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EUR システム設計ガイド(UNIX(R)用)


4.4.8 QRコード

〈この項の構成〉

(1) データの指定

QRコードを表示する場合は,入力データ形式によって,使用できる文字が異なります。また,指定するデータ(データキャラクタ)の桁数も異なります。

QRコードの表示例を次に示します。

[図データ]

QRコードでEURがサポートする範囲を次に示します。

機能

EURでサポートする範囲

モデル

モデル2をサポートします。

バージョン

バージョン1から40をサポートします。

訂正レベル

M(15%),Q(25%)をサポートします。

モード

数字モード,英数字モード,8ビットバイトモード,漢字モード,混在モードをサポートします。

セルサイズ

[アイテムのプロパティ]ダイアログ,環境変数EURPS_QR_CELL_SIZE_D,または環境変数EURPS_QR_CELL_SIZE_Mで指定できます。指定されていない場合は,アイテムサイズとバージョンから自動計算します。

クワイエットゾーン

クワイエットゾーンはEURが付加します。サイズは4モジュールです。

(a) 使用できる文字

QRコードに指定できる入力データ文字は,入力データ形式によって異なります。

入力データ形式が「文字列」の場合

使用しているロケールの文字コードに従って,データ(データキャラクタ)を文字列でデータファイルに指定します。

入力データ形式が「16進文字列」の場合

使用しているロケールの文字コードに従って,データ(データキャラクタ)を16進文字列でデータファイルに指定します。

なお,16進文字列のQRコードをEUR DeveloperまたはEUR Serverで使用する場合は,文字コードに関係なく,Shift JISを指定してください。

入力データ形式が「16進バイナリ」の場合

8ビットバイナリエンコーディングに従って,データ(データキャラクタ)を16進バイナリの文字列でデータファイルに指定します。

(b) QRコードのバージョン

QRコードは,アイテム枠の大きさ,および指定するデータから求められた型番によって,帳票に表示できるQRコードの大きさが異なります。また,QRコードは,出力するプリンタの解像度によっても,大きさが異なります。EURでは入力データから適切なバージョンを計算して使用します。

[アイテムのプロパティ]ダイアログまたは環境変数EURPS_QR_VERSIONで指定された値よりも入力データが小さい場合は指定された値になるように調整します。環境変数EURPS_QR_VERSIONについては,マニュアル「EUR 帳票出力 リファレンス EUR Server編」を参照してください。

最小バージョン

[アイテムのプロパティ]ダイアログおよび環境変数EURPS_QR_VERSIONの指定によって最小バージョンが異なります。

指定条件によるQRコードの最小バージョンを次に示します。

表4‒9 QRコードの最小バージョン

指定条件

最小バージョン

[アイテムのプロパティ]ダイアログ

環境変数EURPS_QR_VERSION

なし

なし

バージョン1

なし

V1

バージョン1

バージョン2

バージョン2

(凡例)

−:指定しません。

出力バーコードバージョン

出力バーコードのバージョンは,入力データのバージョンと最小バージョンによって異なります。

条件別の出力バーコードのバージョンを次に示します。

表4‒10 出力バーコードのバージョン

条件

出力バージョン

入力データのバージョン≦最小バージョン

最小バージョン

入力データのバージョン>最小バージョン

入力データのバージョン

(c) QRコードのモード

QRコードのモードは,入力データ形式によって異なります。

入力データ形式が「文字列」または「16進文字列」の場合

入力データ形式「文字列」または「16進文字列」では,QRコードに混在モードを使用し,データ内容に応じてモードを切り替えます。非漢字データについては数字モード,英数字モード,または8ビットバイトモードを使用します。デフォルトは,数字モードです。

表4‒11 条件別の遷移後のモード(「文字列」または「16進文字列」)

条件

遷移後のモード

現在モード

出現文字

数字モード

数字

数字モード

英字

英数字モード

漢字

漢字モード

英数字モード

数字

英数字モード

英字

英数字モード

漢字

漢字モード

8ビットバイトモード

数字

8ビットバイトモード

英字

8ビットバイトモード

漢字

漢字モード

漢字モード

数字

数字モード

英字

英数字モード

漢字

漢字モード

出現文字が数字,英字,漢字以外の場合は,8ビットバイトモードに切り替わります。

入力データ形式が「16進バイナリ」の場合

入力データ形式「16進バイナリ」では,データを8ビットバイトモードで生成します。

(d) モジュール幅

出力バージョンに対応するモジュール数とアイテムサイズからセルサイズを計算します。[アイテムのプロパティ]ダイアログ,環境変数EURPS_QR_CELL_SIZE_D,または環境変数EURPS_QR_CELL_SIZE_Mでセルサイズが指定された場合,計算した標準セルサイズより小さいときには指定されたセルサイズを出力します。環境変数EURPS_QR_CELL_SIZE_D,環境変数EURPS_QR_CELL_SIZE_Mについては,マニュアル「EUR 帳票出力 リファレンス EUR Server編」を参照してください。

表4‒12 出力セルサイズ

条件

出力セルサイズ

[アイテムのプロパティ]ダイアログ

EURPS_QR_CELL_SIZE_D

EURPS_QR_CELL_SIZE_M

なし

なし

なし

標準セルサイズ

なし

D

なし

D×解像度

なし

M

↓(M×解像度)/解像度↓

Mi

↓(Mi×解像度)/解像度↓

(凡例)

−:指定しません。

出力セルサイズでバーコードを描画するとアイテムサイズより大きくなる場合は,バーコードは表示されません。指定セルサイズが標準セルサイズよりも大きい場合は,アイテムサイズを超えます。標準セルサイズが0となる場合もバーコードは表示されません。

標準セルサイズの計算式を次に示します。

標準セルサイズ=↓((min(アイテム幅,アイテム高)×解像度)/(モジュール数+8))↓÷解像度
モジュール数=21+4×(バージョン−1)
注※

クワイエットゾーン4モジュールの2個分です。

(e) クワイエットゾーン

EURでは,クワイエットゾーンは4モジュールです。

(2) サイズの指定

QRコードは,サイズの指定ができません。QRコードのサイズを変更したい場合は,アイテム枠の大きさをマウス操作で変更してください。

(3) アイテム枠の幅の指定

指定されたアイテム枠に収まる適切なサイズに自動調整して出力されます。

(4) プリンタの解像度によって出力できるバーコードの最小サイズ

QRコードは,出力するプリンタに依存しません。