Tuning Manager ユーザーズガイド
Tuning Managerシリーズとは,SANを含むネットワーク環境を一元的に管理するための情報を提供する製品群の総称です。ネットワーク全体を監視し,ストレージシステムなどの性能情報,容量情報および構成情報を収集します。Tuning Managerシリーズを利用することで,ネットワークの管理作業を簡素化できます。Tuning Manager serverは,エージェントが定期的に収集した性能情報と容量情報を基に現在の性能,容量の利用率を示すとともに,過去の傾向,および将来の傾向をユーザーに示します。また,収集する性能情報,容量情報などに対してしきい値を設定することで,そのしきい値を超過したときにシステム管理者などに通知できます。
Tuning Manager serverは,これまで推測で行ってきた将来の設備拡大や予算計画などの意思決定に必要な情報や,より効率のよいストレージシステムの運用を提供します。ユーザーは,Tuning Manager serverのレポート,チャート,およびそのほかのメトリックを使用すれば,次のようなことができます。
- 危険な推測ではなく,実際のデータに基づいた決定ができます。
- ネットワーク上のすべてのストレージシステムおよびその現在の性能,容量,利用率を識別できます。
- ネットワーク全体およびそのサブネットワークにどのような種類のサーバが幾つあるか,またどのストレージシステムを消費しているかが判断できます。
- どのストレージシステムの利用率が低過ぎるか高過ぎるか,あるいは割り当て率が低過ぎるか高過ぎるかが判断できます。
- ファイルシステムの総容量,使用量,残量を数値で確認できます。
- しきい値の超過を検出するアラート機能またはアラームを契機にシステムの稼働状況を確認して,容量不足を防止したり,性能ボトルネックを発見したりできます。
- ホストおよびデータベースアプリケーションからパリティグループまでのパスにある全コンポーネントの性能を監視しレポートとして報告することで,アプリケーション応答時間の問題の根本的な原因を切り分けられます。
- ストレージシステムを増設する時期を決定できます。
- ホストのファイルシステム,論理デバイス,および対応するストレージシステムとの関係を把握できます。
- ホストのファイルシステムに関連するストレージシステムのRAID構成が把握できます。
Tuning Managerシリーズは,SANに接続されたサーバにインストールされたOSやデータベース(Oracleなど),ストレージシステムなどからパフォーマンスデータを収集します。Tuning Manager serverを使用すれば,収集したパフォーマンスデータを次に説明するように表示でき,SAN環境での各リソースの性能と構成が簡単に管理できます。
- ファイルシステムやデータベースなどのホスト情報とポート,ストレージシステムの情報とを関連づけ,これらをまとめて表示します(「図1-1 ホスト情報とポート,ストレージシステムの情報の関連づけ」)。
- 性能と容量の概要情報およびMain Consoleから作成したレポートをリソースごとに表示します(「図1-2 Tuning Manager serverのリソースツリー図(ストレージシステムが選択された状態)」)。
- データストアや仮想マシンなど仮想環境の情報と,ストレージシステムの情報とを関連づけ,これらを表示します。
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