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EUR 帳票出力 機能解説 EUR Server編


3.2.6 EUR Client Serviceをヘルパ起動して出力する

EUR Client Serviceをヘルパ起動してWebブラウザから帳票を出力する方法を,ヘルパクライアント印刷といいます。クライアントPCのWebブラウザから,Webサーバにアクセスして印刷データ(EPF形式ファイル)をダウンロードすると,クライアントPCのEUR Client Serviceが起動して,帳票が出力されます。

〈この項の構成〉

(1) 出力の流れ

EUR Client Serviceをヘルパ起動して帳票を出力する流れを,次の図に示します。

図3‒9 EUR Client Serviceをヘルパ起動して帳票を出力する流れ(ヘルパクライアント印刷)

[図データ]

  1. 出力要求

    帳票の出力要求が業務プログラムに送られます。

  2. 転送

    アプリケーションサーバのEUR Server - Adapterは,ユーザデータファイルを帳票サーバのEUR Server Serviceに転送します。

  3. 印刷データ生成

    転送されたユーザデータファイルとあらかじめ帳票サーバに配置しておいた印刷定義ファイルから,印刷データ(EPF形式ファイル)が生成されます。EPF形式ファイルの拡張子には「*.epp」を指定します。

    複数の帳票セットを一つのEPF形式ファイルに出力した場合も,複数様式で指定した場合も,クライアントPCで出力できます。

    なお,手順1.〜手順3.で生成された印刷データが複数ある場合,一つの印刷データに統合することもできます。印刷データの統合方法については,「6.3.1 複数のEPF形式ファイルを統合出力する」を参照してください。

  4. 印刷データ転送

    EUR Server Serviceは,生成された印刷データ(EPF形式ファイル)をアプリケーションサーバに転送します。

  5. ダウンロード

    クライアントPCのWebブラウザから,Webサーバにアクセスして印刷データ(EPF形式ファイル)をダウンロードします。

    Webサーバとアプリケーションサーバが別マシンであったり,ネットワークを共有していたりする場合は,業務プログラム側でアプリケーションサーバの印刷データ(EPF形式ファイル)をWebサーバに転送しておいてください。なお,HTTPヘッダに指定するEPF形式ファイルのMIMEタイプには「application/vnd.hitachi.eurpm-print」と指定してください。

  6. ヘルパ起動

    クライアントPCにインストールされたEUR Client Serviceが起動されます。

  7. 出力

    クライアントプリンタクラスに対応するプリンタに自動印刷されます。クライアントプリンタクラスが指定されていない場合は,通常使うプリンタに自動印刷されます。正しく印刷されない場合は,プリンタの設定を確認してください。

    なお,MIMEタイプが「application/vnd.hitachi.eurpm-print」であっても,ファイルの拡張子が*.epfの場合は,帳票がプレビューされます。

手順4.の代わりに,EPF形式ファイルをメール送信する運用もできます。この場合,メール受信者は,添付されたEPF形式ファイルをローカルディスクに保存し,ダブルクリックすることで出力できます。

(2) 出力先の設定

クライアントPCのプリンタクラスで出力先を指定します。

クライアントPCのプリンタとトレイを組み合わせたものを,プリンタクラスとしてクライアントPCに登録します。帳票出力時に起動部品でプリンタクラス名を指定すると,指定したプリンタのトレイに帳票が出力されます。

起動部品で指定したプリンタクラス名は,印刷データ(EPF形式ファイル)の属性情報として保持されます。クライアントPCで印刷データを受信したとき,印刷データが保持している属性情報によって自動でプリンタが選択されます。

■参考

クライアントPCのプリンタクラスは各クライアントPCで設定しますが,設定内容をクライアントプリンタクラス定義ファイルに保存して,ひな型として各クライアントPCに配布することもできます。配布したファイルを使えば,各クライアントPCでプリンタクラスを設定する手間が省けます。

クライアントプリンタクラス定義ファイルの作成方法や格納先については,マニュアル「EUR システム構築ガイド」を参照してください。

(3) 起動部品の設定

帳票出力で使用する起動部品のメソッド,関数,およびオプションの指定値を次に示します。

また,出力時に設定する起動部品のプロパティ,メソッド,パラメタ,およびオプションの指定値を次に示します。

  1. クライアントPCのプリンタの設定

    クライアントPCのプリンタをプリンタクラス名で設定します。

    クライアントPCのプリンタ

    起動部品の設定項目

    設定する値

    プリンタクラス名

    ActiveX起動部品:PrinterClassNameプロパティ

    Java起動部品:setPrinterClassNameメソッド

    COBOL起動部品:PRINTERCLASSNAMEパラメタ

    コマンド起動部品:/prcオプション

    プリンタクラス名(80バイト以内の文字列)

  2. 帳票ファイルの設定

    印刷する帳票ファイル名を設定します。

    帳票ファイルの設定

    起動部品の設定項目

    設定する値

    帳票ファイルの名前

    ActiveX起動部品:ReportFileNameプロパティ

    Java起動部品:setReportFileNameメソッド

    COBOL起動部品:REPORTNAMEパラメタ

    コマンド起動部品:/rfオプション

    帳票ファイル名(255バイト以内の文字列)

  3. EPF形式ファイルの設定

    EPF形式ファイル名を設定します。

    EPF形式ファイルの設定

    起動部品の設定項目

    設定する値

    EPF形式ファイル名

    ActiveX起動部品:EPFFileNameプロパティ

    Java起動部品:setEPFFileNameメソッド

    COBOL起動部品:EPFFILENAMEパラメタ

    コマンド起動部品:/epfnオプション

    EPF形式ファイル名(255バイト以内の文字列)

  4. マッピングデータファイルの設定

    マッピングデータファイル名を設定します。

    ユーザデータファイルの設定

    起動部品の設定項目

    設定する値

    マッピングデータファイルの名前

    ActiveX起動部品:DataFileNameプロパティ

    Java起動部品:setDataFileNameメソッド

    COBOL起動部品:MAPPINGDATAパラメタ

    コマンド起動部品:/mapオプション

    マッピングデータファイル名(255バイト以内の文字列)

  5. ユーザデータファイル,印刷定義ファイル,および印刷付加情報の設定

    必要に応じて,ユーザデータファイル(ユーザ定義データファイルなど),印刷定義ファイル(複数様式情報定義ファイル,文書情報設定ファイル,置き換え表管理情報ファイルなど)および印刷付加情報(印刷開始ページ,印刷部数,ページ番号など)を設定します。

■参考

帳票ファイル名やマッピングデータファイル名を起動部品で直接指定するのではなく,帳票セットとして帳票セット指定ファイルにまとめて指定することもできます。この場合,出力時には次に示すプロパティ,メソッド,パラメタ,またはオプションで帳票セット指定ファイル名を指定してください。

  • ActiveX起動部品:MultiReportSetFileNameプロパティ

  • Java起動部品:setMultiReportSetFileNameメソッド

  • COBOL起動部品:REPORTSETFILEパラメタ

  • コマンド起動部品:/mrsオプション