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JP1 Version 13 JP1/IT Desktop Management 2 導入・設計ガイド


2.12.1 リモートインストールマネージャで効率良く配布する方法

JP1/IT Desktop Management 2では、リモートインストールマネージャを使用して配布する場合に、効率良く配布できる機能を提供しています。ここでは、効率良く配布するための機能の一部を説明します。

中継システムによる負荷分散

社内のネットワークが大規模である場合や、JP1/IT Desktop Management 2で管理しているコンピュータの台数が多い場合は、中継システムを設置します。中継システムを設置することで、管理用サーバの負荷を軽減できます。

配布先のコンピュータのグルーピング

配布先のコンピュータを、目的に応じてグルーピングできます。コンピュータをグルーピングしておくと、配布先を一括で指定できます。コンピュータは、複数のグループに所属できます。

部署ごとのグループとプロジェクトごとのグループを設定した例を次の図に示します。

[図データ]

インストール条件の設定

配布先に指定したコンピュータのうち、設定した条件に一致するコンピュータだけにソフトウェアをインストールできます。条件は、パッケージング時またはジョブの作成時に設定して、ジョブの実行時に判定されます。

例えば、OSがWindows 7のコンピュータにだけインストールするようにしたり、ハードディスクの空き容量が5ギガバイト以下のコンピュータにはインストールしないようにしたりできます。ハードウェアに関する条件だけではなく、特定のソフトウェアがインストールされているかどうかを条件に設定したり、ソフトウェアをインストールする前にシステム管理者が用意した外部プログラムを起動させることで、独自の条件を設定したりできます。

配布およびインストールの日時の設定

パッケージを配布する(データを転送する)日時と、コンピュータにソフトウェアをインストールする日時の2つを指定して配布できます。

パッケージを配布する日時

ジョブの作成時に、ジョブに対して実行日時を設定できます。例えば、ジョブの実行日時に夜間を設定すると、業務中に、ネットワークに負荷を掛けないでパッケージを配布できます。

コンピュータにソフトウェアをインストールする日時

パッケージング時またはジョブの作成時に、パッケージに対してインストールの実行タイミングを設定できます。実行タイミングを設定することで、配布先のコンピュータで、指定した日時に一斉にプログラムをインストールしたり、バージョンアップしたりできます。

パッケージの分割配布

パッケージを一度に配布しないで、指定した容量に分割して配布できます。分割したデータを転送する間隔(休止時間)も設定できるため、大容量のパッケージを配布する場合のネットワークの負荷を軽減できます。

マルチキャスト配布

通常のユニキャスト配布でパッケージを配布すると、配布先のコンピュータの台数が増加するほど、上位システム(管理用サーバや中継システム)から送信するパケット数が増加します。マルチキャストでパッケージを配布すると、ジョブ1つ分のパケット数の送信で済みます。パケットの送信量が削減されるため、ネットワークの負荷を軽減できます。

ジョブの中断と再開

ジョブを一時的に中断できます。例えば、業務停止中に配布する予定だったソフトウェアを業務停止中に配布できなかった場合、ジョブを中断することで配布を一時的に中断し、業務の再停止後に配布を再開できます。

配布先のコンピュータの制御

配布先のコンピュータがAMTまたはWake on LANに対応している場合は、配布先のコンピュータの電源を自動でオンにしたりオフにしたりできます。例えば、ネットワークの負荷が少ない深夜や休日に、電源がオフのコンピュータの電源をオンにして配布できます。

配布による負荷の軽減

リモートインストールマネージャを使用した配布機能で使用されるネットワーク帯域を制御することで、ネットワークの負荷を軽減できます。コンフィグレーションファイル(jdn_rim_distr_bwc.conf)で最大転送速度を設定すると、ネットワーク帯域が制御されて、設定した最大転送速度を上限としてデータが転送されます。1秒間の送信の合計量が、設定した最大転送速度に達した場合、管理用サーバからのデータ転送が抑止されます。

コンフィグレーションファイル(jdn_rim_distr_bwc.conf)で最大転送速度を設定する方法については、マニュアル「JP1/IT Desktop Management 2 構築ガイド」の配布時に使用されるネットワーク帯域を制御する手順についての説明を参照してください。

ヒント
  • 中継システムでもコンフィグレーションファイル(jdn_rim_distr_bwc.conf)で最大転送速度を設定できます。

  • 中継システムでネットワーク帯域を制御している場合、中継システムの公開ログ(MAIN.LOG)にネットワーク帯域の制御に関するイベントログメッセージが出力されます。

なお、最大転送速度の設定値が小さくて配布がタイムアウトになる場合は、次のように対処してください。

ヒント

次の場合、流量制御されません。

  • リモートコレクト機能によるファイルの収集

  • マルチキャスト配布を設定した場合の配布