4.3.6 注意事項
Excel形式ファイルを出力するときの注意事項について説明します。
帳票設計時の注意事項については,マニュアル「EUR 帳票作成 操作ガイド」を参照してください。なお,Excel形式ファイルに出力する場合,セルの幅,高さは16ピクセルとなります。繰り返しを定義した帳票を出力するときは,グリッドのサイズに16ピクセル以上を設定することをお勧めします。
- 〈この項の構成〉
(1) 帳票の見た目についての注意
EUR 帳票作成機能で設計した帳票をExcel形式ファイルへ出力すると,EUR 帳票作成機能で表示した場合と,見た目が異なる場合があります。
帳票の見た目の変換についての注意事項を次に示します。
-
アイテムはExcelのセル(サイズ固定)に合わせて出力されるため,EUR 帳票作成機能で表示した場合と見た目が異なることがあります。
-
線アイテムは,水平線または垂直線だけがExcel形式ファイルに出力できます。斜線は出力できません。
-
線アイテムの線種および線幅はすべてExcelでサポートされる線種のセル罫線として出力されるため,EUR 帳票作成機能で定義した線種および線幅と異なる場合があります。
-
帳票設計時に,線アイテム同士が近くに配置されている場合や線アイテムと文字アイテムと重なっている場合,Excel形式ファイルに出力したとき,アイテムが同じ位置に配置され,線アイテムが一部消えることがあります。
-
角丸四角アイテムをExcel形式ファイルに出力する場合,角丸め情報が出力されないで網掛けアイテムとなります。
-
図形アイテムは,網掛けアイテム,角丸四角アイテムだけがExcel形式ファイルに出力できます。円/楕円アイテム,多角形アイテムは出力できません。
-
帳票設計時に,複数の網掛けアイテム,角丸四角アイテムが重なって配置されている場合,または網掛けアイテムおよび角丸四角アイテムと,文字アイテムが重なって配置されている場合,Excel形式ファイルに出力すると,EUR 帳票作成機能で表示したときと見た目が異なることがあります。
-
帳票設計時の用紙サイズがA3,A4,A5,レター,リーガル以外の場合,「A4」として出力されます。
-
用紙の余白サイズは上下左右とも「10mm」として出力されます。
-
用紙サイズや用紙の余白サイズについて,Excel画面上での単位の表記はWindowsの設定によって異なることがあります。
単位の表記は次の手順で設定します。
-
スタートメニューの[設定]−[コントロールパネル]−[地域と言語のオプション]を選択します。
[地域と言語のオプション]ダイアログが表示されます。
-
[地域オプション]タブの[カスタマイズ]ボタンをクリックします。
[地域のオプションのカスタマイズ]ダイアログが表示されます。
-
[単位]リストボックスで単位の表記を選択します。
-
-
出力される文字アイテムのフォントは,ロケールごとに固定となります(日本語:MS 明朝,中国語:NSimSun,その他:Courier New)。
-
画像アイテムおよびバーコードアイテムは出力されません。
-
網掛けアイテム,および角丸四角アイテムの網掛けパターンは,Excel形式ファイルに出力した場合,すべてExcelのセルの塗りつぶしパターン「6.25% 灰色」として出力されます。
-
帳票設計時,文字アイテムの枠の大きさまたは改行コードによって,文字アイテムが複数行にわたる場合があります。この場合,Excel形式ファイルに出力すると,文字アイテムは1行で出力されます。文字列がアイテム枠からはみ出した場合,はみ出した文字列は表示されません。また,数値がアイテム枠からはみ出した場合は,枠内に「#」が表示されます。
-
Excel形式ファイルに出力する場合,セルの幅,高さは16ピクセルになります。
Excelを利用するクライアント環境で,フォントの設定が初期状態から変更されている場合,出力するExcel形式ファイルのセルの横幅が16ピクセルとならないで,帳票の見た目が異なることがあります。
-
帳票設計時に小数点以下桁数を指定しないでExcel形式ファイルに小数値を出力した場合,小数点以下が表示されないで整数値として表示されます。数式バーでは小数点以下の数値も表示されます。
小数をExcel形式ファイルに出力したい場合,[小数点以下桁数]テキストボックスで小数点以下の桁数を指定してください。桁数を指定しないと,Excel出力時に小数点以下の桁数はデフォルトの「0」が設定されます。
-
次の条件がすべて重なった場合,EUR 帳票作成機能で定義した文字アイテムが,隣接する文字アイテムの位置に表示されることがあります。
-
隣接する文字アイテムの枠線が重なっている。
-
文字の配置を左寄せ,右寄せ,上寄せ,下寄せ,または均等に設定している。
-
隣接する文字アイテムが欠損値である。
-
-
次の条件がすべて重なった場合,罫線が結合したセルの文字アイテムに隠れてしまって表示されないことがあります。
-
[まとめ表示]ダイアログの[罫線もまとめる]チェックボックスをオフにしている。
-
文字の配置を中央揃え,または均等配置に設定している。
-
-
環境変数EURPS_EXCEL_REPEAT_MODEがページ単位でシートを分ける設定(デフォルト)の場合,帳票の縦方向の繰り返し間隔をLPIで指定しているときは,アイテムを配置する位置は,LPIをミリメートルに換算した値を元に計算されて出力されます。LPIとミリメートル間の換算では誤差が生じるため,EUR帳票作成機能で表示した場合と見た目が異なることがあります。
-
環境変数EURPS_EXCEL_REPEAT_MODEがページ単位でシートを分けない設定の場合,帳票の縦方向の繰り返し間隔を6LPI(約4.23mm)の倍数に切り上げます。このため,EUR帳票作成機能で表示した場合と見た目が異なることがあります。繰り返し間隔の詳細については,「付録B.1(6) 繰り返し」を参照してください。
-
数値項目を出力する場合,整数部と小数部を合わせた桁数が15桁を超えるときは丸められた値が出力されます。
-
Excelの下線には,下線,二重下線,会計タイプの下線(会計),二重下線(会計)の4種類があります。
[アイテムのプロパティ]ダイアログの[フォント]タブで,文字修飾の下線の設定をして,Excel形式ファイルを出力した場合,下線で出力されます。EURの帳票作成機能では,文字の外側に下線を引くため,「g」のような文字の場合,帳票設計時は文字と下線が重なりませんが,Excel形式ファイルに出力すると,セルの属性として下線を出力するため,文字と下線が重なって出力され,EUR帳票作成機能で表示した場合と見た目が異なります。
-
指数表示する場合は,0より大きく1より小さい数値データを使用できません。
(2) Excel形式ファイルに出力できる帳票についての注意
-
Excel形式ファイルに出力できる帳票は単一様式の帳票だけです。複数様式の帳票,および帳票セット指定ファイルで,複数の帳票を一括出力した帳票は出力できません。
-
Excel形式ファイルに出力するシート数が100を超える場合,出力するシート数が100以内となるように印刷開始ページや印刷終了ページを指定して,複数回に分けて帳票を出力する必要があります。
-
環境変数EURPS_EXCEL_REPEAT_MODEがページ単位でシートを分けない設定の場合,Excel形式ファイルに出力する行数が1シートあたり10,000行を超えるときは,10,000行までが出力されます。それ以降のシートは出力されません。
-
環境変数EURPS_EXCEL_REPEAT_MODEがページ単位でシートを分けない設定の場合,次のどれかに該当する帳票は出力できません。
-
繰り返し種別に縦方向以外が設定されている
-
繰り返し個数に任意の値が設定されている
-
集計行に位置固定が設定されている(繰り返し下限位置が設定されている)
-
マッピングデータファイルが指定されていない
-
レコード数が0件のマッピングデータファイルが指定されている
-
(3) Excel形式ファイル出力で使用できない機能についての注意
Excel形式ファイル出力で使用できない機能を次の表に示します。
機能 |
||
---|---|---|
様式 |
複数様式※1 |
|
帳票セットを指定した出力 |
帳票セット※1 |
|
帳票セット指定ファイルを使用した出力 |
複数帳票の一括出力※1 |
|
入力データ |
フィールド種別 |
画像 |
バーコード |
||
特殊編集レベル※2 |
||
印刷 |
帳票の出力 帳票の出力タイプ指定※1 |
|
出力先プリンタ名指定※1 |
||
印刷の向き指定※1 |
||
印刷部数指定 |
||
部数が複数の場合の印刷単位指定 |
||
給紙トレイコード指定※1 |
||
様式ごとの給紙トレイコード指定※1 |
||
貼り付け域外のページ番号印刷 |
||
V8互換機能を使用した出力ページ数取得 |
出力した帳票のページ数 |
出力ページ情報ファイル(V8互換機能)※1 |
(4) UNIX/Linux環境の場合の注意
UNIX/Linux環境でExcel形式ファイルを出力する場合の注意事項を次に示します。
-
環境変数LOGNAMEが設定されていない場合,エラー(KEEU124-E)になります。