6.2.8 サービス連携オブジェクト監視ジョブ実行時の注意事項
サービス連携オブジェクト監視ジョブ実行時の注意事項について説明します。
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サービス連携オブジェクト監視ジョブで実行する情報取得コマンドラインのオプションを,取得されるオブジェクトの数を5,000個以下に抑えるように検討してください。また,取得されるオブジェクトの名称は128byte以下となるように連携先のクラウドサービスの構成,もしくは情報取得コマンドのコマンドラインの調整をしてください。例えば,クラウドサービス上のすべてのオブジェクトの情報を取得するなどの情報を絞り込まない指定だと,処理性能の低下,メモリー不足または標準出力の最大サイズの上限に達して異常終了する可能性があります。
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認証情報の定義の更新は迅速に行うようにしてください。サービス連携オブジェクト監視ジョブ実行中は監視間隔ごとに認証情報の定義を読み込みますが,クラウドサービスへの接続処理で異常終了もしくは接続失敗した状態で監視が継続されるため,特に実行中のジョブがあるときには運用に支障がないように更新をお願いします。
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情報取得コマンド実行に伴うクラウド環境との通信状態やクラウドサービス上に大量のオブジェクトがある場合など,情報取得コマンドの実行に時間がかかり監視間隔通りに監視できない可能性があります。
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クラウドサービスから取得するオブジェクトの情報の順番が保証されるかどうかは,使用する情報取得コマンドの仕様を確認のうえオブジェクト監視定義を指定してください。監視対象オブジェクト名に総称名(ワイルドカード文字)を指定した場合,引き継ぎ情報に格納される値は情報取得コマンドの仕様に依存するため,どのような順番で引き継がれるかは検証のうえ後続ジョブのマクロ変数利用などの設計をしてください。
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監視対象オブジェクト名に指定できるワイルドカード文字は「*」,および「*」をエスケープするための「\」のみです。その他の総称名として使用されるような,「.」「^」「$」「|」「[」「]」「(」「)」「{」「}」「+」「?」は,そのままの文字として扱われます。
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サービス連携オブジェクト監視ジョブはJP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsサーバ上の最新の情報を取得します。このため,JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsサーバ上で,サービス連携オブジェクト監視ジョブで使用している定義を変更すると,サービス連携オブジェクト監視ジョブが正しく動作しないおそれがあります。
JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsサーバ上の定義を変更する場合は,サービス連携オブジェクト監視ジョブが正しく動作するように注意してください。
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サービス連携オブジェクト監視ジョブは,カスタムイベントジョブです。JP1/AJS3から確認できる「終了コード」は,サービス連携オブジェクト監視ジョブの戻り値のほかに,マニュアル「JP1/Automatic Job Management System 3設計ガイド(業務設計編)」のジョブの終了コードを確認するに記載のJP1/AJS3が設定する終了コードが存在します。
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コマンドが実行できる環境かを事前に確認しサービス連携オブジェクト監視ジョブを実行してください。
JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsサーバ上で定義したコマンドが存在しない場合,JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsサーバ上で定義したコマンドの戻り値が0以外で終了します。
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サービス連携オブジェクト監視ジョブの実行先ホストがWindowの場合,JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsサーバ上で定義したコマンドライン(変数置き換え後のコマンドライン)は,OSのコマンドラインの制限があるため,8000文字を目安としてください。OSのコマンドラインの制限を超えた場合は,JP1/AJS3 for Cloud Service Applicationsサーバ上で定義したコマンドの戻り値が0以外で終了します。
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監視定義の[実行結果詳細出力設定]および[ログ出力設定]で実行コマンドの標準出力や標準エラー出力を出力する設定をしても,出力されるサイズの上限は10,240KBまでです。
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サービス連携オブジェクト監視ジョブを同一エージェント上で同時に実行する場合,監視処理は並行で実行されます。
並行で監視できる数には上限があり,最大20までです。監視処理の間は実行数を占有し,次のサービス連携オブジェクト監視ジョブの監視処理はキューイングされるため,次回監視処理の開始が遅れる恐れがあります。大量に監視処理のタイミングが集中する場合はエージェントを分けるなどの運用を検討してください。