Replication Manager システム構成ガイド

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2.1.2 仮想コマンドデバイスを使用してコピーペアを管理する場合のシステム構成(オープン系システム)

ホストがオープン系ホストの場合で,仮想コマンドデバイスを使用してコピーペアを管理する場合のシステム構成を説明します。

この項の構成
(1) 基本的なシステム構成
(2) システムの構成要素
(3) システムの構成要素に含まれるソフトウェア
(4) 仮想コマンドデバイスを使用してコピーペアを管理する場合の要件

(1) 基本的なシステム構成

システム構成例を次の図に示します。

図2-7 SVPまたはCTL1/CTL2を仮想コマンドデバイスとして使用する場合のシステム構成(オープン系システム)

[図]

エンタープライズクラスストレージまたはHUS VMの場合,SVPを仮想コマンドデバイスとして使用します。VSP Gx00モデルまたはVSP Fx00モデルの場合,CTL1/CTL2を仮想コマンドデバイスとして使用します。

図2-8 仮想コマンドデバイスサーバを仮想コマンドデバイスとして使用する場合のシステム構成(オープン系システム)

[図]

(2) システムの構成要素

システムの構成要素を次の表に示します。

表2-3 仮想コマンドデバイスを使用してコピーペアを管理する場合のシステムの構成要素(オープン系システム)

システムの構成要素 システムの構成要素に含まれるソフトウェア 説明
管理クライアント Webブラウザー 管理クライアントは,ユーザーがWebブラウザーを使って,管理サーバ上で稼働するReplication ManagerのGUIを操作するコンピュータです。
管理サーバ Replication Manager
Device Managerサーバ
管理サーバは,管理クライアントからの要求に対して管理情報を提供します。Replication Managerとその前提プログラムであるDevice Managerサーバは,管理サーバにインストールします。
管理サーバには,Application Agentをインストールしないでください。
Device Managerのシステム構成については,マニュアル「Hitachi Command Suite システム構成ガイド」を参照してください。
ペア管理サーバ RAID Manager
Device Managerエージェント
ペア管理サーバは,コピーペアの状態やリモートコピーの性能情報などの管理情報を収集します。RAID ManagerとDevice Managerエージェントはペア管理サーバにインストールします。
管理サーバとペア管理サーバで,互いのホスト名からIPアドレスを特定できることを確認してください。サイト間でアドレスを変換するように設定されていると(プライベートアドレスやNATなど),Replication ManagerはほかのサイトのDevice Managerエージェントに正しく接続できない場合があります。
ペア管理サーバが複数のNICを搭載している場合,RAID ManagerとDevice Managerエージェントは同じIPアドレスを利用する必要があります。
RAID ManagerとDevice Managerエージェントのインストールによって,Replication Managerからコピーペアを操作できます。
ペア管理サーバはUDP経由でSVP,CTL1/CTL2または仮想コマンドデバイスサーバに接続されている必要があります。
仮想コマンドデバイスサーバ RAID Manager
Device Managerエージェント(任意)
仮想コマンドデバイスサーバは,RAID Managerの中継インスタンスが動作するサーバです。RAID Managerは仮想コマンドデバイスサーバにインストールします。
仮想コマンドデバイスサーバは,操作対象のストレージシステムのコマンドデバイスを認識する必要があります。
仮想コマンドデバイスサーバをペア管理サーバとして使用する場合はDevice Managerエージェントをインストールする必要があります。
SVPまたはCTL1/CTL2を仮想コマンドデバイスとして使用する場合,仮想コマンドデバイスサーバを用意する必要はありません。
ホスト Device Managerエージェント(任意) 通常,ホストとはアプリケーションプログラムがインストールされるコンピュータです。ホストはストレージシステムを外部記憶装置として使用します。
コピーペアを管理する場合,ホストから正ボリュームおよび副ボリュームがそれぞれ認識されている必要があります。正ボリュームと副ボリュームは,別々のホストに割り当てることをお勧めします。
Device Managerエージェントをインストールするかどうかは任意です。ホストにDevice Managerエージェントをインストールすると,そのホストに関する情報(IPアドレスやマウントポイントなど)をReplication Managerから参照できます。
ストレージシステム マイクロコード
必要に応じて,製品(Universal ReplicatorまたはShadowImageなど)のライセンスを登録してください。
ストレージシステムとは,ホストに接続された外部記憶装置です。
SVPまたはCTL1/CTL2を仮想コマンドデバイスとして使用する場合,コマンドデバイスを用意する必要はありません。

(3) システムの構成要素に含まれるソフトウェア

システムの構成要素に含まれるソフトウェアを次の表に示します。

表2-4 仮想コマンドデバイスを使用したコピーペアの管理に必要なソフトウェアの概要(オープン系システム)

ソフトウェア 説明
Replication Manager 大規模なシステム構成でストレージシステムのボリュームの複製を一元管理するために使用します。
Replication Managerには,Hitachi Command Suite製品で共用する機能を集めたHitachi Command Suite共通コンポーネントが含まれています。共通コンポーネントはHitachi Command Suite製品の構成要素としてインストールされ,インストール中に最新バージョンにアップグレードされます。
Device Managerサーバ ストレージシステムのリソースおよびハードウェア構成の統合管理に使用します。複数のストレージシステムで構成されたシステムの運用と管理ができます。
Replication Managerが稼働している管理サーバ上にあるDevice ManagerサーバをローカルDevice Managerと呼びます。Replication Managerが稼働している管理サーバ以外で動作しているDevice ManagerサーバをリモートDevice Managerと呼びます。プライマリーサイトで稼働しているDevice Managerサーバでも,運用している Replication Managerと同じ管理サーバ上になければリモートDevice Managerとなります。
Replication Managerは,Device Managerサーバが管理するストレージシステムのボリュームに対して,コピーペア操作などを実行します。Device Managerサーバについては,マニュアル「Hitachi Command Suite システム構成ガイド」を参照してください。
Device Managerエージェント Replication Managerからの要求に応じてコピーペア操作の実行をRAID Managerに指示したり,Device Managerサーバにホスト情報を提供したりします。仮想コマンドデバイスを使用してコピーペアを管理する場合,ペア管理サーバにはバージョン7.1以降のDevice Managerエージェントをインストールする必要があります。Device Managerエージェントについては,マニュアル「Hitachi Command Suite システム構成ガイド」を参照してください。
RAID Manager ホストからストレージシステムへコマンドを発行することでボリューム複製機能(TrueCopyまたはShadowImageなど)を制御するソフトウェアです。ストレージシステムに応じたバージョンのRAID Mangerを使用してください。
Replication ManagerはRAID Managerの構成定義ファイルを使用して,コピーペア構成を変更したり,構成情報を取得したりします。RAID Managerについては,RAID Managerのマニュアルを参照してください。
Replication Managerは,Device Managerエージェントを介してRAID Managerの構成定義ファイルを使用します。詳細については,マニュアル「Hitachi Command Suite システム構成ガイド」を参照してください。

(4) 仮想コマンドデバイスを使用してコピーペアを管理する場合の要件

仮想コマンドデバイスを使用してコピーペアを管理する場合の要件を次に示します。

仮想コマンドデバイスサーバ上の構成定義ファイルにHORCM_ALLOW_INSTパラメーターを設定する場合,次の条件を満たす必要があります。

注※
  • Device Managerエージェントのバージョンが8.0.1より前の場合
    agent.rm.horcmInstanceに設定しているインスタンス番号を使用します。デフォルト値は4094です。
  • Device Managerエージェントのバージョンが8.0.1の場合
    • RAID Managerのバージョンが01-32-03/xxより前
      agent.rm.horcmInstanceに設定しているインスタンス番号を使用します。デフォルト値は4094です。
    • RAID Managerのバージョンが01-32-03/xx以降
      agent.rm.horcmInstanceに設定しているインスタンス番号,および1つ前の値を使用します。デフォルト値は4094および4093です。
  • Device Managerエージェントのバージョンが8.1.0の場合
    • RAID Managerのバージョンが01-32-03/xxより前
      agent.rm.horcmInstanceに設定しているインスタンス番号,および1つ前の値を使用します。デフォルト値は4094および4093です。
    • RAID Managerのバージョンが01-32-03/xx以降
      agent.rm.horcmInstanceに設定しているインスタンス番号(デフォルト値:2047)から,agent.rm.horcmRangeに設定した値(デフォルト値:100)-1を引いた値までのインスタンス番号をすべて使用します。デフォルトでは,1948~2047の範囲です。なお,拒否したいインスタンス番号は設定する必要はありません。
    監視用HORCMファイルのインスタンス番号については,マニュアル「Hitachi Command Suite システム構成ガイド」を参照してください。
重要
次の場合,運用を開始する前にバージョン01-25-03/01以降のRAID Managerでユーザー認証を完了している必要があります。
  • VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,Virtual Storage PlatformまたはHUS VMの場合は,仮想コマンドデバイスとしてSVPを使用している。
  • VSP Gx00モデルまたはVSP Fx00モデルの場合は,仮想コマンドデバイスとしてCTL1/CTL2を使用している。
  • コマンドデバイスのユーザー認証設定が「有効」になっている。
重要
次の条件を満たしている場合,自動でユーザー認証が実行されます。
  • Device Managerエージェントのバージョンが8.0.1以降である。
  • Device ManagerサーバとDevice Managerエージェントの間にSSL通信が設定されている。
自動でユーザー認証が実行される条件を満たしていない場合,次の手順に従って手動でユーザー認証を実施してください。
  1. ペア管理サーバがWindowsの場合,Device Managerエージェントのサービス実行アカウントをAdministrator権限を持つアカウントに変更する。
  2. ペア管理サーバがWindowsの場合,Device Managerエージェントのサービス実行アカウントでOSにログインする。Linuxの場合,rootでOSにログインする。
  3. RAID Managerのコマンド(raidcom -login)を実行する。
重要
仮想コマンドデバイスの機能を使用して,VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,Virtual Storage Platform,Universal Storage Platform V/VM,Hitachi USP,VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデルまたはHUS VMのうち,どれかのストレージシステムのジャーナルボリューム使用率またはプールボリューム使用率を監視する場合,次のどちらかを満たしている必要があります。
  • ストレージシステムのコマンドデバイスに接続されている,ホストまたは仮想コマンドデバイスサーバがReplication Managerに認識されている。
  • デバイスグループを管理するシステム構成である。
重要
仮想コマンドデバイスを使用した構成で,運用中にストレージシステムの増設などに伴い,次に示す方法で構成を変更する場合,ペア管理サーバですでに管理されているストレージシステムに対して,Device Managerでストレージシステム情報を更新する必要があります。
  • 構成定義ファイルの新規追加
  • 既存の構成定義ファイルでのストレージシステム構成の変更
構成定義ファイルの追加または変更によって,新たに追加したストレージシステムの情報を更新しても,構成情報は更新されません。
参考
仮想コマンドデバイスを使用した構成でコピーペアを管理する場合,物理コマンドデバイスを使用した構成でコピーペアを管理する場合に比べて,RAID Managerのコマンドの応答時間が増加します。その結果,Device Managerエージェントで処理がエラー終了するおそれがあるため,次に示すプロパティの値を事前に変更しておくことをお勧めします。
  • Device Managerエージェントのプロパティ
    • server.propertiesファイルのserver.agent.rm.moduleTimeOutプロパティの値を1800以上に設定してください。
    • agent.propertiesファイルのagent.rm.TimeOutプロパティの値を1800以上に設定してください。
    プロパティの値を変更したあとは,Device Managerエージェントを再起動してください。プロパティファイルの編集方法,およびDevice Managerエージェントの再起動方法については,マニュアル「Hitachi Command Suite システム構成ガイド」を参照してください。
  • Replication Managerのプロパティ
    • agentif.propertiesファイルのhdvmagtif.MaxPollingCountプロパティの値を100に設定してください。
    • agentif.propertiesファイルのhdvmagtif.PollingIntervalプロパティの値を60以上に設定してください。
    プロパティの値を変更したあとは,Replication Managerを再起動してください。プロパティファイルの編集方法,およびReplication Managerの再起動方法については,「4.2 Replication Managerの起動と停止」および「4.3 プロパティファイルの設定の変更」を参照してください。

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