4.3.1 CSV形式(DAT形式)のデータ形式
CSV形式(DAT形式)のデータファイルは,フィールドとフィールドの間を区切り記号で区切ったファイルです。区切り記号は,EUR 帳票作成機能で帳票設計する時に,データのプロパティで指定できます。区切り記号のデフォルトは「,(コンマ)」です。指定した区切り文字は,帳票ファイル中に保存されます。
CSV形式(DAT形式)のデータに共通の記述形式を次に示します。
-
データは,そのまま記述するか,または「"」で囲んで記述します。
データをそのまま記述する場合は,前後の半角空白またはタブを除いたデータが入力データとなります。
データを「"」で囲んで記述する場合は,「"」で囲まれた範囲内が入力データとなります。「"」で囲まれた範囲内のデータの前後に,半角空白またはタブを指定できます。また,「"」で囲まれた範囲の前後に,一つ以上の半角空白またはタブを指定できます(入力データにはなりません)。
-
区切り文字をデータとして記述する場合は,「"」で囲みます。
-
連続する二つの「"」は,一つの「"」に変換されたものが入力データとなります。
-
データ中に\0(Null:0x00)を含む場合は,先頭から\0までの範囲が入力データとなります。
CSV形式(DAT形式)のデータファイルのファイルサイズ,およびレコードの上限値を,次に示します。
項目 |
EUR Designer,EUR Viewerでの上限値 |
EUR Serverでの上限値 |
---|---|---|
ファイルサイズ |
2GBを上限とします。 |
上限はありません。 |
レコード数 |
上限はありません。 |
2,147,483,647を上限とします。 |
レコード長 |
上限はありません。 |
上限はありません。 |
フィールド数 |
上限はありません。 |
2,147,483,647を上限とします。 |
1フィールドの長さ |
99,999バイトを上限とします。 |
上限はありません。 |
フィールド名の長さ |
マッピングデータのフィールド名:510桁を上限とします。 ユーザ定義データのフィールド名:499桁を上限とします。 |
− |
データの記述形式について,次に示します。
(1) 数値データ
先頭に一つ以上の半角空白のある数値データの両端を「"」で囲んで記述した場合,先頭の半角空白を除いたデータが,入力データとなります。
- (例)
-
「"△126"」と記述した場合は,「126」が入力データとなります。
「"△-126"」と記述した場合は,「-126」が入力データとなります。
なお,数値データを「"」で囲む場合,データの後ろに半角空白は指定できません。
- EUR 帳票作成機能でデータを読み込んだあと
-
フィールド定義で種別を「数値」,または「数値(集計対象外)」に設定します。1桁以上のデータがある場合は,ゼロサプレス処理をします。
(2) 文字データ
「"」を文字データとして使用する場合は,「"」を二つ続けて記述し,文字データの両端を「"」で囲んでください。
- (例)
-
「E"UR」とする場合は,「"E""UR"」と指定します。
- EUR 帳票作成機能でデータを読み込んだあと
-
フィールド定義で種別を「文字列」に設定します。
(3) 画像データ
指定できる画像データは,次のとおりです。
-
Windows BITMAP形式の画像データ
-
JPEG形式の画像データ
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GIF形式の画像データ
-
TIFF形式の画像データ
-
PNG形式の画像データ
EURで扱える画像データについては,マニュアル「EUR 帳票出力 リファレンス EUR Server編」またはマニュアル「EUR 帳票出力 EUR Designer/EUR Viewer編」を参照してください。
- EUR 帳票作成機能でデータを読み込んだあと
-
フィールド定義で種別を「画像」に設定します。
- 補足説明
-
一つの帳票で複数の画像ファイルを使用する場合は,使用する画像ファイルを同じフォルダに保存しておいてください。
(4) 日付データ
日付データは,西暦または和暦を数値で指定します。
日付データには,入力データの桁数と,指定したいデータ種別の桁数が一致するように入力データを指定してください。入力データの桁数とデータ種別の桁数が合っていないと,マッピングデータウィンドウに表示されないことがあります。
-
西暦
西暦を数値で記述します。指定できるデータの種別と桁数を次に示します。
データ種別
桁数
指定例
(「2004年5月23日12時10分05秒」の場合)
日付(年次)
4桁
2004
日付(月次)
6桁
200405
日付(日次)
8桁
20040523
日付(日付・時刻)※
年:4桁
月:2桁
日:2桁
時:2桁
分:2桁
秒:2桁
2004/05/23 12:10:05
-
和暦
和暦を指定する場合,1桁目に元号を次の数値で指定します。
元号
指定値
平成
4
昭和
3
大正
2
明治
1
指定できるデータ種別と桁数を次に示します。
データ種別
桁数
指定例
「平成21年1月1日」を表示させる場合
「昭和64年1月1日」を表示させる場合
和暦(年次)
3桁
421
364
和暦(月次)
5桁
42101
36401
和暦(日次)
7桁
4210101
3640101
和暦日付は,「平成元年1月1日」のような架空の日付も表示できます。また,[アイテムのプロパティ]ダイアログの[表示形式](日付・時刻データ)タブで,日付の表示形式を次のように設定することもできます。
-
「平成1年」を「平成元年」と表示できます。
-
「平成21年」を「H21」と表示できます。
-
- EUR 帳票作成機能でデータを読み込んだあと
-
指定したデータの桁数に合わせて,フィールド定義で種別を設定します。
- 補足説明
-
年号を表すデータは4桁で認識されます。そのため,[コントロールパネル]の[地域のオプション]の設定で,年号を2桁に設定している場合は,[日付]ページの[短い形式]のリストボックスから,年号を4桁で表示する形式「yyyy」に選択し直してください。[区切り記号]は,「/」を指定してください。また,Windowsの時刻表示を12時間制の形式に設定している場合は,[時刻]ページの[時間の形式]のリストボックスから,24時間制の形式に選択し直してください。この場合,午前,または午後を表す「t」の付く形式は設定しないでください。
(5) バーコードデータ
バーコードで使用するデータを指定します。表示するバーコードの種類によって,使用できるデータや桁数が異なります。バーコードのデータについては,「4.4 EURで使用できるバーコード」を参照してください。
- EUR 帳票作成機能でデータを読み込んだあと
-
フィールド定義で種別を「バーコード」に設定します。
(6) 特殊編集レベルデータ
繰り返し機能で,帳票に読み込んだデータをレコード単位で任意に編集したい場合は,特殊編集レベルを1〜99の範囲で記述します。
-
記述したレベルは,EUR 帳票作成機能のデータウィンドウで,レコード番号の横に「(レベル:nn)」と表示されます。
-
複数レコードに同一レベルを指定した場合,一つのレコードを編集すると,同一レベルのレコードすべてが編集されます。
-
編集しない場合は,特殊編集レベルの指定を省略するか,または「0」もしくは空白を指定してください。
- EUR 帳票作成機能でデータを読み込んだあと
-
フィールド定義で種別を「特殊編集レベル」に設定します。
(7) 区切り文字
データを区切る区切り文字は,EUR 帳票作成機能のデータのプロパティ,またはディクショナリファイルで指定します。
なお,「"」は,区切り文字には使用できません。ディクショナリファイルで区切り文字の指定を省略した場合,およびディクショナリファイルを指定しなかった場合は,区切り文字に「,」を使用します。
CSV形式のデータファイルに空データを指定する場合は,次のように指定します。次の例では,区切り文字として「,(コンマ)」を指定しています。
(a) コンマを並べて指定した場合
コンマを並べて指定した場合,コンマの間が空データになります。
(例)
- 指定したデータ:"あか","きいろ",,"あお"
-
- 入力されるデータ
-
一つ目のデータ:あか
二つ目のデータ:きいろ
三つ目のデータ:(空データ)
四つ目のデータ:あお
- 指定したデータ:,,,500
-
- 入力されるデータ
-
一つ目のデータ:(空データ)
二つ目のデータ:(空データ)
三つ目のデータ:(空データ)
四つ目のデータ:500
(b) コンマの間に一つ以上の半角空白を指定した場合
コンマの間に一つ以上の半角空白を指定した場合,指定した半角空白の数に関係なくコンマの間が空データになります(△は半角空白を示します)。
(例)
- 指定したデータ:"あか","きいろ",△△,"あお"
-
- 入力されるデータ
-
一つ目のデータ:あか
二つ目のデータ:きいろ
三つ目のデータ:(空データ)
四つ目のデータ:あお
- 指定したデータ:△△△,△△,△△△△,500
-
- 入力されるデータ
-
一つ目のデータ:(空データ)
二つ目のデータ:(空データ)
三つ目のデータ:(空データ)
四つ目のデータ:500
(c) 複数フィールドでn番目以降にコンマだけを並べて指定した場合
複数フィールドでn番目以降にコンマだけを並べて指定した場合,n番目以降のフィールドが空データになります。
(例)
- 指定したデータ:"あか","きいろ",,,
-
- 入力されるデータ
-
一つ目のデータ:あか
二つ目のデータ:きいろ
三つ目のデータ:(空データ)
四つ目のデータ:(空データ)
このように,n番目以降にコンマだけを並べて指定する場合,帳票を定義するときに項目数を定義してあれば,コンマを省略することもできます。項目数を4とした場合,次のようになります。
(例)
- 指定したデータ:"あか"
-
- 入力されるデータ
-
一つ目のデータ:あか
二つ目のデータ:(空データ)
三つ目のデータ:(空データ)
四つ目のデータ:(空データ)
- 指定したデータ:,500
-
- 入力されるデータ
-
一つ目のデータ:(空データ)
二つ目のデータ:500
三つ目のデータ:(空データ)
四つ目のデータ:(空データ)
(d) 1行すべてのフィールドを空データにする場合
1行すべてのフィールドを空データにする場合は,コンマだけを指定するか,または改行コードだけを指定します。
(例)
- 指定したデータ:,,,
-
- 入力されるデータ
-
一つ目のデータ:(空データ)
二つ目のデータ:(空データ)
三つ目のデータ:(空データ)
四つ目のデータ:(空データ)
- 指定したデータ:改行コード
-
- 入力されるデータ
-
一つ目のデータ:(空データ)
二つ目のデータ:(空データ)
三つ目のデータ:(空データ)
四つ目のデータ:(空データ)
(8) 補足事項
-
EUR クライアント帳票出力機能を使用する場合,CSV形式(DAT形式)のデータは,ディクショナリファイル(UNIX版 EUR旧製品で設計された帳票の入力データの形式を定義しているファイル)を省略できます。その場合は,データファイルの1行目のデータ(1行目のデータをフィールド名として扱う場合は2行目のデータ)が「"」で囲まれている場合は文字列として,それ以外は数値データとしてフィールド定義情報が自動生成されます。
-
「"」でデータを囲んで指定する場合,「"」が対になるように指定してください。「"」が対になっていない場合,出力結果が不正になることがあります。