Hitachi Command Suite ユーザーズガイド
Device ManagerおよびTiered Storage Managerを使用するために理解しておきたい用語の意味について解説します。
(英字)
- CLPR(Cache Logical Partition)
- ストレージシステム全体のキャッシュを論理的に分割して利用するための機能です。
- Copy-on-Write Snapshot
- 同じストレージシステム内にボリュームの複製を作成する機能です。複製を作成した時点からの正ボリュームの差分データ(スナップショット)をデータプールに記録します。正ボリュームの差分データの取得が完了してから書き込み完了のステータスになります。正ボリュームのデータと差分データを基に複製時点のデータを再現するため,副ボリュームは実体を持たない仮想ボリューム(V-VOL)となります。
- DEVN(Device Number)
- メインフレームでLDEVを使用する場合に設定する,LDEVを識別するための番号(デバイス番号)です。
- DPプール
- DPプールボリューム(実ボリューム)を登録する領域です。ホストからDPボリューム(仮想ボリューム)へ書き込みがあった際に,そのデータをDPプールボリュームへ格納します。Hitachi Dynamic Provisioning(HDP)とHitachi Dynamic Tiering(HDT)を区別する場合,このマニュアルでは,HDPプールまたはHDTプールと表記します。
- DPプールボリューム
- DPプールを構成する実ボリュームです。Hitachi Dynamic Provisioning(HDP)とHitachi Dynamic Tiering(HDT)を区別する場合,このマニュアルでは,HDP プールボリュームまたはHDTプールボリュームと表記します。
- DPボリューム
- DPプールから作成した(DPプールと関連づけた)仮想ボリュームです。Hitachi Dynamic Provisioning(HDP)とHitachi Dynamic Tiering(HDT)を区別する場合,このマニュアルでは,HDP ボリュームまたはHDTボリュームと表記します。
- DSD volume(Deduplication System Data volume)
- 重複排除機能(dedupe and compression)が有効なDPプールに作成される,システムデータ用のボリュームです。
- Externalポート
- Universal Volume Managerを使用してストレージシステムを外部接続する際に使用するポートです。
- File snapshots
- Hitachi Virtual File Platformで運用されているファイルシステムの差分スナップショットを管理するためのプログラムです。
- FMC(Flash Memory Compressed)
- フラッシュメモリーを用いた,データ圧縮機能をサポートした日立製のドライブ装置です。
- また,データ暗号化機能をサポートしたドライブ装置も含みます。
- FMD(Flash Module Drive)
- フラッシュメモリーを用いた日立製のドライブ装置です。
- global-active device
- ストレージシステム間でボリューム内のデータを同期的に複製する機能です。一方のストレージシステムの障害時でも,もう一方のボリュームに複製したデータで業務を継続できます。
- Hitachi Device Manager - Storage Navigator
- Device Managerのコンポーネントです。ストレージシステムがVSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,VSP Gx00モデルまたは VSP Fx00モデルの場合に,ストレージシステムの構成やリソースの設定をより詳細な条件で行うための機能を提供します。
- Hitachi Dynamic Provisioning(HDP)
- ホストに対して仮想的なボリュームを割り当て,データの書き込み要求に応じて必要な物理容量を使用する機能です。
- Hitachi Dynamic Tiering(HDT)
- Hitachi Dynamic Provisioning(HDP)の機能に加え,I/O 負荷に応じてデータを再配置する機能です。I/O負荷の高いデータ領域を高速なハードウェア階層へ,I/O負荷の低いデータ領域を低速なハードウェア階層へ配置します。ボリューム性能の有効活用とコストの低減を同時に図れます。
- iSCSIターゲット
- iSCSI接続の場合のストレージシステム側のノードです。
- iSCSIネーム
- iSCSI接続で,各ノードを識別するために付けられた固有の名前です。
- LDEV(Logical Device)
- 複数の物理ドライブを組み合わせて構成された,論理的なボリュームの単位です。
- LU(Logical Unit)
- ストレージシステム上の論理ユニットです。
- LUN(Logical Unit Number)
- ストレージシステム内のLUに付与される管理番号です。
- LUNパス
- ストレージシステムのボリュームからホストのWWNまたはiSCSIネームまでの経路です。
- LUSE(Logical Unit Size Expansion)
- LUを統合してボリューム容量を大きくする機能です。
- RAID Manager
- ホストからストレージシステム上のコマンドデバイスにコマンドを発行することで,コピー操作を実行する機能です。
- ShadowImage
- 同じストレージシステム内にボリュームの複製を作成する機能です。ボリューム内のすべてのデータを複製します。
- SLPR(Storage Logical Partition)
- ストレージシステム全体のボリュームを論理的に分割して利用するための機能です。ストレージ分割機能とも呼びます。
- SMI-S enabledストレージシステム
- SMI-Sプロバイダーに管理されているストレージシステムです。
- Thin Image
- 同じストレージシステム内にボリュームの複製を作成する機能です。複製を作成した時点からの正ボリュームの差分データ(スナップショット)をThin Imageプールと呼ばれるデータプールに記録します。ボリューム内のすべてのデータを複製することもできます。
- TrueCopy
- ストレージシステム間でボリュームの複製を作成する機能です。ボリューム内のすべてのデータを複製します。
- Universal Replicator
- ストレージシステム間で非同期に複数のボリュームの複製を作成する機能です。差分データをいったんジャーナルボリュームに蓄積してから,データを複製します。
- Universal Volume Manager(UVM)
- ストレージシステムを外部接続するためのソフトウェアです。SANで接続されたほかのストレージシステムのボリューム(外部ボリューム)を,内部ボリュームと同様に扱うことができます。
- WWN(World Wide Name)
- FCを接続するHBAの各ポートを識別するために付けられた固有の名前です。
- WWNニックネーム
- 操作対象のHBAを識別するため,HBAのWWNに設定する任意の名称です。
(ア行)
- エミュレーションタイプ
- ホストからアクセスできるボリュームの種類です。この属性によってLDEVのサイズが決まります。
(カ行)
- 階層
- ボリュームやDPプールを,利用目的,性能,信頼性などの観点でまとめたものです。階層ごとに性能情報を確認したりマイグレーションを実施したりします。
- 外部ストレージシステム
- Universal Volume Managerの外部ストレージ接続機能で接続されたストレージシステムです。
- 外部パス
- 外部ストレージ接続機能を持つストレージシステム(内部ストレージシステム)のストレージポートから,外部ストレージシステムのストレージポートまでの経路です。
- 外部ボリューム
- Universal Volume Managerの外部ストレージ接続機能で接続された外部ストレージシステムに実体を持つボリュームです。
- 仮想化サーバ
- 仮想化ソフトウェアがインストールされたホストです。仮想化サーバ上に作成された仮想環境は仮想マシンと呼びます。
- 仮想ボリューム
- ストレージシステムの機能で使われる,仮想のボリュームです。このマニュアルでは,次の2つを意味します。
- ・Copy-On-Write Snapshot,Thin ImageのV-VOL
- ・DPボリューム
- Thin ImageのV-VOLは,Thin Imageプールから作成したボリュームのほか,DPボリュームを指定して作成したThin ImageのS-VOLも含まれます。
- コピーペア
- ストレージシステムのボリューム複製機能によって関連づけられた,ボリュームのペアです。
- コマンドデバイス
- RAID Managerとの通信に使われる専用のLUです。
(サ行)
- システムドライブ
- NAS Platformが管理するストレージリソースの最小単位です。ストレージシステムのボリュームに相当します。このマニュアルでは,ボリュームとシステムドライブを区別する必要がない場合,総称してボリュームと表記します。
- 実ボリューム
- 物理容量を持つストレージシステムのボリュームです。このマニュアルでは,仮想ボリュームではないボリュームを意味します。
- シリアル番号
- ストレージシステムに割り当てられた装置識別番号です。
- ストレージプール
- NAS Platform内に作成される,システムドライブの集合体です。ファイルシステムはストレージプール上に作成されます。spanと呼ばれることもあります。
- 正ボリューム(P-VOL)
- コピー機能によって別ボリュームにコピーされる複製元のボリュームです。
(タ行)
- データマイグレーション
- ストレージシステムに格納しているデータを再配置することです。アプリケーションに影響を与えることなく,データを現在の格納場所からほかの格納場所へ移動します。
(ナ行)
- 内部ボリューム
- ストレージシステム内に実在する物理ボリュームから作られたボリュームです。Universal Volume Managerによって接続された外部ストレージシステムのボリューム(外部ボリューム)と区別するときに使用します。
(ハ行)
- ハードウェア階層
- ドライブタイプやドライブ回転数などの特性に応じて分類されたボリュームの集合です。Hitachi Dynamic Tiering(HDT)を使用する際に,HDTプール内に性能の異なるハードウェア階層を混在させることで,I/O負荷に応じた最適なHDTプールボリュームが自動で選択されます。
- パス
- ストレージシステム内のボリュームからホストグループまたはiSCSIターゲットまでの経路です。 このマニュアルでは,パス,外部パス,LUNパスなどを区別しないで「パス」と記載している場合があります。
- パリティグループ
- ストレージシステム内でRAIDを構成する物理ドライブの集まりです。
- 副ボリューム(S-VOL)
- コピー機能によって正ボリューム(P-VOL)をコピーする複製先のボリュームです。
- ポート
- ストレージシステムのチャネルアダプターまたはポートコントローラーのポートです。
- ホストグループ
- 指定されたボリュームへのI/Oを許可されたWWNのグループです。
- ボリューム
- データを格納するための記憶領域です。LDEVやLUのことを指します。
(ヤ行)
- ユーザーグループ
- 使用するリソース,およびそれに対する操作権限が同じユーザーをグルーピングしたものです。認可グループをユーザーグループとして利用することもできます。
(ラ行)
- リソースグループ
- ストレージシステム,パリティグループ,LDEV ID,ストレージポートなどの単位で,リソースをグルーピングしたものです。
- リソースプール
- VSP 5000シリーズ,VSP G1000,G1500,VSP F1500,VSP Gx00モデルおよび VSP Fx00モデルの仮想ストレージマシンのリソースのうち,個別のリソースグループに追加されていないリソースが属しているリソースグループです。リソースプールには,デフォルトの仮想ストレージマシンのリソースプールと,個別に作成した仮想ストレージマシンに自動で作成されるリソースプールの2種類があります。このうち,個別に作成した仮想ストレージマシンのリソースプールは,リソースグループの一覧で確認できます。
- 連結パリティグループ
- 複数のパリティグループを連結させた集合体です。連結パリティグループを利用すると,データのアクセス(特にシーケンシャルアクセス)に掛かる時間が短縮されます。
- ロール
- ユーザーグループ内のユーザーが,リソースグループ内のリソースに対して持つ操作権限です。
- 論理グループ
- ホストおよびボリュームをグルーピングしたものです。グループは階層化して管理できます。
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