Hitachi Command Suite メッセージ
ここでは,メッセージKAVX5105-Wが出力される原因と,その対処方法を説明します。
TrueCopyまたはUniversal Replicatorでバックアップしたデータをリストアする場合,Replication Manager Application Agentは,正ボリュームと副ボリュームの反転によるペア再同期を利用して副ボリュームからリストアします。
Replication Manager Application Agentは,次の手順でTrueCopyまたはUniversal Replicatorでバックアップしたデータをリストアします。
- 最初の正ボリュームと副ボリュームの反転によってペア再同期を完了させます。
- ファイルサーバまたはデータベースサーバに接続したボリュームに対してデータをリストアします。
- 副ボリュームと正ボリュームを再度反転し元の状態に戻します。
しかし,リストア処理中にエラーが発生した場合,これらのペア操作手順が中断されることがあります。
KAVX5105-Wのメッセージが出力された場合,最後の副ボリュームと正ボリュームの再反転に失敗し,ファイルサーバまたはデータベースサーバに接続されたボリュームが副ボリュームとなったままの状態でリストア処理が終了しています。ファイルサーバやデータベースサーバに接続されたボリュームに対してのリストアが完了しているため,本来の正ボリュームが副ボリュームとなった状態で,ファイルサーバやデータベースサーバでボリュームを使用した運用を開始できてしまいます。
しかし,このままの状態で運用を開始すると,このコピーグループに対してバックアップコマンドなどReplication Manager Application Agentのコマンドを実行できません。
まずは,RAID Managerのログ情報を参照して,最後の正ボリュームと副ボリュームの反転が失敗した原因を確認し,その原因を除去してください。そのあと,次の手順で,ボリュームの状態を回復してください。
正ボリュームと副ボリュームの反転に失敗した状態から回復するには:
- 正ボリューム,副ボリュームの両方を管理するRAID Managerインスタンスが起動していることを確認します。
- ファイルサーバまたはデータベースサーバに接続されたボリュームを管理するRAID ManagerインスタンスおよびTrueCopyまたはUniversal Replicatorのペアボリュームを操作するための環境変数を設定します。
この例では,RAID Managerを管理するインスタンスを「HORCMINST=0」とします。また,TrueCopyまたはUniversal Replicatorのペアボリュームを操作するための環境変数は,「HORCC_MRCF=」と設定します。PROMPT> set HORCMINST=0PROMPT> set HORCC_MRCF=- リストア対象となったコピーグループを確認します。
この例では,バックアップID「0000000001」がリストア対象となっています。PROMPT > drmsqlcat default -backup_id 0000000001 INSTANCE: default BACKUP-ID: 0000000001 BACKUP-MODE: ONLINE INSTANCE: default ORIGINAL-ID: 0000000001 START-TIME: 2002/06/01 10:00:00 END-TIME: 2002/06/01 10:03:00 HOSTNAME: SQL1 T DB OBJECT FILE FS DG DEVICE COPY-GROUP M DB1 METAFILE C:\METADIR\Meta1 C: - - - D DB1 DATAFILE D:\SQL\data1 D: - Harddisk1 TC01,dev01 - - - - - - - TC01,dev01 PROMPT>- コピーグループのペア状態を確認します。
正ボリュームが「PSUS」状態,副ボリュームが「SSWS」状態であることを確認します。この例では,コピーグループを「TC01,dev01」とします。PROMPT > pairdisplay -g TC01 -d dev01 -fc- コピーグループに対して副ボリュームと正ボリュームを反転するペア再同期を行い,「PAIR」状態になるまで待ちます。
PROMPT> pairresync -g TC01 -d dev01 -swapsPROMPT> pairevtwait -g TC01 -d dev01 -s pair -t 300- コピーグループのペア状態を確認します。
正ボリュームおよび副ボリュームが「PAIR」状態であることを確認します。PROMPT> pairdisplay -g TC01 -d dev01 -fc- コピーグループをペア分割し,「PSUS」状態になるまで待ちます。
PROMPT> pairsplit -g TC01 -d dev01 -rwPROMPT> pairevtwait -g TC01 -d dev01 -s psus -t 300PROMPT> pairdisplay -g TC01 -d dev01 -fc- コピーグループのペア状態を確認します。
正ボリュームが「PSUS」状態,副ボリュームが「SSUS」状態であることを確認します。PROMPT>pairdisplay -g TC01 -d dev01 -fc
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