2.3.5 ユーザーアカウントの業務分掌
JP1/IT Desktop Management 2のユーザーアカウントには、管理者の担当業務に合わせて業務分掌を設定できます。この業務分掌と権限とを組み合わせてユーザーアカウントに設定すれば、管理者の操作範囲をそれぞれの担当業務に応じて限定できます。管理者は自分の担当業務に関係がある情報だけを管理できるため、内部統制を意識した運用を実現できます。
業務分掌には次の5 種類があります。
- セキュリティ管理
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セキュリティポリシーの編集と適用、危険レベルに応じた機器へのセキュリティ対策、更新プログラムの管理と適用などの業務に限定された業務分掌です。セキュリティ対策ではソフトウェアや更新プログラムの配布を実施する必要があるため、業務分掌にセキュリティ管理を設定すると、配布管理も自動的に設定されます。
- 資産管理
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組織が保有している機器、ソフトウェアライセンス、契約などの資産情報を管理するための業務に限定された業務分掌です。
- 機器管理
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組織が保有している機器情報の管理、機器のリモートコントロール、インストールソフトウェアの管理などの業務に限定された業務分掌です。
- 配布管理
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ソフトウェアやファイルの配布業務に限定された業務分掌です。セキュリティ管理と組み合わせて設定することで、更新プログラムも配布できます。
- システム設定管理
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機器の探索の設定、エージェント設定、ネットワーク制御の設定など、JP1/IT Desktop Management 2の設定情報の管理に限定された業務分掌です。これらの設定情報はJP1/IT Desktop Management 2の操作に必要な情報のため、業務分掌にシステム設定管理を設定するには、システム管理権限が付与されている必要があります。また、ユーザーアカウントを追加・編集・削除するには、ユーザーアカウント管理権限が付与されている必要があります。
担当業務に合わせてユーザーアカウントに業務分掌を設定して、それぞれの管理者に割り当てる例を、次の図に示します。
- システム管理取りまとめ
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システム管理全体の取りまとめを実施します。各担当者の業務内容の確認に加えて、システムの運用ルールやユーザーアカウントなど、JP1/IT Desktop Management 2の設定情報の管理を担当するため、業務分掌にはすべての項目を設定します。
- 担当者
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システム管理の実作業を担当します。業務分掌には、担当業務に必要な項目だけを設定します。
- 重要
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API権限を設定しているユーザーアカウントには業務分掌を設定できません。