Hitachi

EUR システム設計ガイド


4.4.9 カスタマバーコード

〈この項の構成〉

(1) データの指定

カスタマバーコードを表示する場合は,半角数字(0〜9),半角英大文字(A〜Z),半角記号「-」,および8種類の制御コード(CC1〜CC8)を使用して,データをデータファイルに指定します。データの桁数は,指定するカスタマバーコードのデータ形式によって異なります。

(a) 「郵便番号+住所表示番号」のデータ形式

「郵便番号+住所表示番号」は,郵便番号の値に,住所文字列からカスタマバーコードに必要な文字を抜き出した文字列を付加したデータ形式です。「文字タイプ」ともいわれます。

「郵便番号+住所表示番号」のデータは,郵便番号(7桁固定)+住所表示番号(最大13桁)で指定します。

ただし,スタートコード(1文字)チェックデジット(1文字),ストップコード(1文字)はEURによって自動生成され,付加されます。

「郵便番号+住所表示番号」のカスタマバーコードの構成を次に示します。

[図データ]

データの抽出方法

例として,「〒623-0011 京都府綾部市青野町出口 6-7 LプラザB 106」からデータを抽出する手順を示します。

手 順

結 果

(1)

郵便番号の「623-0011」から「-」を削除します。

6230011

(2)

住所表示番号を取り出します。

6-7 L B 106

(3)

住所表示番号を郵便番号の後ろに付加します。

「62300116-7LB106」が,「郵便番号+住所表示番号」のデータになります。

62300116-7LB106

「郵便番号+住所表示番号」のデータを抽出した場合は,EURのカスタマバーコードのデータ形式で「郵便番号+住所表示番号」を選択します。

EURが,「郵便番号+住所表示番号」のデータのあとに,チェックデジットと制御コードを付加してカスタマバーコードを表示します。

抽出されたデータ「62300116-7LB106」を,データ形式「郵便番号+住所表示番号」で表示した場合のカスタマバーコードを次に示します。

[図データ]

(b) 「郵便番号+住所表示番号+チェックデジット+制御コード」のデータ形式

「郵便番号+住所表示番号+チェックデジット+制御コード」は,「郵便番号+住所表示番号」のデータに,次に示す加工をした結果を,記号を用いて表現したデータ形式です。「記号タイプ」ともいわれます。

  • 英字を,制御コードと数字で表します。

  • チェックデジットを算出します。

  • スタートコード「(」(固定)とストップコード「)」(固定)を付加します。

「郵便番号+住所表示番号+チェックデジット+制御コード」のデータは,スタートコード「(」(1桁固定)+郵便番号(7桁固定)+住所表示番号(最大13桁)+チェックデジット(1桁固定)+ストップコード「)」(1桁固定)で指定します。

「郵便番号+住所表示番号+チェックデジット+制御コード」のカスタマバーコードの構成を次に示します。

[図データ]

データの抽出方法

例として,「〒623-0011 京都府綾部市青野町出口 6-7 LプラザB 106」からデータを抽出する手順を示します。

手 順

結 果

(1)

郵便番号の「623-0011」から「-」を削除します。

6230011

(2)

住所表示番号を取り出します。

住所表示番号の中に英字がある場合は,英字変換コード表 ※1に従って,制御コードと数字の組み合わせに変換します。

「L」→「CC2 1」

「B」→「CC1 1」

6-7 L B 106

 ↓

6-7 CC2 1 CC1 1 106

(3)

住所表示番号を郵便番号の後ろに付加します。

62300116-7 CC2 1 CC1 1 106

(4)

数字,「-」,および制御コードを,すべて1文字として文字数を数えます。20文字に満たない場合は,後ろに制御コード4(CC4)を付加します。

この例の場合は,3文字分の制御コード4を付加しています。

62300116-7 CC2 1 CC1 1 106 CC4 CC4 CC4

(5)

(4)で作成した文字列に,チェック用文字置き換えコード表 ※2に従って,チェック用文字に変換し,すべての値を加算します。

62300116-7 CC2 1 CC1 1 106 CC4 CC4 CC4

 ↓

6+2+3+0+0+1+1+6+10+7+12+1+11+1+1+0+6+14+14+14

=110

(6)

(5)で算出した値より大きい19の倍数から,(5)で算出した値を減算します。これが,「チェックデジット」です。

114-110=4

(7)

(4)で生成した文字列の後ろに,(6)で算出したチェックデジット「4」を付加します。

62300116-7 CC2 1 CC1 1 106 CC4 CC4 CC4 4

(8)

(7)で生成した文字列の前後に,スタートコード(ST)とストップコード(SP)を付加します。

スタートコードは「(」,ストップコードは「)」で指定します。

(62300116-7 CC2 1 CC1 1 106 CC4 CC4 CC4 4)

(9)

(8)で生成した文字列から,制御コードを次に示すASCIIコードで置き換えてEURのデータに指定します。

 制御コード  ASCIIコード

  CC1   →  a

  CC2   →  b

  CC3   →  c

  CC4   →  d

  CC5   →  e

  CC6   →  f

  CC7   →  g

  CC8   →  h

「(62300116-7b1a1106ddd4)」が,「郵便番号+住所表示番号+チェックデジット+制御コード」のデータになります。

(62300116-7b1a1106ddd4)

注※1

英字変換コード表

住所表示番号中に英字がある場合,次に示す英字変換コード表に従って,制御コードと数字の組み合わせに変換します。

表4‒13 カスタマバーコードの英字変換コード表

英字データ

コード

英字データ

コード

英字データ

コード

A

CC1 0

K

CC2 0

U

CC3 0

B

CC1 1

L

CC2 1

V

CC3 1

C

CC1 2

M

CC2 2

W

CC3 2

D

CC1 3

N

CC2 3

X

CC3 3

E

CC1 4

O

CC2 4

Y

CC3 4

F

CC1 5

P

CC2 5

Z

CC3 5

G

CC1 6

Q

CC2 6

H

CC1 7

R

CC2 7

I

CC1 8

S

CC2 8

J

CC1 9

T

CC2 9

(凡例)

−:該当する項目はありません。

注※2

チェック用文字置き換えコード表

カスタマバーコードのチェックデジットを算出するためのコード表です。

郵便番号と住所表示番号を合わせた20文字のデータを,次に示すチェック用文字置き換えコード表に従ってチェック用文字に変換し,すべての値を加算します。そのあと,算出した値より大きい19の倍数から,算出した値を減算した結果が,チェックデジットです。

表4‒14 カスタマバーコードのチェック用文字置き換えコード表

変換データ

チェック用文字

変換データ

チェック用文字

0

0

CC1

11

1

1

CC2

12

2

2

CC3

13

3

3

CC4

14

4

4

CC5

15

5

5

CC6

16

6

6

CC7

17

7

7

CC8

18

8

8

9

9

10

(凡例)

−:該当する項目はありません。

「郵便番号+住所表示番号+チェックデジット+制御コード」のデータを抽出した場合は,EURのカスタマバーコードのデータ形式で「郵便番号+住所表示番号+チェックデジット+制御コード」を選択します。

抽出されたデータ「(62300116-7b1a1106ddd4)」を,データ形式「郵便番号+住所表示番号+チェックデジット+制御コード」で表示した場合のカスタマバーコードを次に示します。

[図データ]

(2) サイズの指定

指定できるサイズと単位は,8.0〜11.5ptです。0.1pt単位で指定します。

(3) アイテム枠の幅の指定

指定されたサイズでアイテム枠を自動調整して出力されます。

(4) プリンタの解像度によって出力できるバーコードの最小サイズ

カスタマバーコードは,出力するプリンタに依存しません。