Hitachi Command Suite CLI リファレンスガイド

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4.6.7 ModifyReplication

ModifyReplicationコマンドは,コピーペアの状態を変更します。

重要
  • このコマンドは,Hitachi SMSでは使用できません。
  • 構成定義ファイルに定義されたThin Imageのコピーペアに対する操作はできません。
  • SnapshotGroupインスタンスのcascadable属性が1のスナップショットグループのThin Imageのコピーペアに対する操作はできません(ReplicationInfoインスタンスのsnapshotMode属性がcascadeおよびcloneのThin Imageのコピーペアは変更できません)。
  • Thin Imageの場合,Device Manager CLIでは,コンシステンシーグループに対する操作はできません。
  • Power Savingを有効にしているHUS100またはHitachi AMS2000/AMS/WMSでコピーペアを変更する場合,スピンダウン状態のパリティグループに属するLUを選択すると,コピーペアの変更が失敗することがあります。コピーペアを変更する場合は,操作対象のLUが属するパリティグループを,スピンアップ状態にしてから実行してください。パリティグループの状態を確認する場合,パリティグループをスピンアップ状態にする場合は,Storage Navigator ModularまたはStorage Navigator Modular 2を使用してください。
  • コピーグループの特定のコピーペアを操作するには,パラメーターpvolserialnumpvoldevnumsvolserialnum(もしくはsvolsequencenum),およびsvoldevnumをすべて指定する必要があります。これらすべてのパラメーターを省略した場合,コピーグループ内のすべてのコピーペアが変更されます。
  • Thin Imageの場合,次の注意が必要です。
    hostidまたはhostnameを指定する必要があります。
    スナップショットグループから特定のコピーペアを操作するには,パラメーターpvolarraytypepvolserialnumpvoldevnumsvolserialnumsvoldevnum,およびsnapshotgroupid(もしくはsnapshotgroupname)を指定する必要があります。
    スナップショットグループ内のすべてのコピーペアを操作するには,パラメーターpvolarraytypepvolserialnum,およびsnapshotgroupid(もしくはsnapshotgroupname)を指定する必要があります。

パラメーター

表4-132 ModifyReplicationコマンドのパラメーター

パラメーター名 指定のレベル 説明
replicationgroupid 任意 コピーグループの番号
Thin Imageの場合は指定する必要はありません。
operation 必須 次のどれかの値を指定します。
  • split
    コピーペアを分割します。
  • resync
    コピーペアをP-VOLからS-VOLに再同期します。
  • resync;ctg
    global-active deviceの場合,コンシステンシーグループIDが設定されていないコピーペアにIDを設定し,コピーペアをP-VOLからS-VOLに再同期します。resync;ctgを指定した場合,パラメーターctgidも必ず指定します。
  • restore
    コピーペアをS-VOLからP-VOLに再同期します。
TrueCopy Sync,TrueCopy Async,Universal Replicator,およびglobal-active deviceの場合,パラメーター値にrestoreを指定できません。
Copy-on-Write SnapshotまたはThin Imageのコピーペアを再同期した場合,コピーペアは再同期後に分割されます。そのため,ペアボリュームの状態はPAIRになったあとPSUSになります。
global-active deviceの場合の指定条件
  • split:コピーペアの状態がPairであること
  • resync:次の2つの条件をすべて満たしていること
    • コピーペアの状態がSplitまたはError
    • P-VOLのI/OモードがLocalまたはS-VOLのI/OモードがLocal
  • resync;ctg:次の2つの条件をすべて満たしていること
    • コピーペアの状態がSplitまたはError
    • P-VOLのI/OモードがLocalまたはS-VOLのI/OモードがLocal
注※
  • コンシステンシーグループIDが設定されたコピーペアを含むコピーグループに対してsplitまたはresyncを指定する場合,コピーグループ内でコンシステンシーグループIDが付与されているすべてのコピーペアが「global-active deviceの場合の指定条件」を満たしている必要があります。
  • コピーグループに対してresync;ctgを指定する場合,コピーグループ内のすべてのコピーペアが「global-active deviceの場合の指定条件」を満たしている必要があります。
pvolarraytype 任意 P-VOLを含むストレージシステムのタイプ
Thin Imageの場合には必ず指定してください。Thin Image以外の場合は指定する必要はありません。
pvolserialnum 任意 P-VOLを含むストレージシステムのシリアル番号
Thin Imageの場合には必ず指定してください。
pvoldevnum 任意 P-VOLのデバイス番号

VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデル,Virtual Storage Platform,Universal Storage Platform V/VM,およびHUS VMの場合:
10進数,またはコロンで区切った16進数「ww:xx:yy」で指定します。wwはLDKC番号,xxはCU番号,yyはLDEV番号です。ここで,wwは省略できます。wwを省略した場合,LDKC番号は0と見なされます。

Hitachi USPの場合:
10進数,またはコロンで区切った16進数「xx:yy」で指定します。xxはCU番号,yyはLDEV番号です。

そのほかのストレージシステムの場合:
10進数で指定します。
実行結果は10進数で出力されます。
svolserialnum 任意 S-VOLを含むストレージシステムのシリアル番号
このパラメーターを指定する場合,パラメーターsvolsequencenumは指定しないでください。同時に指定するとエラーとなります。
svolsequencenum 任意 S-VOLを含むストレージシステムのシーケンス番号
このパラメーターを指定する場合,パラメーターsvolserialnumは指定しないでください。同時に指定するとエラーとなります。
svoldevnum 任意 S-VOLのデバイス番号

VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,VSP Gx00モデル,VSP Fx00モデル,Virtual Storage Platform,Universal Storage Platform V/VM,およびHUS VMの場合:
10進数,またはコロンで区切った16進数「ww:xx:yy」で指定します。wwはLDKC番号,xxはCU番号,yyはLDEV番号です。ここで,wwは省略できます。wwを省略した場合,LDKC番号は0と見なされます。

Hitachi USPの場合:
10進数,またはコロンで区切った16進数「xx:yy」で指定します。xxはCU番号,yyはLDEV番号です。

そのほかのストレージシステムの場合:
10進数で指定します。
実行結果は10進数で出力されます。
copytracksize 任意 コピーペース
指定できる値は115までの整数です。
特定のコピーペアのコピーペースを変更する場合は,パラメーターpvolserialnumpvoldevnumsvolserialnumsvoldevnumも指定してください。すべてのコピーペアのコピーペースを一括で変更する場合は,これらのパラメーターは省略してください。
operationパラメーターでsplitまたはresyncを指定した場合,このパラメーターは無視されます。
コピーペアで実行される操作のタイプがCopy-on-Write Snapshot,Thin Image,またはUniversal Replicatorの場合,このパラメーターは無視されます。
hostid 任意 操作対象ホストのID
このパラメーターは,Thin Imageの場合だけ指定できます。
hostidまたはhostnameのどちらか一方を指定してください。
hostname 任意 操作対象ホストの名前
このパラメーターは,Thin Imageの場合だけ指定できます。
hostidまたはhostnameのどちらか一方を指定してください。パラメーターhostidを指定している場合,このパラメーターは無視されます。
snapshotgroupid 任意 スナップショットグループのID
このパラメーターは,Thin Imageの場合だけ指定できます。
snapshotgroupidまたはsnapshotgroupnameのどちらか一方を指定してください。
snapshotgroupname 任意 スナップショットグループ名
このパラメーターは,Thin Imageの場合だけ指定できます。
パラメーターsnapshotgroupidを指定している場合,このパラメーターは無視されます。
ctgid 任意
(VSP 5000シリーズ
VSP G1000
VSP G1500
VSP F1500
VSP Gx00モデル
VSP Fx00モデル)
コンシステンシーグループのID
global-active deviceの場合で,パラメーターoperationresync;ctgを指定したときは必ず指定します。
このパラメーターは,VSP 5000シリーズ,VSP G1000(マイクロコードのバージョンが80-02-2X-XX/XX以降),VSP G1500,VSP F1500,VSP Gx00モデル(マイクロコードのバージョンが83-03-0X-XX/XX以降),およびVSP Fx00モデル(マイクロコードのバージョンが83-04-02-XX/XX以降)の場合だけ指定できます。
  • VSP 5000シリーズ:01023
  • VSP G1000,G1500,VSP F1500:0255
  • VSP G100,G200:015
  • VSP G150:0~31
  • VSP G400,G600,VSP F400,F600:063
  • VSP G350,G370,G700,G800,VSP F350,F370,F700,F800:0127
  • VSP G900,VSP F900:0255
ほかのコピーグループで,すでに使用されているコンシステンシーグループのIDは指定できません。また,コピーグループ内のコンシステンシーグループIDはすべて同じになるように指定してください。
すでに設定されているコンシステンシーグループのIDは変更できません。
同じコピーグループ内のほかのコピーペアにすでに設定されているコンシステンシーグループIDを指定する場合は,コピーペアを指定して,コマンドを実行してください。コピーグループ単位で操作することはできません。

事前に取得するパラメーター値

replicationgroupidpvolserialnumpvoldevnumsvolserialnum,およびsvoldevnum
GetHostコマンドの実行結果から取得してください。An instance of ReplicationGroupに表示されるreplicationGroupID値をパラメーターreplicationgroupidとして,An instance of ReplicationInfoに表示されるpvolSerialNumber値をパラメーターpvolserialnumとして指定してください。また,同様にpvolDevNum値をパラメーターdevnumとして,svolSerialNumber値をパラメーターsvolserialnumとして,svolDevNum値をパラメーターsvoldevnumとして指定してください。

svolsequencenum
S-VOLを含むストレージシステムについては,GetStorageArrayコマンドの実行結果から取得してください。An instance of StorageArrayに表示されるsequenceNumberの値をパラメーターsvolsequencenumとして指定してください。

pvolarraytype
GetHostコマンドの実行結果から取得してください。An instance of ReplicationInfoの下に表示されるpvolArrayTypeの値をパラメーターpvolarraytypeとして指定してください。

hostid
GetHostコマンドのパラメーターhostnameに,次のホスト名を指定して実行します。
  • 一括管理構成でコピーペアを管理している場合
    一括で管理しているホストを指定します。
    GetHostコマンドの実行結果には,An instance of Hostの配下にhostID値が表示されます。hostIDを,パラメーターhostidの値として指定してください。
  • 各ホストでコピーペアを管理している場合
    P-VOLを管理するRAID Manager(raidcomコマンド)がインストールされているホストを指定します。
    GetHostコマンドの実行結果には,An instance of Hostの配下にhostID値が表示されます。hostIDを,パラメーターhostidの値として指定してください。

snapshotgroupidおよびsnapshotgroupname
GetStorageArray (subtarget=SnapshotGroup)コマンドの実行結果から取得してください。このコマンドを実行するときには,パラメーターmodelとパラメーターserialnumだけを指定し,パラメーターsubtargetにはSnapshotGroupを指定してください。スナップショットグループに関する情報を指定したストレージシステムから取得できます。実行結果では,groupID値とgroupName値がAn instance of SnapshotGroupの下に表示されます。このgroupIDの値をパラメーターsnapshotgroupidとして指定してください。同様にgroupNameの値をパラメーターsnapshotgroupnameとして指定してください。

ctgid
GetStorageArray (subtarget=ReplicationInfo)コマンドの実行結果から取得してください。このコマンドを実行するときには,パラメーターmodelとパラメーターserialnumだけを指定し,パラメーターsubtargetにはReplicationInfoを指定してください。実行結果には,An instance of ReplicationInfo配下にctgID値が表示されます。ctgID値を,パラメーターctgidの値として指定してください。

コマンド実行例1

この例では,コピーグループ1に定義されているShadowImageのコピーペアの状態をサスペンド状態(split)に変更します。P-VOLおよびS-VOLは,同じストレージシステム(シリアル番号:53039)に属します。P-VOLのデバイス番号は1531,S-VOLのデバイス番号は1532です。

HiCommandCLI ModifyReplication -o "D:\logs\ModifyReplication.log" "replicationgroupid=1" "operation=split" "pvolserialnum=53039" "pvoldevnum=1531" "svolserialnum=53039" "svoldevnum=1532"

コマンド実行結果1

RESPONSE:
An instance of ReplicationGroup
  objectID=REPGROUP.1
  replicationGroupID=1
  groupName=HCMD-CG0000
  pvolHostID=11
  pvolInstanceNumber=152
  pvolPortNumber=4,000
  pvolHORCMMONHostName=10.197.151.93
  pvolHORCMINSTHostName=10.197.151.93
  svolHostID=11
  svolInstanceNumber=153
  svolPortNumber=4,001
  svolHORCMMONHostName=10.197.151.93
  svolHORCMINSTHostName=10.197.151.93
  replicationFunction=ShadowImage
  copyTrackSize=3
  List of 1 ReplicationInfo elements:
    An instance of ReplicationInfo
      objectID=REPINFO.53039.1531.53039.1532
      pairName=HCMD-CP0000
      pvolSerialNumber=53039
      pvolArrayType=R700
      pvolDevNum=1,531
      displayPvolDevNum=00:05:FB
      pvolPoolID=-1
      svolSerialNumber=53039
      svolArrayType=R700
      svolDevNum=1,532
      displaySvolDevNum=00:05:FC
      svolPoolID=-1
      replicationFunction=ShadowImage
      status=16
      muNumber=0
      copyTrackSize=3
      splitTime=-1
      remotePathGroupID=-1
      pvolMngAreaPoolID=-1
      svolMngAreaPoolID=-1
      snapshotGroupID=-1
      confPvolDevNum=-1
      confSvolDevNum=-1
      quorumDiskID=-1
      pvolIOMode=-1
      svolIOMode=-1
      ctgID=-1
      deltaStatus=-1

コマンド実行例2

この例では,スナップショットグループ(スナップショットグループ番号:12)に定義されているThin Image用のコピーペアの状態である,サスペンド状態(split)を変更します。P-VOLは,ストレージシステム(モデル:VSP,シリアル番号:10001)の論理デバイス(LDEV番号:20)です。S-VOLは,ストレージシステム(モデル:VSP,シリアル番号:10001)の論理デバイス(LDEV番号:21)です。

HiCommandCLI ModifyReplication -o "D:\logs\ModifyReplication.log" "hostid=5" "operation=split" "pvolarraytype=VSP" "pvolserialnum=10001" "pvoldevnum=20" "svolserialnum=10001" "svoldevnum=21" "snapshotgroupid=12"

コマンド実行結果2

RESPONSE:
An instance of Host
  objectID=HOST.5
  name=bs5205-2
  hostID=5
  ipAddress=10.197.76.123
  ipv6Address=fec0:0:0:7076:b036:e7e8:bdd9:9e34
  capacityInKB=408,103,872
  hostType=-1
  managedBy=2
  osType=Windows
  statusOfDBUpdating=0
  List of 1 SnapshotGroup elements:
    An instance of SnapshotGroup
      objectID=SNAPSHOTGROUP.R700.10001.12
      arrayType=R700
      serialNumber=10001
      groupID=12
      groupName=test12
      replicationFunction=ThinImage
      ctGrp=NotCTG
      numberOfPairs=-1
      numberOfVVols=-1
      cascadable=-1
      List of 1 ReplicationInfo elements:
        An instance of ReplicationInfo
          objectID=REPINFO.10001.20.10001.21
          pvolSerialNumber=10001
          pvolArrayType=R700
          pvolDevNum=20
          displayPvolDevNum=00:00:14
          pvolPoolID=1
          svolSerialNumber=10001
          svolArrayType=R700
          svolDevNum=21
          displaySvolDevNum=00:00:15
          svolPoolID=1
          replicationFunction=ThinImage
          status=16
          muNumber=6
          copyTrackSize=-1
          splitTime=-1
          remotePathGroupID=-1
          pvolMngAreaPoolID=-1
          svolMngAreaPoolID=-1
          snapshotGroupID=12
          confPvolSerialNumber=
          confPvolDevNum=-1
          confSvolSerialNumber=
          confSvolDevNum=-1
          quorumDiskID=-1
          pvolIOMode=-1
          svolIOMode=-1
          ctgID=-1
          deltaStatus=-1

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