCD-EF0123456701 -------- VG02,dev12 Harddisk13 GPT ABCDEF01-2345-6789-ABCD-EF0123456702 -------- VG02,dev13 UNKOWN --- -------- --------- バックアップID「0000000002」のバックアップカタログに記録されたコピーグループに対して,ローカルボリュームの現在のディスクSignatureとバックアップ時のディスクSignatureを表示する。
PROMPT> drmdevctl 0000000002 -sigview COPY_GROUP DEVICE TYPE CUR_DISKID BKU_DISKID VG01,dev01 Harddisk10 MBR ABCDEF01 ABCDEF00 VG01,dev02 Harddisk11 MBR ABCDEF02 ABCDEF03- コピーグループ「VG01,dev01」に対して,ローカルボリュームの現在のディスクSignatureを表示する。
PROMPT> drmdevctl -copy_group VG01,dev01 -sigview COPY_GROUP DEVICE TYPE CUR_DISKID BKU_DISKID VG01,dev01 Harddisk10 MBR ABCDEF01 --------- バックアップID「0000000002」のバックアップカタログに記録されたコピーグループに対して,ローカルボリュームのディスクSignatureをバックアップ時のディスクSignatureに更新する。
PROMPT> drmdevctl 0000000002 -sigset- コピーグループに対して,ローカルボリュームのディスクSignatureを更新する。
- MBRディスクの場合
- コピーグループ「VG01,dev01」に対して,ディスクSignatureを「ABCDEF00」に更新する。
- PROMPT> drmdevctl -copy_group VG01,dev01 -sigset ABCDEF00
- GPTディスクの場合
- コピーグループ「VG02,dev11」に対して,ディスクSignatureを「ABCDEF01-2345-6789-ABCD-EF0123456701」に更新する。
- PROMPT> drmdevctl -copy_group VG02,dev11 -sigset ABCDEF01-2345-6789-ABCD-EF0123456701
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