Tuning Manager ユーザーズガイド
複合レポートの注意事項を次に示します。
- この項の構成
- (1) グラフ種類,グラフオプションに関する注意事項
- (2) グラフの描画順に関する注意事項
- (3) グラフの横軸(X軸),縦軸(Y軸)に関する注意事項
- (4) レポートのフィールド数に関する注意事項
- (5) 系列グループの設定に関する注意事項
- (6) レポートの対象期間に関する注意事項
- (7) ベースライン表示期間
- (8) PDレコードタイプのレコードを表示する場合の注意事項
- 「3Dで表示する」のグラフオプションは,常に設定できますが,「集合縦棒/積み上げ縦棒」以外のグラフ種類では無視されます。また,3Dで表示する場合は次の条件を満たすようにしてください。
上記条件を満たしていない場合,3Dで表示すると正しく描画されないことがあります。
- 表示対象の系列グループが1系列,または2系列で「Y軸の表示位置」が左右に振り分けられていること。
- 表示対象の系列グループの「グラフ種類」が次の組み合わせであること。
・「集合縦棒/積み上げ縦棒」の1系列だけ
・「集合縦棒/積み上げ縦棒」と「折れ線」の2系列
・「集合縦棒/積み上げ縦棒」と「面/積み上げ面」の2系列- 「グリッドを表示する」のグラフオプションは常に設定できますが,最前面のグラフに対してだけ有効です。
複合レポートのグラフは次の順序で描画されます。
- 系列グループ1から順番に描画し,以降の系列グループが上書き描画します。
- 系列グループ内では,系列グループに登録されている登録レポート順に描画し,以降の登録レポートが上書き描画していきます。
- 登録レポート内では,登録レポート内のフィールド順に描画し,以降のフィールドが上書き描画していきます。
グラフの描画順のイメージを次の図に示します。
複合ブックマークの定義では,1.および2.は複合ブックマークの編集時に「系列グループの設定」で描画順序を決定できるため,描画されたグラフが隠れないように設定してください。また,3.についてはレポート定義画面で設定できます。
ただし,「3D集合縦棒/3D積み上げ縦棒」のグラフを含む系列グループと,「折れ線」のグラフを含む系列グループは,系列グループの順序に関係なくどちらかが最前面に表示されます。どちらを最前面に表示するかは,初期設定ファイル(config.xml)のforegroundCombinationGraphで指定します。
foregroundCombinationGraphの指定内容に応じたグラフの描画順序を次の表に示します。
表6-6 foregroundCombinationGraphの指定内容に応じたグラフの描画順序
foregroundCombinationGraphの指定値 描画順序 3DBAR(デフォルト) 前面側から背面側に向かって,次に示す順序で表示されます。
- 3D集合縦棒/3D積み上げ縦棒
- 折れ線
- 集合縦棒/積み上げ縦棒/面/積み上げ面
LINE 前面側から背面側に向かって,次に示す順序で表示されます。
- 折れ線
- 3D集合縦棒/3D積み上げ縦棒
- 集合縦棒/積み上げ縦棒/面/積み上げ面
初期設定ファイル(config.xml)の設定の詳細については,マニュアル「Hitachi Command Suite Tuning Manager 運用管理ガイド」の,Performance Reporterの初期設定について説明している個所を参照してください。
- 複合レポート全体での共通設定はできません。
複合レポートのY軸は,系列グループごとに自動スケール調整(実データの最大・最小に調整)と,手動スケール調整(最大値,最小値指定)ができます。また,その軸ラベルの表示位置も左側,右側から任意に選択できます。- 複合レポートのX軸は1つの時系列固定です。
対象期間の範囲や収集間隔が異なる場合は,欠損値と見なしてデータ補正されるので,描画が崩れることがあります。また,PDレコードは収集間隔が秒単位となるため,時系列が同一になりません。PDレコードの場合は,折れ線グラフで描画することを推奨します。- 複合レポートのY軸目盛の表示順序は,グラフの描画順序に準じます。
複合レポートに含まれる系列グループのうち,最前面に描画される系列グループのY軸目盛が最も内側(グラフに近い側)に描画されます。次いで背面に描画される系列グループのY軸目盛から,順番にその外側に描画されていきます。
- 複合レポートでは,レポート内のフィールド数は制限していませんが,フィールド数が多い場合,グラフや凡例が一部またはすべて見えなくなることがあります。その場合,グラフ倍率を上げて表示するか,次の方法で,表示するフィールド数を制限してください(20個程度推奨)。
また,次の環境を超えると,グラフや凡例が一部またはすべて見えなくなったり,グラフが凡例の横に表示されたりする場合があります。
- 複合ブックマークの編集画面で表示するレポートを減らす。
- 個々のレポート定義の編集画面でフィールドを減らし登録レポートを作成し直す。
- 個々のレポート定義の編集画面でフィルター条件を加えて登録レポートを作成し直す。
- 個々のレポート定義の編集画面でフィールドの表示名をデフォルトのフィールド名より短く設定し,登録レポートを作成し直す。
- 倍率100%:凡例20行程度
- 倍率200%:凡例30行程度
- 倍率400%:凡例50行程度
- 倍率600%:凡例50行程度
- 倍率800%:凡例70行程度
- 複合レポートでは,凡例の文字数が多い場合,凡例の一部が見えなくなることがあります。その場合,グラフ倍率を上げて表示するか,次の方法で,凡例の文字数を制限してください。
次の環境を超えると,凡例の一部が見えなくなる場合があります。
- レポート名を短くし登録レポートを作成し直す。
- 個々のレポート定義の編集画面で,フィールドの表示名をデフォルトのフィールド名より短く設定し,登録レポートを作成し直す。
- バインドするエージェント数を減らし登録レポートを作成し直す。
- 倍率100%:全角50文字程度,半角80文字程度
- 倍率200%:全角80文字程度,半角120文字程度
- 倍率400%:全角110文字程度,半角160文字程度
- 倍率600%:全角140文字程度,半角200文字程度
- 倍率800%:全角160文字程度,半角230文字程度
- 系列グループには必ず1つ以上の登録レポートを設定してください。すべての系列グループに対して登録レポートが一つも設定されていないと,グラフは表示されません。また,ベースラインだけが設定されている場合もグラフは表示されません。
- 複合レポートでは,系列グループ名に設定した文字が多い場合,系列グループ名と凡例の文字が重なる場合があります。この場合,グラフの倍率を上げて表示するか,系列グループ名の文字数を短くしてください。
例えば,系列グループ名の文字数が全角25文字程度または半角30文字程度で,凡例の行数が10行程度のグラフの場合,グラフの倍率が100%のときには文字が重なることがあります。この場合,グラフの倍率を200%以上にして表示すると文字は重なりません。
レポートの対象期間を「過去~以内(1時間等)」に設定した場合は,[レポート]画面で「最新情報に更新」を選択すると,現在日時から設定した対象期間でレポートが更新されます。ただし,ベースライン開始日時は変わりません。
対象期間を「レポートの表示時に指定」に設定した場合は,[レポート]画面で「最新情報に更新」を選択しても,設定したレポートの開始/終了日時,およびベースライン開始日時は変わりません。
- ベースライン表示期間の設定「開始日時」は,複合レポート起動時の現在日時から,レポート表示期間の設定「対象期間/レポート間隔」に合わせて自動的に決定されます。レポート表示期間の設定「対象期間/レポート間隔」を変更した場合は,レポート表示期間の設定「開始日時」に再設定されます。
- [レポート]画面で「最新情報に更新」を実行すると,「対象期間」の設定によって,レポート表示期間の設定「開始日時/終了日時」は変更されることがありますが,ベースライン表示期間の設定「開始日時」は変更されません。
- 複合レポートのグラフの始点・終点は,ベースライン表示期間の設定「開始日時」やベースラインのデータが変更されても影響しません。ただし,同時に表示される登録レポートのデータが1つ(始点と終点が同一となるデータ)である場合は,グラフの始点・終点がベースラインとして収集された範囲になることがあります。また,実際のグラフの表示期間は,レポート表示期間の設定「開始日時/終了日時」の範囲内で実在するデータに従い,始点・終点が決定されます。
- ベースライン表示期間の設定「開始日時」は,ベースラインごとに動作します。複数のフィールドを持ち,かつ各フィールドの開始日時が異なるデータが保持されたベースラインの場合は,ベースライン表示期間の設定「開始日時」に従って,時系列データの最も過去のフィールドデータを始点にして描画されます。それ以外のフィールドの開始日時は,ベースラインが保存されたときのデータを始点にして描画されます。
- 複数のフィールドの開始日時が異なるデータをベースラインとして登録した場合は,ベースライン表示期間の設定「開始日時」に従って,時系列データの最も過去のフィールドデータを始点にして描画されます。このとき,各フィールドの相対的な開始位置は保たれて描画されます。
(8) PDレコードタイプのレコードを表示する場合の注意事項
Tuning Manager server v7.3以降で,PDレコードタイプのレコードを複合レポートの集合縦棒または積み上げ縦棒グラフで表示させる場合,次の現象が発生することがあります。
- レコードの収集間隔にずれが生じた場合に,縦棒の幅が狭く表示される。
- レコードの収集間隔によっては,Tuning Manager server v7.2.1以前と縦棒の表示位置が異なることがある。
このため,Tuning Manager server v7.3以降で,PDレコードタイプのレコードを複合レポートで表示させる場合は,折れ線グラフにすることをお勧めします。
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