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EUR データベース連携ガイド


4.1.1 接続情報ファイルの作成

接続情報ファイルは,メモ帳などのテキストエディタを使って作成,または編集してください。任意の拡張子のファイルを使用できます。

〈この項の構成〉

(1) 接続情報ファイルの形式

キーワード=

(凡例)

△:0個以上のタブ,半角空白,または全角空白を示します。

(2) 接続情報ファイルのキーワード

接続情報ファイルに記述するキーワードを次に示します。接続情報ファイルに指定するキーワードは,大文字,小文字を区別します。

なお,不正なキーワードが指定された場合は,エラー(EUR クライアント帳票出力機能の場合は4651,EUR サーバ帳票出力機能の場合はKEEU055-E)になります。

表4‒1  接続情報ファイルのキーワード

キーワード

省略の可否

DABrokerHost

DABrokerのホスト名またはIPアドレスを指定します。

×

DBType

データベースの種別を指定します。指定できる種別は,「HiRDB」「ORACLE」または「SQLServer」です。

×

SendBufferSize

送受信領域サイズを,1〜16,000(KB)の値で指定します。

×

TimeoutInterval

応答監視時間を,0〜3,600(秒)の値で指定します。

×

Hostname※1※2

データベースの種別ごとに,データベースホスト名を指定します。

  • 「HiRDB」の場合:ホスト名またはIPアドレス(PDHOST指定値)

  • 「ORACLE」の場合:ネット・サービス名(省略可)

  • 「SQLServer」の場合:ODBCデータソース名

HostInfo※1※2

データベースの種別ごとに,データベース識別子を指定します。

  • 「HiRDB」の場合:接続ポート番号(PDNAMEPORT指定値)

  • 「ORACLE」の場合:指定不要

  • 「SQLServer」の場合:指定不要

User※1※3

ユーザIDを指定します。

×

Password※1※3

パスワードを指定します。EURサーバ帳票出力機能では,暗号化したパスワードも指定できます。パスワードの暗号化については,「4.1.1(5) パスワードの暗号化」を参照してください。

QueryExclusiveString※1

  • データを抽出する時のデータベースへの排他オプションを指定します。ここで指定した文字列は,EUR サーバ帳票出力機能が作成したSQLの最後に付加されます。

  • キーワードQueryExclusiveStringの指定は,接続先データベースがHiRDBの場合に有効です。排他オプションの詳細については,HiRDBのマニュアルを参照してください。

EncryptPassword

パスワードが,暗号化されているかされていないかが設定されます。

このキーワードは,EUR サーバ帳票出力機能で接続情報パスワード暗号化ツールを実行すると自動的に設定されるので,指定および変更をしないでください。

(凡例)

○:指定を省略できるキーワードです。

△:指定および変更してはいけないキーワードです。

×:必ず指定するキーワードです。

注※1

キーワードの指定は,接続先データベースに依存します。そのため,指定を省略できるキーワードでも,接続先データベースでは指定が必要な場合もあります。接続情報ファイルに記述するキーワードの指定規則については,接続先データベースのマニュアルを参照してください。

注※2

DABrokerをインストールしたマシンで設定したデータベースの接続情報を指定してください。データベースの接続情報の詳細ついては「2.3.5 データベースごとの設定」を参照してください。

注※3

EURは,指定されたユーザIDおよびパスワードを,直接データベースに渡します。指定する文字列の規則については,接続先データベースのマニュアルを参照してください。

(3) 接続情報ファイルの指定例

接続情報ファイルの指定例を次に示します。

DABrokerHost = hostname
DBType = HiRDB
SendBufferSize = 64
TimeoutInterval = 60
User = USERID
QueryExclusiveString = WITH ROLLBACK

(4) 接続情報ファイルでの注意事項

各データベースへ接続するときの注意事項について説明します。データベースの接続設定については,「2.3.5 データベースごとの設定」を参照してください。

(a) HiRDBと接続する場合

  • Hostnameに,接続先のHiRDBのホスト名またはIPアドレス(PDHOST指定値)を指定します。データベースホスト名の指定を省略したときは,DABrokerがインストールされているマシンのPDHOSTの値が仮定されます。

  • HostInfoに,接続先のHiRDBが使用するポート番号(PDNAMEPORT指定値)を指定します。データベース識別子の指定を省略したときは,DABrokerがインストールされているマシンのPDNAMEPORTの値が仮定されます。

(b) Oracleと接続する場合

Hostnameに,DABrokerが使用するOracleのネット・サービス名を指定します。Hostnameの指定を省略したときは,DABrokerがインストールされているマシンのORACLE_SIDの値が仮定されます。

(c) SQL Serverと接続する場合

Hostnameに,DABrokerがインストールされているマシンの,[ODBCデータソースアドミニストレータ]ダイアログの[システムDSN]タブで設定したSQL Serverのデータソース名を指定します。

(5) パスワードの暗号化

EUR サーバ帳票出力機能では,セキュリティを強化するために,接続情報ファイルに設定されたキーワードPasswordのパスワードを暗号化できます。パスワードを暗号化すると,接続情報ファイルのキーワード「EncryptPassword」に「TRUE」が設定されます。

(a) パスワードを暗号化する方法

パスワードの暗号化は,接続情報パスワード暗号化ツールで行います。 接続情報パスワード暗号化ツールは,EUR DeveloperおよびEUR Server製品(EUR Server EnterpriseまたはEUR Server Standard)に同梱されています。

  • Windows環境のファイルを暗号化する場合

    Windows環境の接続情報ファイルのパスワードを暗号化する場合は,接続情報パスワード暗号化ツール「eurecdif.exe」を使用します。「eurecdif.exe」はEUR Developer,またはWindows版のEUR Server製品(EUR Server EnterpriseまたはEUR Server Standard)のインストール先フォルダ\Print\Program\下にあります。

    • コマンドの構文

    eurecdif.exe
         /if 暗号化対象ファイルパス
         /of 出力先ファイルパス
    • /ifオプション

      パスワードを暗号化する接続情報ファイル名のフルパスを,259文字以内で指定します。

    • /ofオプション

      パスワードを暗号化したデータを出力するファイルのフルパスを,259文字以内で指定します。

  • UNIX/Linux環境のファイルを暗号化する場合

    UNIX/Linux環境の接続情報ファイルを暗号化する場合は,接続情報パスワード暗号化ツール「eurecdif」を使用します。「eurecdif」は,/opt/eur/print/bin/下にあります。

    • コマンドの構文

    eurecdif
         -if 暗号化対象ファイルパス
         -of 出力先ファイルパス
    • -ifオプション

      パスワードを暗号化する接続情報ファイル名のフルパスを,1,023バイト以内で指定します。

    • -ofオプション

      パスワードを暗号化したデータを出力するファイルのフルパスを,1,023バイト以内で指定します。

(b) 出力されるファイル

パスワード暗号化ツールのコマンドを実行すると,接続情報ファイルの中のパスワードだけを暗号化し,指定したファイルに出力されます。暗号化前のファイルへの上書きはできません。