14.17 dcmsusp.exe(ファイル転送の中断と再開)
ファイル転送を中断または再開するdcmsuspコマンドについて説明します。
機能
ローカルホスト上の配布管理システムに接続し、指定した中継システムおよび管理用中継サーバとその直下のシステム間のファイル転送を中断、再開します。また、接続先の配布管理システムとその直下のシステム間のファイル転送を中断、再開します。
形式
dcmsusp.exe [処理キー] [/s] /i パラメタファイル1 [パラメタファイル2] [/o 結果出力ファイル名]
引数
-
処理キー
実行する処理の種類を指定するキーです。コマンド名の直後に、次に示す処理キーのうち1つを指定してください。省略した場合は、「NETM_SUSPEND」が仮定されます。
-
NETM_SUSPEND
「ファイル転送の中断」ジョブを実行します。指定した中継システムおよび管理用中継サーバとその直下のシステム間のファイル転送を中断します。パラメタファイル(またはコマンドの引数)で、ジョブのあて先(中継システムおよび管理用中継サーバ下の、中継システムおよび管理用中継サーバと同一名称のエージェント)を指定してください。
-
NETM_RESUME
「ファイル転送の再開」ジョブを実行します。指定した中継システムおよび管理用中継サーバとその直下のシステム間のファイル転送を再開します。パラメタファイル(またはコマンドの引数)で、ジョブのあて先(中継システムおよび管理用中継サーバ下の、中継システムおよび管理用中継サーバと同一名称のエージェント)を指定してください。
-
NETM_MANSUSP
接続先の配布管理システムとその直下のシステム間のファイル転送を中断します。この処理キーを指定した場合、処理キー以外の引数はすべて無視します。
-
NETM_MANRESU
接続先の配布管理システムとその直下のシステム間のファイル転送を再開します。この処理キーを指定した場合、処理キー以外の引数はすべて無視します。
-
-
/s
ジョブを作成後、実行しないで保存します。処理キーが「NETM_MANSUSP」または「NETM_MANRESU」の場合は、指定しても無視されます。
ジョブの登録日時、実行日時、および実行期限を指定した場合は、これらのスケジュールも保存します。
-
/i
使用するパラメタファイルのフルパスを、1つまたは2つ指定します。2つ指定する場合は間をスペースで区切ってください。3つ以上指定するとコマンドは失敗します。
-
/o
結果出力ファイルのフルパスを指定します。処理キーが「NETM_SUSPEND」または「NETM_RESUME」の場合は、必ず指定してください。処理キーが「NETM_MANSUSP」または「NETM_MANRESU」の場合は、指定しても無視されます。
「NETM_SUSPEND」または「NETM_RESUME」を指定した場合、コマンドが正常終了すると、指定した結果出力ファイルに次の項目が出力されます。結果出力ファイルがすでに存在する場合は上書きされます。
-
ジョブ名称
-
ジョブ番号
-
ジョブ格納フォルダパス
/sを指定した場合の結果出力ファイルは、dcmjexeコマンドのパラメタファイルとして使用することもできます。また、/sを指定しなかった場合の結果出力ファイルは、dcmjbrmコマンド、dcmrtryコマンド、およびdcmstatコマンドのパラメタファイルとして使用することもできます。
-
パラメタファイルの指定内容とコマンド引数との対応
このコマンドで使用できるパラメタファイルの内容は、コマンドの引数で指定することもできます。パラメタファイルの指定内容と、コマンドの引数との対応を次の表に示します。
パラメタファイルの指定内容 |
内容 |
指定の有無 |
コマンドの引数 |
|
---|---|---|---|---|
タグ |
パラメタ |
|||
job_generator |
ジョブ名称 |
○※1 |
/j 値 |
|
jobno |
ジョブ番号 |
× |
− |
|
job_folder |
ジョブ格納フォルダパス |
○ |
/l 値 |
|
unsuspended |
中断中の配布の有無 |
× |
− |
|
group |
あて先グループ名 |
◎※2 |
/g 値 |
|
host_name |
ホスト名 |
◎※2 |
/h 値 |
|
destination_id |
ID名 |
◎※2 |
/X 値 |
|
job_entry_date |
ジョブの登録日時 |
○ |
/jst 値 |
|
job_execution_date |
ジョブの実行日時 |
○ |
/jsx 値 |
|
job_expiration_date |
ジョブの実行期限 |
○ |
/jsp 値 |
- (凡例)
-
◎:必ず指定する ○:省略できる ×:不要(指定しても無視される)
−:コマンドの引数では指定できない
- 注※1
-
job_generator(または/j)の指定を省略した場合、ジョブ名称として「処理キー+ジョブの実行日時」が自動的に設定されます。このため、同じ処理キーのコマンドを同時に複数実行すると、ジョブ名称が重複しジョブが正しく実行されないことがあります。同じ処理キーのコマンドを同時に複数実行する場合は、job_generator(または/j)で、異なるジョブ名称を指定することをお勧めします。
- 注※2
-
JOB_DESTINATIONとJOB_DESTINATION_ID、/gおよび/hと/Xは、同時に指定できません。どちらかを必ず指定してください。groupとhost_name(/gと/h)は片方だけでも、両方同時に指定してもかまいません。
リターンコード
dcmsuspコマンド実行時のリターンコードを次の表に示します。
コード |
意味 |
対処 |
---|---|---|
0 |
配布管理システムがジョブを開始した。または、配布管理システム自身の中断状態を変更した。 |
なし。 |
1 |
パラメタファイルをオープンできない、またはファイル形式に誤りがある。 |
パラメタファイルの指定または記述形式を確認してください。 |
2 |
コマンドの引数またはパラメタファイルに不正な値が設定されている。 |
コマンドの引数またはパラメタファイルの設定値を確認してください。 |
3 |
データベースの接続に失敗した。 |
配布管理システムのセットアップで、データベースの設定を確認してください。 |
4 |
結果出力ファイルをオープンできない。 |
結果出力ファイルの指定を確認してください。 |
5 |
JP1/IT Desktop Management 2のサービスの接続に失敗した。 |
JP1/IT Desktop Management 2 - Managerのサービスが開始しているかどうかを確認してください。 |
12 |
そのほかのエラーが発生した。 |
イベントログを参照してください。 システムエラー、コマンドの引数の文法不正、または接続先配布管理システムに定義されていない値がパラメタファイルに指定され処理が拒否された、などの原因が考えられます。 |
注意事項
JOB_DESTINATIONタグのhost_nameまたはコマンド引数の/hの指定時には、次のことに注意してください。
-
host_nameまたは/hに、ホスト名またはIPアドレスを指定した場合は、指定したホスト名またはIPアドレスをホスト識別子に引き当ててジョブが実行されます。
-
host_nameまたは/hに指定した、ホスト名またはIPアドレスのノードがシステム構成に存在しない場合は、指定されたあて先名称でジョブが実行されます。この場合、ジョブが正常終了してもシステム構成にあて先ノードが存在しないため、リモートインストールマネージャなどであて先ノードの中断状態を確認することはできません。
-
host_nameまたは/hに指定したホスト名またはIPアドレスのノードがシステム構成に複数存在する(ホスト識別子の異なる同名ノードが存在する)場合は、該当するすべての中継システムおよび管理用中継サーバに対してジョブが実行されます。同名ノードの一部に対してジョブを実行したい場合は、実行したいあて先をあて先グループとして登録し、そのあて先グループに対してジョブを実行してください。
JOB_ATTRIBUTEタグのjob_folderまたはコマンド引数の/lの指定時には、次のことに注意してください。
-
ジョブ格納フォルダパスに[ジョブ定義]ウィンドウで定義されていないフォルダを指定してコマンドを実行した場合、指定されたフォルダが作成されます。作成されたジョブ格納フォルダは、実行後も削除されないで残ります。使用しない場合は、ジョブが完了したら削除してください。
また、コマンド実行時にあて先を重複して指定しないでください。あて先に同じジョブが複数回実行されます。
-
コマンド実行時の注意事項
コマンドを実行途中で中断([Ctrl]+[C]など)すると、コマンドが作成したジョブ定義が削除されない場合があります。
コマンドを実行途中で中断した場合は、リモートインストールマネージャのジョブ定義画面を確認し、必要に応じてジョブ定義を削除してください。