2.2 クイックスタート設定ウィザードを使用する
この項では,NNMiの基本的な設定タスクについて説明します。これらのタスクは,必ずNNMiをインストールしたあとに行ってください。クイックスタート設定ウィザードで設定できる項目は非常に少ないため,NNMiで監視を始めるために必要なすべての設定を行うことはできません。通常は,NNMiコンソールから設定を行うことを推奨します。次のような初期設定(例えばテスト環境)では,クイックスタート設定ウィザードを使用することもできます。
SNMPコミュニティ文字列の設定
限られた範囲のネットワークノードの検出
ネットワークアドレス変換(NAT)を使用した結果,重複するIPアドレスを含むネットワークでエリアを管理する場合は,クイックスタートウィザードで検出する1つのアドレスドメイン(重複しないアドレス)を選択します。次に,NNMiヘルプの「NAT環境内で重複するアドレス」または「13. NAT環境の重複IPアドレスの管理」を参照してください。
初期管理者アカウントの設定
- 重要
クイックスタート設定ウィザードを使用して,SNMPバージョン3(SNMPv3)の設定を完了させることはできません。SNMPv3を使用して監視するデバイスがある場合は次を実行します。
NNMiコンソールを開く。
[設定]ワークスペースの[通信の設定]を選択する。
SNMPv3設定を完了する。
初期設定が完了したあとは,NNMiコンソールを使って,ネットワークトポロジへのノードの追加や監視の設定のような,追加の設定タスクを行うことができます。詳細については,NNMiヘルプを参照してください。
- メモ
検出シードおよび自動検出ルールについて
検出シードとは,NNMiによるネットワークトポロジの検出を助けるためのノードです。例えば,監視環境内のコアルータなどがシードになります。各シードは,IPアドレスまたはホスト名によって識別されます。NNMiヘルプの「自動検出ルールを設定する」を参照してください。
シードとして指定したデバイスが,追加検出の開始ポイントとなるように検出を設定するには,自動検出ルールを作成して設定してください。NNMiヘルプの「検出シードを指定する」を参照してください。
シードとして指定したデバイスだけが検出されるように検出を設定するには,自動検出ルールを作成しないでください。
検出プロセスの概要については,NNMiヘルプの「スパイラル検出の動作原理」を参照してください。
インストールプロセスが完了したあとで,次の手順でクイックスタート設定ウィザードを起動する。
クイックスタート設定ウィザードは,インストール後すぐに実行する必要があります。クイックスタート設定ウィザードを手動で起動するには,次のURLにアクセスします。
http://<fully_qualified_domain_name>:<port>/quickstart/
<fully_qualified_domain_name>はNNMi管理サーバーの完全修飾ドメイン名で,<port>はインストール時に設定したポート番号です。
使用しているNNMi管理サーバーに複数のドメイン名がある場合は,NNMiでは,インストール時にその中から1つを選択します。NNMiが使用している完全修飾ドメイン名を判断するには,nnmofficialfqdn.ovplスクリプトを実行します。詳細については,nnmofficialfqdn.ovplリファレンスページを参照してください。
NNMiクイックスタート設定ウィザードが,Webブラウザのウィンドウで開きます。
次のようにログインする。
ユーザー名:system
パスワード:「2.1.3 インストール終了後の作業」の「(1) NNMi のシステムアカウントのパスワードを設定する」で作成したシステムアカウントのパスワードです。
[コミュニティ文字列の設定]ページで,検出範囲内にあるノードのどれかのコミュニティ文字列を入力し,[追加]をクリックする。
- メモ
NNMiは,コミュニティ文字列を,既知のデバイスと自動的に照合します。特定のデバイスと各コミュニティ文字列の関連づけを,手動で行う必要はありません。
[SNMPコミュニティ文字列]のリストに,検出範囲内のすべてのノードのコミュニティ文字列が含まれるまで手順3を繰り返し,[次へ]をクリックする。
ここで追加したSNMPコミュニティ文字列が,NNMiデータベースに保存されます。NNMiコンソールでは,SNMPコミュニティ文字列は,[通信の設定]フォームの[デフォルトのSNMPv1/v2コミュニティ文字列]タブに表示されます。
[自動検出ルールの設定]ページで,既存のルール名と[含まれるIPアドレス範囲]との関連づけを行う。検出規則のためのIPアドレス範囲を入力し,[次へ]をクリックする。
次は,有効なIPアドレス範囲の例です。
10.1.1.*
10.1.1.1-99
10.10.50-55.*
10.1-7.1-9.1-9
[シードの設定]ページで,ネットワークに検出シードの情報を入力し,[追加]をクリックする。そのあと,[次へ]をクリックする。
検出シードを,IPアドレスまたは完全修飾ドメイン名の形式で入力します。これらシードで示されたネットワークデバイスによって,NNMiのスパイラル検出プロセスがネットワークを検出できるようになります。
- メモ
コマンドラインから,nnmloadseeds.ovplコマンドを使用してシードをロードできます。詳細については,nnmloadseeds.ovplリファレンスページを参照してください。
[シードテストの結果]ページで,通信テストの結果を確認する。
手順3で特定したコミュニティ文字列では,どのシードノードにも到達できない場合には,[前へ]をクリックし,[コミュニティ文字列の設定]ページまで戻ってください。コミュニティ文字列を修正してから,[次へ]をクリックします。
すべてのノードに到達できるまで,手順7を繰り返したら,[次へ]をクリックする。
[管理者アカウントの設定]ページで,NNMiソフトウェアを管理する新規アカウントのユーザー名を入力し,パスワードを設定して[次へ]をクリックする。
[要約]ページで,指定した情報を確認し,次のどちらかを実行する。
設定の変更を行う場合は,[前へ]をクリックします。
現在の設定を使用する場合,[コミット]をクリックします。
[ウィザードは終了しました]ページで,ネットワークの一部を検出するためにNNMiを正常に設定したことが表示されたら,次のどちらかを実行する。
戻ってもう一度実行する場合は,[前へ]をクリックします。
NNMiコンソールユーザーインタフェースを起動する場合は,[UIを起動]をクリックします。NNMiの使用を開始するには,「3. NNMi入門」を参照してください。
- メモ
Windowsの場合,インストール後,ウイルス対策ソフトウェアを再起動します。