Replication Manager Application Agent CLI ユーザーズガイド

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3.14.8 オペレーション定義ファイルの作成(バックアップ対象がExchangeデータベースの場合)

オペレーション定義ファイルは,拡張コマンドを使用するシステムの構成に合わせて作成します。作成したオペレーション定義ファイルは,拡張コマンドを実行する各サーバの次のディレクトリに格納します。

<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\

オペレーション定義ファイルを所定のディレクトリに格納したあとは,オペレーション定義ファイルチェックツールを実行して,オペレーション定義ファイルの内容のチェックと,拡張コマンド用一時ディレクトリの自動生成をします。

この項の構成
(1) オペレーション定義ファイルの配置
(2) オペレーション定義ファイルの形式
(3) オペレーション定義ファイルの作成例

(1) オペレーション定義ファイルの配置

オペレーション定義ファイルは,処理の対象となるマウントポイント,ファイル,インスタンス,ストレージグループ,またはインフォメーションストアに対して,同一のファイルを2つ作成します。1つのオペレーション定義ファイルをファイルサーバまたはデータベースサーバに配置し,もう1つをバックアップサーバに配置します。ファイルサーバまたはデータベースサーバがクラスタ構成の場合は,バックアップ対象となるクラスタリソース(マウントポイントまたはファイル)が定義されているすべてのサーバに,同一のオペレーション定義ファイルを配置します。

オペレーション定義ファイルの配置例を次の図に示します。

図3-13 オペレーション定義ファイルの配置例(バックアップ対象がExchangeデータベースの場合)

[図]

この例では,クラスタを構成するデータベースサーバA(サーバ名:DBServer_A)およびデータベースサーバB(サーバ名:DBServer_B)で,仮想サーバC(サーバ名:VServer_C)が動作しています。

データベースサーバAおよびデータベースサーバB上にはストレージグループ「STORAGE_1」が在り,クラスタリソースとして仮想サーバCが定義されています。

この場合,データベースサーバA,データベースサーバBおよびバックアップサーバ(サーバ名:BKServer)には,「STORAGE_1」に関するオペレーション定義ファイルを配置します。

(2) オペレーション定義ファイルの形式

オペレーション定義ファイルは,処理の対象を一意に特定するオペレーションIDに対応して,次のような名称で作成します。

<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\_<オペレーションID>.dat

オペレーション定義ファイルのサンプルは,次の場所にあります。

<Application Agentのインストール先>\DRM\script\sample

オペレーション定義ファイルの指定項目と指定する内容およびデータの最大バイト数を次の表に示します。

表3-53 オペレーション定義ファイルの指定項目と指定する内容およびデータの最大バイト数(バックアップ対象がExchangeデータベースの場合)

指定項目 指定内容 最大バイト数※1
BACKUP_OBJECT バックアップ対象の種別を示す文字列を指定します。
MSEXCHANGE」と指定します。
32
DB_SERVER_NAME データベースサーバ名を指定します。
クラスタ構成の場合は,クラスタリソースに対応する仮想サーバ名を指定します。この仮想サーバ名は,Application Agentの構成定義ファイル(init.conf)の「DRM_DB_PATH=<共有ディスク上のディレクトリ>;<仮想サーバ名>」に定義されている必要があります。※2
63
INSTANCE_NAME -」を指定します。 1
TARGET_NAME Exchange Server 2007の場合
バックアップするストレージグループ名を指定します。※3
コンマで区切って複数指定できます。空白を含む場合は引用符(")で囲んで記述します。値を省略すると,サーバにあるすべてのストレージグループがバックアップの対象となります。
Exchange Server 2010,Exchange Server 2013,またはExchange Server 2016の場合
バックアップするインフォメーションストア名を指定します。※4
コンマで区切って複数指定できます。値の指定を省略すると,Exchange Serverにあるすべてのインフォメーションストア名がバックアップ対象となります。
1,024
FTP_HOME_DIR バックアップサーバのIISで指定したFTPサービスのホームディレクトリ名を指定します。 128
FTP_SUB_DIR FTPサービスのホームディレクトリ(FTP_HOME_DIRで指定したバックアップサーバのディレクトリ)の下に作成するサブディレクトリの名前を指定します。
ここで指定した名前のサブディレクトリの配下に,拡張コマンド用一時ディレクトリが自動で作成されます。拡張コマンド用一時ディレクトリの詳細は,「3.14.9 拡張コマンド用一時ディレクトリの確認」を参照してください。
128
SET_DRM_HOSTNAME データベースサーバの構成を指定します。クラスタ構成の場合は「1」,クラスタ構成でない場合は「0」を指定します。 1

注※1
複数指定するときに使用するコンマも1バイトと見なします。ヘッダ部分「<指定項目名>=」はバイト数に含みません。

注※2
バックアップ対象がExchangeデータベースの場合,仮想サーバ名は,拡張コマンドEX_DRM_EXG_BACKUP-hostnameオプションでも指定できます。オペレーション定義ファイルの「DB_SERVER_NAME」と-hostnameオプションの両方で仮想サーバ名を指定した場合,-hostnameオプションの指定が優先されます。

注※3
この項目を指定する場合,回復用ストレージグループは指定しないでください。

注※4
この項目を指定する場合,回復用データベースは指定しないでください。

(3) オペレーション定義ファイルの作成例

Exchange Server 2007のクラスタ構成の場合にオペレーション定義ファイルを作成する例について説明します。

この例の前提条件は次のとおりです。

この例では,次の表に示すオペレーションIDに対応するオペレーション定義ファイルを作成します。

表3-55 オペレーション定義ファイルを作成するオペレーションID(バックアップ対象がExchangeデータベースでクラスタ構成の場合)

オペレーションID 仮想サーバ 対象ストレージグループ
Operation_A VServer_C STORAGE_1

クラスタ構成の場合にオペレーション定義ファイルを作成するには:

  1. 現用サーバ(データベースサーバA)にオペレーション定義ファイルを作成し,必要な項目を設定します。
    次のファイルを作成します。
    <Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\_Operation_A.dat
    「<Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\_Operation_A.dat」の記述例を次に示します。
    BACKUP_OBJECT=MSEXCHANGE
    DB_SERVER_NAME=VServer_C
    INSTANCE_NAME=-
    TARGET_NAME=
    FTP_HOME_DIR=C:\FTP_ROOT
    FTP_SUB_DIR=script
    SET_DRM_HOSTNAME=1
  2. 現用サーバ(データベースサーバA)でオペレーション定義ファイルのチェックツール「EX_DRM_EXG_DEF_CHECK」を実行します。
    EX_DRM_EXG_DEF_CHECK <オペレーションID> -db
    オペレーション定義ファイルのチェックが実行されます。また,拡張コマンド用一時ディレクトリが自動生成されます。
    エラーがあった場合はファイルの指定内容を修正し,チェックツールを再度実行します。
  3. 現用サーバ(データベースサーバA)で作成したオペレーション定義ファイルをバックアップサーバにコピーします。
    次のフォルダにコピーします。
    <Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\
  4. バックアップサーバでオペレーション定義ファイルのチェックツール「EX_DRM_EXG_DEF_CHECK」を実行します。
    EX_DRM_EXG_DEF_CHECK <オペレーションID> -bk
    オペレーション定義ファイルのチェックが実行されます。また,拡張コマンド用一時ディレクトリが自動生成されます。
    エラーがあった場合は,バックアップサーバの構成をオペレーション定義ファイルの内容に合わせて変更するか,オペレーション定義ファイルの内容をバックアップサーバの構成に合わせて変更してください。バックアップサーバの構成を変更する場合は,チェックツールを再度実行します。オペレーション定義ファイルの内容を変更する場合は,データベースサーバにも同一のファイルを格納し,チェックツールを再度実行します。
  5. 現用サーバ(データベースサーバA)で作成したオペレーション定義ファイルを待機サーバ(データベースサーバB)にコピーします。
    次のディレクトリにコピーします。
    <Application Agentのインストール先>\DRM\script\conf\

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