Hitachi Command Suite ユーザーズガイド

[目次][索引][前へ][次へ]


1.1 Hitachi Command Suiteとは

Hitachi Command Suite(HCS)は,大規模かつ複雑なSAN環境下で,ストレージリソースの運用を支援するストレージ管理ソフトウェア群です。

ストレージ環境の構築から監視まで,機種に関係なく複数のストレージシステムを一括で管理します。統合されたインターフェースでストレージシステム全体の稼働状態を管理することで,ストレージ管理の負担を軽減できます。

HCSには次の製品があります。このマニュアルでは,Device ManagerおよびTiered Storage Managerについて説明しています。

Device Manager(ストレージハードウェア管理)

ストレージ管理のための基盤製品です。複数のストレージシステムにわたってリソースやハードウェア構成を一元的に管理します。ボリュームの作成や割り当てのようなストレージ操作やリソースの検索など,GUIを使用して管理業務に即した操作を実施したり,CLIを使用して業務にきめ細かく対応したバッチ処理を組んだりできます。

Tiered Storage Manager(階層ストレージリソース管理)

データの価値や利用頻度に応じたストレージリソースの階層管理を実施します。ユーザーの運用に沿った条件で階層を定義し,適切なストレージリソースへデータを移行します(ボリュームのマイグレーション)。外部ストレージシステムを利用することで,業務を継続したままマイグレーションを実施できます。

Replication Manager(ストレージレプリケーション管理)

ストレージネットワークに分散するボリュームのレプリケーション構成の稼働状況を一元的に管理します。システムのデータを保護したり復旧したりするための管理業務に掛かる負担を軽減し,目標復旧時点(RPO)と目標復旧時間(RTO)の最適化を支援します。スケジュールを組んでボリュームのバックアップを定期的に実行したり,世代管理したデータから任意の世代のデータをリストアしたりすることもできます。

Tuning Manager(ストレージシステム稼働管理)

ストレージネットワーク全体の性能や容量を一元的に監視し,ストレージシステムの安定した稼働を支援します。収集した性能情報,容量情報などを基に過去や将来の傾向を表示したり,しきい値を設定することで性能に問題が発生したときにアラームを通知したりできます。

Compute Systems Manager(ホスト管理)

大規模なシステム環境でホスト(業務サーバ)の運用と管理を支援します。ホストの資産情報の収集,障害情報の確認,電源の制御などができます。

Dynamic Link Manager(データ入出力パス管理)

ストレージシステムとホストの間を結ぶデータ入出力用のパスを冗長化して管理します。パスに掛かる負荷を分散したり,障害発生時にパスを切り替えたりして,システムの信頼性を向上できます。

Global Link Manager(グローバル入出力パス管理)

複数のホストにわたるデータ入出力用のパスを一元的に管理します。各ホストのマルチパス管理ソフトウェアからパスに関する情報を収集し,システム全体のパスの稼働状況を確認します。パスのオンライン,オフラインを制御することで帯域幅を調整したり,パスの障害情報を一括で管理したりできます。

[目次] [前へ] [次へ]


[マニュアル発行元]

All Rights Reserved. Copyright© 2014, 2020, Hitachi, Ltd.